(添付表は、東京都予防医学協会のHPより:モアレ検査による側わん発見頻度)
全国にどれだけ思春期特発性側彎症の患者さんがいるのか? 毎年の発見率(それとも
発症率と言うべき?)はどれだけの数値になるのか? 手術に至るのは何パーセント程
なのか? ......数値を並べても患者さんの病気が治るわけではありませんが、この
病気において早期発見イコール脊柱検診(学校検診)が大きな意味を持つ限り、そこに
はどれだけの予算をかけることができるか、という現実の問題も伴います。予算にも
限界があるわけですから、これだけの予算があればこれこれの成果を得られる。という
論拠の伴う議論が必要になると思います。ゆえに、統計データの持つ意味は大きく、
いかにデータを組み立てられる、という作業をしなければならないわけですが.....
前回の「脊ちゅう.胸郭異常 都道府県疾病異常被患率 (文部省) 」では文部科学省
の統計データをご紹介しました。私の理解が間違っていない限り、この調査は
いわゆる一次検診(モアレ撮影または視触診のいずれか)での数値と読み取れるわけ
ですが、そうなりますと、今回添付しました
東京都予防医学協会
http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/nenpo/index.html
http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/old/lb45_sps.htm
の数値と噛み合ないということに気づきました。 何が違うか、と申しますと、
文部省データ
12歳女子 1.1 %
13歳女子 1.0
14歳女子 1.4
東京都予防医学協会
中学女子 一次モアレ検査 二次レ線検査(20度以上)
9~10 % 1 %
脊柱に異常あり、とされた数値が、文部省データでは 1% 東京都予防は 10% と
10倍の開きがあることになります。
では、実は文部省データは、一次検査ではなく、二次検査で側わん症と診断された
数値を示しているのか? ということになるわけですが、
もしそうであれば、前回の都道府県別の数値と比較した場合、二次検査まで実施
した診断結果に、広島の2.5% から 地方県の0.1% まで25倍の差があるのか?
という矛盾にいきついてしまいます。もし、文部科学省データが二次検査結果を
示しているとしたら、それこそ大問題であり、これは考えられません。
と、しますと、やはりデータは一次検査を示している。そして、抽出率(検出率)に
10倍の差があるのは、それぞれの検査対象(学校数、児童数)の選択に何か大きな
違いがあるか、あるいは、データ表記方法に何か違いがあるか....というような
ことが考えられるのですが、今日の時点ではいくら考えてもこの違いがどこから
生じているかがわかりませんでした。
一日ずっと考えていて、あちこちのデータを比較してみたり、ネット検索してみたり
していたのですが、正直な気持ち、ものすごく徒労感ばかりが残りました。
確かに私は疫学データを精査する専門家ではありませんが、逆にどうして、誰が
見ても理解できるデータがこの日本では手に入らないのでしょう???
下記は以前このブログに書いた同様な愚痴ですが....
「側弯症 - 脊柱側弯検診 - について感じたこと」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9720b4ea27c5440be8553fe33fc8f526
1 : 実際の患者数、発生数、保存療法から手術へと進行する数の
正確なデータがない
どこかを探せばあるのかもしれませんが、これを書いている現時点では
では、以下のことが不明です。
20度以下も含めた全国の患者数不明
20度以上の患者のうち、全員がブレース療法に移行しているのか
専門医師を訪れずに、そのままにしている患者が
どれだけいるのかが不明
病院を訪れた患者のうち、本当に側弯症と診断された数が不明
従って、保存療法をしている患者数が不明
保存療法から手術必要になるまで進行が進む率が不明
「側弯症の発症は無くなることはありません」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/a6d29f99f050f10fbcc7e590f7de44f0
◆ 疫学データ、医学データという視点でみた場合、......これは日本だけの問題
ではありませんが.....おそらくスエーデンを除いた世界の各国の問題なのですが
正確な数値というものの蓄積が行われるシステムが日本にもありません。
全ての自治体、地域で同一の検査体制が実施されているわけではなく、
またそのデータ処理の方法においても統一性がありません。
下記のそれぞれの資料の表記方法を見ていただくとわかると思いますが、地域に
よっては、何のデータを集計しているかも理解しがたいものがあります。
できるだけ正確なデータが集計されることにより、そのデータをもとにした対策
を立てることができます。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事
「側わん症症例数全国調査」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/f9507d6dfe21512e1e830a92c9298e36
「特発性側湾症発生率と学校検診」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9125f19432984f2d4ec51ac9d72dcd1e
全国にどれだけ思春期特発性側彎症の患者さんがいるのか? 毎年の発見率(それとも
発症率と言うべき?)はどれだけの数値になるのか? 手術に至るのは何パーセント程
なのか? ......数値を並べても患者さんの病気が治るわけではありませんが、この
病気において早期発見イコール脊柱検診(学校検診)が大きな意味を持つ限り、そこに
はどれだけの予算をかけることができるか、という現実の問題も伴います。予算にも
限界があるわけですから、これだけの予算があればこれこれの成果を得られる。という
論拠の伴う議論が必要になると思います。ゆえに、統計データの持つ意味は大きく、
いかにデータを組み立てられる、という作業をしなければならないわけですが.....
前回の「脊ちゅう.胸郭異常 都道府県疾病異常被患率 (文部省) 」では文部科学省
の統計データをご紹介しました。私の理解が間違っていない限り、この調査は
いわゆる一次検診(モアレ撮影または視触診のいずれか)での数値と読み取れるわけ
ですが、そうなりますと、今回添付しました
東京都予防医学協会
http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/nenpo/index.html
http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/old/lb45_sps.htm
の数値と噛み合ないということに気づきました。 何が違うか、と申しますと、
文部省データ
12歳女子 1.1 %
13歳女子 1.0
14歳女子 1.4
東京都予防医学協会
中学女子 一次モアレ検査 二次レ線検査(20度以上)
9~10 % 1 %
脊柱に異常あり、とされた数値が、文部省データでは 1% 東京都予防は 10% と
10倍の開きがあることになります。
では、実は文部省データは、一次検査ではなく、二次検査で側わん症と診断された
数値を示しているのか? ということになるわけですが、
もしそうであれば、前回の都道府県別の数値と比較した場合、二次検査まで実施
した診断結果に、広島の2.5% から 地方県の0.1% まで25倍の差があるのか?
という矛盾にいきついてしまいます。もし、文部科学省データが二次検査結果を
示しているとしたら、それこそ大問題であり、これは考えられません。
と、しますと、やはりデータは一次検査を示している。そして、抽出率(検出率)に
10倍の差があるのは、それぞれの検査対象(学校数、児童数)の選択に何か大きな
違いがあるか、あるいは、データ表記方法に何か違いがあるか....というような
ことが考えられるのですが、今日の時点ではいくら考えてもこの違いがどこから
生じているかがわかりませんでした。
一日ずっと考えていて、あちこちのデータを比較してみたり、ネット検索してみたり
していたのですが、正直な気持ち、ものすごく徒労感ばかりが残りました。
確かに私は疫学データを精査する専門家ではありませんが、逆にどうして、誰が
見ても理解できるデータがこの日本では手に入らないのでしょう???
下記は以前このブログに書いた同様な愚痴ですが....
「側弯症 - 脊柱側弯検診 - について感じたこと」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9720b4ea27c5440be8553fe33fc8f526
1 : 実際の患者数、発生数、保存療法から手術へと進行する数の
正確なデータがない
どこかを探せばあるのかもしれませんが、これを書いている現時点では
では、以下のことが不明です。
20度以下も含めた全国の患者数不明
20度以上の患者のうち、全員がブレース療法に移行しているのか
専門医師を訪れずに、そのままにしている患者が
どれだけいるのかが不明
病院を訪れた患者のうち、本当に側弯症と診断された数が不明
従って、保存療法をしている患者数が不明
保存療法から手術必要になるまで進行が進む率が不明
「側弯症の発症は無くなることはありません」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/a6d29f99f050f10fbcc7e590f7de44f0
◆ 疫学データ、医学データという視点でみた場合、......これは日本だけの問題
ではありませんが.....おそらくスエーデンを除いた世界の各国の問題なのですが
正確な数値というものの蓄積が行われるシステムが日本にもありません。
全ての自治体、地域で同一の検査体制が実施されているわけではなく、
またそのデータ処理の方法においても統一性がありません。
下記のそれぞれの資料の表記方法を見ていただくとわかると思いますが、地域に
よっては、何のデータを集計しているかも理解しがたいものがあります。
できるだけ正確なデータが集計されることにより、そのデータをもとにした対策
を立てることができます。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事
「側わん症症例数全国調査」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/f9507d6dfe21512e1e830a92c9298e36
「特発性側湾症発生率と学校検診」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9125f19432984f2d4ec51ac9d72dcd1e