~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

側弯症検診 愛媛大学整形外科医師のページより

2008-04-03 21:47:00 | 脊柱検診スクリーニング
ネット検索にて愛媛大学整形外科尾形直則先生が書かれているページを見つけまし
たので、ご紹介します。

http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/spine/index.htm
このなかの「思春期側弯症」から入りますと下記となります。

思春期側彎症の外来での取り扱い(保存的治療)
-愛媛大学医学部整形外科での治療指針-
http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/spine/sokuwann.htm

一部引用させていただきます:

1979年(昭和54年)に学校保険法に側彎症検診が加えられた。側彎症検診の方法は
各自治体に任されており一様ではない。

愛媛県においては毎年約2万人の児童がモアレを用いた側彎症検診を小学生(5年
生)及び中学生(1年生)時に受けている。モアレ検診を受けている児童は県内の
対象児童の約70%である。

(検診のシステム)

愛媛県総合保険協会は各市町村の教育委員会を通して学校内でモアレ検診を行い、
その結果を愛媛大学医学部整形外科に送付する。大学病院で判定を行い、それを愛
媛県総合保険協会に通知する。保険協会は各学校を通し、保護者へ医療機関への受
診を勧める。

各医療機関におけるレントゲン撮影による検診結果(2次検診)は小中学校を通して
愛媛県総合保険協会へ報告される。

モアレ検診と2次検診で実際にどのくらいの人が異常と判定されるか?

モアレ検診で異常と判定される確率は約2%です。(2万人のうち400人程度)

モアレ検診で異常とされた患者の60%は2次検診でCobb角9度以下の正常と判定
されます。モアレ検診はそのようなスクリーニングです。

逆にモアレ検診で正常と判定された人が10度以上の側彎症である確率は、残念な
がらわかりません。

モアレ検診はあくまでもスクリーニングです。モアレ検診での異常はそのまま側彎
を意味するものではなく、モアレ検査での正常は側彎症ではないという証拠ではあ
りません。側彎検診にあたって、できるだけレントゲン撮影による被爆を避けたい
という試みの一つにすぎないことをご理解下さい(わかりやすく言うと、モアレ検
診にそんなに期待しないで下さいと言うことです)。


モアレ検査陽性者の男女比は小学生では7:3,中学生では8:2と女性に多い。


愛媛大学医学部整形外科では原則的に以下の基準で治療に当たっています。
この原則に患者さんの年齢やRisser’ gradeなどを考慮して治療法を決定しています。

◆ 0~9度    正常であると判定し、外来診療を終了
◆10~24度   側彎症と診断します。自然に軽減する人もいますので、
          何もせずに定期的(半年程度)にレントゲン計測します

          10度から24度のカーブの患者を経過観察するのは、装具
          療法開始のタイミングを逸しないためです。

◆24度~49度  側彎の進行する可能性が高いと考え、原則的には装具治療を
          勧めます。
◆50度以上    50度以上の側彎は、成長が終了してからも進行する可能性
          が高いと言われていますので、手術治療を勧めます。


Q:側彎症が進行する確率は?
A:20~24度の軽度側彎では20%は何もしなくても改善し、
 60%は進行しません。
 残りの20%が進行しますので定期的な診察が必要です。


装具は体操時(体育の授業)と風呂以外の1日23時間付けるように指導する。

装具は骨成熟(Risser IV or V)が得られ、初潮から3年が経過し、30度以下の側彎
なら外しても良い。(目標はRisser VでCobb 30度以下、初潮から3年が要注意)

参考:
愛媛県総合保健協会
http://www.eghca.or.jp/kenshin/gakkou.html



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北区滝野川第六小学校保健たより | トップ | VEPTRベプター嘆願署名 600人... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

脊柱検診スクリーニング」カテゴリの最新記事