インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所を運営していた「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)から大量のBTCが消 失した問題で、マウント社のマルク・カルプレス社長(30)がBTC取引の決済用口座を不正に操作し、米ドルの残高を水増しした疑いが強まり、警視庁は 31日、私電磁的記録不正作出・同供用容疑でカルプレス社長を8月1日に逮捕する方針を固めた。

 捜査関係者によると、カルプレス社長は社内のBTCの取引専用口座と売買決済用の口座を不正に操作し、BTC残高とドル残高を実際より多く水増しした疑いが持たれている。警視庁は社長らから任意で事情聴取を進めていた。

 マウント社は昨年3月、システムの不具合(バグ)を悪用したサイバー攻撃により、利用者らが保有するBTCの大半が消失したとして、警視庁にサーバーの通信履歴などを任意提出していた。同庁が解析したところ、消失したコインの一部は架空のものだった可能性が高いという。

 社長は決済口座からドルを別の口座に送金する際、顧客の資金を流用した疑いもあり、警視庁が業務上横領容疑でも捜査している。