「2位じゃダメなんでしょうか?」……かつてそんなセリフがありましたが、絶対に自分が1番じゃないとダメなヒロイン体質の女性たちが最近世間を賑わせています。
◆丸川珠代大臣 マイルールが正義です
例えば、思い浮かぶのは丸川珠代五輪担当相。菅総理に指名され、大臣に返り咲いた彼女は東大出身、元アナウンサーの才媛です。夫婦別姓に反対の立場でありながら、自分は旧姓を使っている矛盾が指摘されていますが、選択的夫婦別姓とは関係なく、知名度や地位があれば自分の通称を使い続けて活躍できる、ということを体現しようとしているのかもしれません。マイルールが正義です。
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耳に残るのは「この愚か者めが!」というヤジの声。その後、そのセリフをTシャツにプリントして自民党が販売。その後彼女は「ルーピー!」という野次を飛ばしたり、よく通る声を生かして自分のキャラを確立。メンタルの強さが伝わるエピソードですが、どこか危うさもあるので目が離せません。
◆「飲み会を絶対に断らない女」山田真貴子 前内閣広報官
接待問題で注目された山田真貴子前内閣広報官にもヒロイン感が漂います。
『週刊文春』(2021年3月4日号)の記事によると、飲み会などにあえて遅れて登場し、男性たちに喝采(かっさい)で迎えられるなど、自己演出に長けていたそうです。「飲み会を絶対に断らない女としてやってきました」というセリフもインパクトがありました。
飲み会を断らないことで人脈を作り、チャンスを得られるということらしいですが、お酒に強い美女として、飲み会の場では常に主役でいたのだと推察します。コロナ禍に飲み会を勧めるのはどうかと思いますが、世間の常識とのズレを感じます。問題が発覚してから、体調を崩し、入院、という流れも世間の心配と同情を誘います。
◆メーガンさん 最強のヒロイン体質
しかしそんな日本のヒロインたちはまだキャラが弱い、と思わせるような最強のヒロインがいます。英国王室をリアリティドラマにしてしまったメーガンさん(サセックス公爵夫人)です。彼女こそ、2位ではダメな女の典型。英国王室ではキャサリン妃に対してジェラシーを抱いていたという説が。
メーガンさんを見ていると、フィギュアスケートのトーニャ・ハーディング選手を思い出します。ライバルのナンシー・ケリガン選手にどうしても勝ちたくて、リンクで靴ひもがほどけたと泣きながら訴えたり、ケリガン選手を襲撃させたり……。メーガンさんはそこまで荒々しくなく、もっと巧妙で洗練されていますが、野心的で自分が一番、という思いが強いのは同じです。そして周りを巻き込み、その場で注目の的になってしまうキャラクターも……。
先日、米CBSのインタビュー番組に出演した時も、メーガンさんの独壇場となっていました。英国ではナメられないように威圧的なメイクが多かったですが、インタビュー番組に出演するときは(南アフリカの時も)、困り眉だったり、憂鬱な表情を際立たせるメイク、という巧みな演出が。
日本では部分的にしか報じられなかったインタビューですが、Yahoo!ニュースの今井佐緒里氏の記事にほぼ全文が掲載されています。このインタビューのやりとりを見ると、メーガンさんの手強さが改めて実感できます。そしてキャサリン妃を意識しまくっているのが伺えます。気になったポイントをまとめてみます。
◆メーガンさんの6つのヒロインポイント
・最高君主エリザベス女王に気に入られているアピールがあざとい 女王はいつも自分に親切に接してくれて、電車の中でブランケットをかけてくれたり、真珠のアクセサリーをプレゼントしてくれた、というエピソードを語っていましたが、自分の方が気に入られている、とウィリアム王子とキャサリン妃へのマウンティング感が漂います。
・子どもの肌の色に対する発言があったと人種差別をほのめかす
人種差別はあってはならないことですが、この時発言をしたのはエリザベス女王夫妻ではないとあとでわざわざ断っていたので、疑いの目はチャールズ皇太子&カミラ夫人、ウイリアム王子&キャサリン妃に向けられることになって、4人は辛い立場に……。
・キャサリン妃ともめた事件の真相
メーガンさんがキャサリン妃と、自身の結婚式でのフラワーガールの衣装(白タイツか生足か)でもめてキャサリン妃が泣いた、と以前は報じされていましたが「実際は逆のことがおきました」とメーガンさん。そのあとキャサリン妃が謝罪し「私は彼女を許しました」と上から目線な発言も。
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もし事実と逆のことが報じられたのなら気の毒ですが、結婚式のフラワーガールのシャーロット王女の写真を見るとメーガンさんが主張した通り、生足でした。結果的に、メーガンさんが言い負かしたような……。
・王室で自由がなかった発言
それにしては服を買いまくり、海外にもよく行っています。ベビーシャワーのため単身でNYを訪れたり、全米オープンを観戦したり、カナダ旅行したりしていました。衣装代に関しては、結婚した頃は年間1億円以上かかっていたという説が。
「死にたかった」発言もありましたが、人は自分の器以上の富を得ると、押しつぶされて虚無感を抱いてしまう、というのもありそうです。もし自分が年間1億円服を買ったら、と想定すると……幸せというより辛さや虚しさに襲われることが想像されます。
・自分に酔い気味
インタビューの中で、声を失ったけれど取り戻した人魚姫アリエルに自分をなぞらえていました。メーガンさんの物語はディズニープリンセス級ということでしょうか。将来映画化されるかもしれません。
また、今回のインタビューで日本の情報番組でも流れていて、自分に酔っている感が満載だったのが「私は女優でもウエイトレスでも王女でも公爵夫人でもなく、ただのメーガンよ。でも一番大切な称号は、母親です」というセリフ。全ての肩書きを超えた「メーガン」、自分というジャンルが最強だと言っているようです。今後名言として語り継がれることを想定していそうなテンションでした。
・やはり消えないヘンリー王子洗脳説
「私がすべてを捨てたのは、彼を愛しているから」と、メーガンさん。でも故郷や家族、友人、軍隊の仕事、王子の称号など、全てを捨てたのはむしろヘンリー王子では……。
むしろメーガンさんは欲しいものを次々と手に入れていっている印象ですが、家ではメーガンさんは「私はあなたのために全てを捨てたのよ」とか言い聞かせていそうです。そしてヘンリー王子は彼女の思うままに……。
◆メーガンさんに翻弄されまくっている英王室
メーガンさんの言動は世界に君臨する英王室を揺るがす事態になっています。インタビュー直前にはエリザベス女王が国民に向けて、団結を促すメッセージを送ったり、インタビュー後はウイリアム王子が「私たちは人種差別的な家族ではない」とコメントしたり、メーガンさんに翻弄されまくっています。
世界中の人々の注目を集め、リアリティドラマのヒロインになっているメーガンさんは女優だった時以上の高揚感を得ていることでしょう。しかし英王室にケンカを売るなんて怖いもの知らずで、だんだん応援したくなってきました。今後も波乱の気配が濃厚です。
<文/辛酸なめ子>【辛酸なめ子】 東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著者は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。
外部サイト
バッキンガム宮殿が1月18日に発表した声明により、ヘンリー王子とメーガン妃の英王室からの事実上の離脱が決まりました。今春から王室の公務を行わず、「ロイヤルハイネス」(殿下・妃殿下)の称号を返上し民間人になるそうですが、果たしてプライバシーと自由な生活を手に入れることはできるのでしょうか。
©Lorna Roberts
結婚から2年も経たずの衝撃の展開に、皇室ウォッチャーである漫画家・作家の辛酸なめ子さんは「結婚した当初からこうなる予兆は感じていましたが、予想以上でした」と言います。 一連の騒動について、辛酸さんに寄稿いただきました(以下、寄稿)。
メーガン妃なのかそれともメガン妃なのか……そのことはもはやハロウィンかハロウィーンかといったくらいどうでも良いことかもしれません。 世界中を揺るがせたヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱。「シニア王族」と呼ばれる「上級王族」としての公務から引退することを表明しました。「上級国民」よりもはるかに雲の上の「上級王族」という存在がいることにも驚かされましたが、王族としていいとこ取りをしたいという夫妻の希望にも疑問を感じずにはいられませんでした。
プレッシャーや義務や面倒な親戚付き合いからは解放されたい、でもロイヤル特権とお金(チャールズ皇太子のお小遣い)は欲しい。さらに
「ロイヤルサセックス」で商標登録し、稼ぎたい。慈善事業で人々のリスペクトもほしい、芸能界にも返り咲きたい、という全てを求める貪欲さ 。 ディズニー映画のナレーションの仕事がしたいメーガン妃を、王子がCEOに売り込む姿も目撃されています。もはや王子はメーガン妃のマネージャー状態に。さらに今後、メーガン妃はアメリカのトーク番組に出演し、内情をぶちまけるのではないかとも予想されています。
かつてメーガン妃はPR会社との打ち合わせで「インターネットを壊したい」と言い放ったそうです。実際に今、世界中のネットが彼女のニュースで負荷がかかっています。あらゆる願望を叶えるメーガン妃。やはりただものではなかったです。
今思えばヘンリー王子と結婚した当初、両手で彼の腕にしがみついている姿に、その予兆が出ていたのかもしれません 。ちょっと独占欲が強そうだな、くらいに思っていたのですが、予想以上でした。ヘンリー王子を王室から引き離して、自分のかつてのテリトリーであるカナダでコントロール下に置こうとしているかのようです。 <iframe id="instagram-embed-0" class="instagram-media instagram-media-rendered" src="https://www.instagram.com/p/B5X7Wmtl8lX/embed/?cr=1&v=12&wp=675&rd=https%3A%2F%2Fjoshi-spa.jp&rp=%2F983514#%7B%22ci%22%3A0%2C%22os%22%3A1098.5550000332296%2C%22ls%22%3A833.0850000493228%2C%22le%22%3A867.9600000032224%7D" height="746" frameborder="0" scrolling="no" allowfullscreen="true" data-instgrm-payload-id="instagram-media-payload-0"></iframe> 「People」誌には、メーガン妃が妊娠中に、ヘンリー王子に昔の仲間との関係を清算させた、という友人の発言が掲載されたこともありました。
隔離された環境で、メーガン妃の影響力はますます強まりそうです 。ちょっと前に「メーガンマークルする」という新しい動詞が話題になりました。自分の人生に邪魔な人間関係を切り捨てる、という意味で使われているようです。それは自分だけではなく親しい人にも及ぶのでしょう。 ヘンリー王子は、今回の「メグジット(※)」によって、多くのものを失うことになってしまいました。王族としての称号を返上させられ、公務や軍組織からも引退することになって「他に選択肢がありませんでした」「深く悲しんでいます」と、スピーチで語っていたヘンリー王子の悲しげな表情が印象的でした。そんな彼と裏腹にメーガン妃はカナダではじける笑顔を見せていたのですが……。 (※編集部注)「Megxit=メグジット」は、「Meghan=メーガン妃」と「Exit=退去」を組み合わせた造語です。
自由の国、アメリカで生まれ育ったメーガン妃にとって、感情を押し殺して公務に励む、しきたりだらけのイギリス王室は窮屈な場所だったのでしょう。2年ほど、十分にロイヤル気分を満喫してだいたいわかったので、そろそろ自分のキャリアのステップアップを考えたい、という思いになったのかもしれません。 「私たちは何をしていても、どこにいても王族」というポジティブシンキングのもと、様々な慈善団体を高尚な表情を浮かべて訪問するメーガン妃。人々にかしづかれながら……。どこか表面的なものに見えてしまうのは気のせいでしょうか。 軽い恐怖を感じたのは、カナダで友だちを迎えにいくためランドローバーに乗っていたメーガン妃の姿。ニット帽でカジュアルダウンしていましたが、何より車が土か何かで汚れていたのが気になりました。エリザベス女王も愛用している英国車を汚れたまま乗り回す……ダークな匂わせを感じます 。前にも、世界で最も長く君臨している君主であるエリザベス女王の誘いをドタキャンしたり、メーガン妃はメンタルが強すぎです。
エリザベス女王は、王族の称号は返上させても、「サセックスロイヤル」の侯爵位剥奪は思いとどまられました。孫をみすぼらしく見せたくなかったという、優しい祖母心。とはいえサセックス公爵を返上してもまだダンバートン伯爵とキルキール男爵の爵位があるヘンリー王子。王室の人間はいろいろなものを持ちすぎているようです。 <iframe id="instagram-embed-0" class="instagram-media instagram-media-rendered" src="https://www.instagram.com/p/B21cwD-lLZq/embed/?cr=1&v=12&wp=675&rd=https%3A%2F%2Fjoshi-spa.jp&rp=%2F983514%2F2#%7B%22ci%22%3A0%2C%22os%22%3A935.9650000114925%2C%22ls%22%3A363.23000001721084%2C%22le%22%3A365.1349999709055%7D" height="766" frameborder="0" scrolling="no" allowfullscreen="true" data-instgrm-payload-id="instagram-media-payload-0"></iframe>
「メグジット」によって英王室の暗部が明らかになり、メーガン妃父が言うように「王室の権威が失墜」しかけているようです。もしかしたらメーガン妃は、古い価値観や権威を壊すという大きな使命を持った魂なのかもしれません。きっと時代を変革させるために生まれてきたのです 。 このままいくと、王室の存在を揺るがしたメーガン妃は世界史に名を残す存在に……。クレオパトラまではいかなくても、デュ・バリー夫人くらいのネームバリューを後世に伝えられることでしょう。メーガン妃の満面の笑顔は、自分が世界史に名を残す人物であることを確信しているかのようです。 <文&イラスト/辛酸なめ子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】