ホロヴィッツによる「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」(BMG:BVCC 37647)(指揮:ユージン・オーマンディ、ニューヨーク・フィルハーモニック)(録音:1978年1月8日、ニューヨーク、カーネギーホールでのライブ・レコーディング)の再版盤が発売されていました(左のCD)。この演奏には特別な思いがあります。単独のCDとしては最も多く聴いた演奏の一つです。その後、このCDが紛失してしまって、また買わないといけないと思っていた所でした。ホロヴィッツは1989年11月5日にニューヨークの自宅で亡くなったのですが、この演奏を聴いている最中に彼の死亡のニュースを聞いたのも印象に残っています。好みにもよりますが、この演奏を超えるラフマニノフの第3番はもう出ないのではないかと思います。久しぶりにこの演奏を聴いて、懐かしく感じるとともに、ホロヴィッツのような偉大なピアニストが今後また早く出てきて欲しいと思いました。
ホロヴィッツはこの演奏と同じ年の9月にも、第3番を再度演奏しており、これがDVDになっています。右のDVDで、「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」(ユニバーサル:UCBG 1028)(指揮:ズービン・メータ、ニューヨーク・フィルハーモニック)(録音:1978年9月24日、ニューヨーク、エイヴリーフィッシャー・ホールにおけるライブ収録)です。この演奏はCD化されていないと思います。色々な角度からの映像により、ホロヴィッツの意気込みや独特な彼の指の動き(指の腹で鍵盤を触るような)が良く分かります。ただ、カーネギーホールでの演奏より、ミスタッチが多いように思います。また、スピードが速いところや、第3楽章最後のフィナーレの所で、メータの指揮よりホロヴィッツのテンポがやや遅れるのが気になる所です。やはり年を感じさせる所があり、CD化出来なかったのではと勝手に思っています。というより、カーネギーホールの演奏があまりにも素晴らしかったと言った方がいいのかも知れません。それにしてもホロヴィッツの年齢を感じさせない気迫、集中力には圧倒され、目が釘付けになります。
この2つのCDとDVDは永遠に残る名盤といえるのではないかと思います。