筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

見逃さなくて良かった「フロスト×ニクソン」

2009-04-15 20:38:56 | 映画タ~ハ行

ウオーターゲート事件で米史上初の任期途中降板となったニクソンに、コメディアン上がりのフロストが真相を語らせようとインタビューを挑むが……

いや~、面白かった。思ってた以上に。思ってたよりずっと。

以下、ネタバレあり、です


 

斬るか斬られるかの、緊迫感溢れる真っ向勝負。その為のお互いの事前準備の周到さもすごかったし、インタビューにおいてあんなにも細かく契約するものなのかと驚き

本番でのニクソンの老獪な話題のすり替え、時間稼ぎの滑らかな述懐。主人公のフロストが追い込まれるというのに、見事過ぎて小気味いいほど

そして、手玉に取られていたフロストが見せる最後の大逆転……  いやあ見応えがありました。大満足です

ただ、その奇跡の大逆転を起こす執念に火をつけた、ニクソンの電話のエピソードがよくわからなかった。本人も覚えてないみたいだし……。勝ちを確信した油断によるお酒の上の失態? それとも年齢による物忘れ? 理解力不足な私……

まあ細かい部分がわからなくても、充分にのめり込んでしまった。

こんなに面白いのに、公開劇場は少なめ。でも頑張って不便な劇場まで行ったのは、理由あり。

昔から一番のお気に入りハリウッド俳優、ケビン・ベーコンを久々に見られる……ということで行くしかない

以前はケビン・ベーコンゲームなるもの(=共演した人を「No.1」とし、No.1の俳優と共演した人をNo.2とするもので、ほとんどの俳優がNo.3までには入ってしまう。日本人でも、役所広司はNo.2、美輪明宏はNo.3となり、誰でも辿っていくとケビン・ベーコンに行きつくという**Wikipediaより)が登場するほどやたらに出演作があったのに……一体最近どうしてたの~? 待ち侘びたわ

近年の彼は、極悪人の役が多い。それもあんまりにもひどい奴なので、最後には何のためらいもなく撃ち殺されちゃったりする(>_<)

でもここでは一転、冷静で切れ者というニクソンの忠実な補佐。喜ぶときも悔しいときも、表情はちょっとした動きだけ。尊敬と敬愛が深いゆえに一度だけ激情するのも見物。やっぱり上手いです なのに何だかいつも紙一枚の差くらいで賞からすれ違ってる感じなのが残念……


とにかく頑張って観に行った甲斐があった。見逃さなくてよかった。かなり満足度が高い逸品だと思います