ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Dierks Bentley ダークス・ベントリー - The Mountain

2018-11-28 | Dierks Bentley ダークス・ベントリー レビューまとめ
★ダークスが関わってるらしい Hot Country Knightsの
2020年のアルバムについて考えました

今年、2018年リリースされ、先日のCMAアワードでもアルバム賞に
ノミネートされた、来日経験もあるダークスの通算9作目です。2003
年のデビュー以来、ヒットチャートの第一線で活躍し続けてきたスー
パースターですが、ブルーグラス好きで、カントリーミュージックな
らではのアコースティック・サウンドをいつもポップサウンドに程良
く織り込み、トラディショナリストともいえる意思を常に感じさせて
くれます。このアルバム、アワードのノミネートは伊達でなく、彼と
しても出来が良くてとても楽しく聴けますよ。
 

ダークスくらいのメジャー・アーティストだと通常、ミュージシャン
やソングライター等の人材が豊かなナッシュビルで録音するのが常識
なのですが、このアルバム、メインはコロラド州のテルライドでレコ
―ディング。そう、テルライド・ブルーグラス・フェスティバルで有
名な地です。ブルーグラス好きの面目躍如!先のCMAアワードで見
事デュオ賞を獲得した、今を時めくブラザーズ・オズボーンBrothers
Osboneをゲストに迎えた"Burning Man"や、"Woman, Amen"のようなシ
ングル曲ではプログラミングを導入し今時のボトムの効いたダンスチ
ューンになっていますが、全体のサウンドの当たりは柔らかく温かみ
のあるサウンドだと感じますね。それにしてもこの2曲、小気味良い
リフレインを効果的に使ったコーラスは耳に残り、ダークスらしいシ
ングル向けの楽曲になってます。



タイトル曲"The Mountain"はテルライドの雄大な山々にインスピレイ
ションを受けたミディアム。アーシ―なギターリフとヘビーなリズム
で雰囲気を引き締めます。"You Can't Bring Me Down"はこのアルバム
らしい気持ちの良いカントリーソングです。シンプルで素直なメロデ
ィとアコースティック・サウンドが、心地よいビートとブレンドして
とても楽しいです。まろやかでコクのあるダークスならではの歌声も
いつもながらイイ。
 

テルライドの名を曲名に入れた"Goodbye in Telluride"では、そんな
カントリー・サウンドにプログラミングを交え、よりタイトにあか抜
けた雰囲気にしています。この地での録音への強い思いを感じますね。
そして、そのテルライドでのレコーディングなら絶対外せないでしょ、
のブルーグラス・チューンが"Travelin' Light"。スピーディなナンバ
ーですが、マイルドなダークスの声からゲストのシンガーソングライ
ター、ブランディ・カーライルにチェンジするところからのドライブ
感が実にスリリング!疾走感あふれる奔放な歌声が曲に熱気を持ち込
んでいます。アルバムのハイライトの一つですね。
 

今のメジャーなカントリーはプログラミングも当たり前のように活用
され、ポップスとの違いは何?との問いがかつてなく投げかけられる
昨今かと思いますが、このアルバム、現代カントリーの一つの良質な
サンプルだと言えるものだと思います。変化していくものと、変わら
ないものが同居し、自然にまとまっているのがカントリーの良いとこ
ろですから。


 



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