さすらいのカントリー・ロッカー、ってチョッとベタですが、そう呼びたくなるアーティスト、スティーブ・アザー。1996年のデビュー以来、レコード会社を転々とし、決して順調なレコーディング・キャリアではなかった彼。2002年の「Waitin' on Joe」をメジャーのMercuryからリリースし、"I Don't Have to Be Me ('Til Monday)"のトップ10ヒットを放ったものの、結局同レーベルからの続編が出ることなく、マイナーへ移籍。しかし、最近もボブ・シーガーとツアーを共にするなど、その才能は一目置かれるレベルの高いものなのです。この新作「Slide On Over Here」では、グリッティなロックから、スパイスの効いたアコースティック・チューンまで、幅広いスタイルをミシシッピ・デルタ出身らしいアーシーなムードでまとめ上げている好盤なのでご紹介します。スティーブの塩っ辛いシワガレ声にもしびれますね。
オープニングの “I’ll Find Me”から、個性的なミディアム・ロックでキメてくれます。スティーブの粘りあるハスキー・ボイスと、ブルージーなスライド・ギターが聴きモノです。ヒット・カントリーのロッキン・チューンとは、さすがひと味違いますね。シングルとして中ヒットした“Moo La Moo”は、少し軽めのアップ・テンポ。乾いたリズム・ギターが小気味良いグルーブを生んでます。お金に困って何ヶ月もたつという主人公が、自身の惨憺たる状況を笑い飛ばす痛快なナンバー。この不況の時代でも、たくましく生きるアメリカの強さが垣間見えます。彼のミシシッピ・ルーツをカントリー・テイストで見事に料理したのが“Sinkin’ Or Swimmin’ (With You)”。実はこの曲、レディ・アンテベラムのボーカリスト、チャールズ・ケリーの兄Josh Kelleyとの共作曲。スライド・ギターとバンジョーの絡み具合が実にアーシーで、エレクトリックとアコースティックのアンサンブルもいい具合。安易にハードなギターに頼るアリーナ・ロックに走っていないところに、スティーブのアーティスティックな志を感じます。
アルバムのほとんどで、ウェストコースト・ロックの肌触りとカントリーらしい草の根感が混じり合った、アコースティック主体のサウンドを聴かせてくれるところが、カントリー・ファンには嬉しいところ。本物感にあふれています。”ヘ、ヘ、ヘェ~イ"と印象的なコーラスでスタートする“Apart At The Seams”は、なかなかシングル向きのキャッチーなメロですが、サウンドはシンプルでオーガニックなカントリー・アンサンブルだったりします。"Hard Road"は、流れるようなアコースティック・ギターとクリアなエレクトリック・ギターのアルペジオが美しい、ナイスなミディアムのロード・ソング。ハスキーな彼の声による"アゥ"の合いの手が、ザックリした肌ざわりを加えていてユニーク。アルバムタイトルの“Slide On Over Here”のフレーズはこの曲から取られたもので、彼の思い入れが伝わります。
スロー&バラードも切々と聴かせてくれて、上手い。"Come on Back to Memphis"や“Take Your Time (Ryan’s Song)” あたりですね。私的にお気に入りは、"Sunshine"。ささやかなエレクトリック・ギターによる、木漏れ日のような穏やかなイントロからスタートし、次第にサウンドがリッチになっていくカントリー・バラードです。前のオープニング曲“I’ll Find Me”とは好対照、スティーブのワイド・レンジなタレントをPRします。彼の優しみ溢れる歌声と、キーとなるギター・リフやハーモニカやキーボードなど適材適所に配された豊かなバックが、至高の和みを提供してくれます。
キャリー・アンダーウッドと
1964年、ミシシッピ州Greenvilleで生まれ育ちました。1982年からDelta State Universityで化学を専攻しましたが、3年後には音楽に専念。兄弟のJoeとバンドを組み、フロリダからテネシーまで、年に200のショーをこなすほど勢力的に活動、メンフィスで行われていたニュー・イヤーズ・イヴ・コンサートでは、2年連続70000人の前でプレイした経験を積みました。そして、1993年にナッシュビルへ移動。1996年にデビュー・アルバムを発表しますが、まもなくレーベルが終息。その後もツアーを続け、2001年には、メジャーMercuryと契約、冒頭の通りのヒットを飛ばしますが、Mercuryでのセカンドは実現しませんでした。2004年に喉の出血性嚢腫のために手術を余儀なくされましたが、見事に復帰し、2007年にインディー・レーベルから「Indianola」をリリース。この作品が認められ、ロック・ヒーロー、ボブ・シーガーのツアーに同行する事になるのです。
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オープニングの “I’ll Find Me”から、個性的なミディアム・ロックでキメてくれます。スティーブの粘りあるハスキー・ボイスと、ブルージーなスライド・ギターが聴きモノです。ヒット・カントリーのロッキン・チューンとは、さすがひと味違いますね。シングルとして中ヒットした“Moo La Moo”は、少し軽めのアップ・テンポ。乾いたリズム・ギターが小気味良いグルーブを生んでます。お金に困って何ヶ月もたつという主人公が、自身の惨憺たる状況を笑い飛ばす痛快なナンバー。この不況の時代でも、たくましく生きるアメリカの強さが垣間見えます。彼のミシシッピ・ルーツをカントリー・テイストで見事に料理したのが“Sinkin’ Or Swimmin’ (With You)”。実はこの曲、レディ・アンテベラムのボーカリスト、チャールズ・ケリーの兄Josh Kelleyとの共作曲。スライド・ギターとバンジョーの絡み具合が実にアーシーで、エレクトリックとアコースティックのアンサンブルもいい具合。安易にハードなギターに頼るアリーナ・ロックに走っていないところに、スティーブのアーティスティックな志を感じます。
アルバムのほとんどで、ウェストコースト・ロックの肌触りとカントリーらしい草の根感が混じり合った、アコースティック主体のサウンドを聴かせてくれるところが、カントリー・ファンには嬉しいところ。本物感にあふれています。”ヘ、ヘ、ヘェ~イ"と印象的なコーラスでスタートする“Apart At The Seams”は、なかなかシングル向きのキャッチーなメロですが、サウンドはシンプルでオーガニックなカントリー・アンサンブルだったりします。"Hard Road"は、流れるようなアコースティック・ギターとクリアなエレクトリック・ギターのアルペジオが美しい、ナイスなミディアムのロード・ソング。ハスキーな彼の声による"アゥ"の合いの手が、ザックリした肌ざわりを加えていてユニーク。アルバムタイトルの“Slide On Over Here”のフレーズはこの曲から取られたもので、彼の思い入れが伝わります。
スロー&バラードも切々と聴かせてくれて、上手い。"Come on Back to Memphis"や“Take Your Time (Ryan’s Song)” あたりですね。私的にお気に入りは、"Sunshine"。ささやかなエレクトリック・ギターによる、木漏れ日のような穏やかなイントロからスタートし、次第にサウンドがリッチになっていくカントリー・バラードです。前のオープニング曲“I’ll Find Me”とは好対照、スティーブのワイド・レンジなタレントをPRします。彼の優しみ溢れる歌声と、キーとなるギター・リフやハーモニカやキーボードなど適材適所に配された豊かなバックが、至高の和みを提供してくれます。
キャリー・アンダーウッドと
1964年、ミシシッピ州Greenvilleで生まれ育ちました。1982年からDelta State Universityで化学を専攻しましたが、3年後には音楽に専念。兄弟のJoeとバンドを組み、フロリダからテネシーまで、年に200のショーをこなすほど勢力的に活動、メンフィスで行われていたニュー・イヤーズ・イヴ・コンサートでは、2年連続70000人の前でプレイした経験を積みました。そして、1993年にナッシュビルへ移動。1996年にデビュー・アルバムを発表しますが、まもなくレーベルが終息。その後もツアーを続け、2001年には、メジャーMercuryと契約、冒頭の通りのヒットを飛ばしますが、Mercuryでのセカンドは実現しませんでした。2004年に喉の出血性嚢腫のために手術を余儀なくされましたが、見事に復帰し、2007年にインディー・レーベルから「Indianola」をリリース。この作品が認められ、ロック・ヒーロー、ボブ・シーガーのツアーに同行する事になるのです。
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