レディAの世界は限りなく広がる・・・
2008年に華々しくデビューし、CMAアワードで2008年に新人賞、そして2009年はグループ賞をモノにしただけでなく、グラミー賞でもオールジャンルでの新人賞にノミネートされるという栄光も勝ち取り、早くもカントリー・フィールドを代表する地位を確立しているレディ・アンテベラム(レディA)。その待望のセカンド・アルバムは、その存在感をカントリー・フィールドの外でも強力にしようとする意欲に溢れた作風となりました。以前紹介したインタビュー記事でチャールズ・ケリーCharles Kelley が、「カントリー・ミュージックだから聴くってのはやめてほしいし、カントリー・ミュージックだから聴かないってのもやめてほしい」と語っていましたが、その彼らのコンセプトをキッチリと音で表現したものになっているのです。またそれは、レディA初のNo.1ヒットとなった"I Run To You"(今年2010年のグラミー賞受賞曲)の持つイメージをさらに発展させていった結果とも言えるでしょう。各曲のスタイルはバラエティに富み、楽曲としても一定のクオリティを保っていて、いずれもレディAらしさが織り込まれていますね。
ピアノの甘美な響きに語り声をコラージュしたアンニュイなイントロに意表をつかれる、リードシングルでタイトル曲"Need You Now(ニード・ユー・ナウ ~いま君を愛してる)"。彼ら2曲目のカントリー・シングルNo1ヒットとなりました。ミディアムの穏やかなカントリー・ロックですが、要所で挿入されるピアノのテーマ・フレーズが曲にアーバンな雰囲気を加えていて、ダウンホームなチャールズと優しく甘いヒラリー・スコットHillary Scott の歌声の交わりと共に、かつてないカントリー・サウンドを提供してくれています。むせび泣くスライド・ギターも雰囲気。この2人の歌声は、モダンなバラード“When You Got A Good Thing Going”でも輝いています。どんな苦労があろうとも2人で乗り切っていけることに感謝する、恋人達の賛歌。この滑らかさは、ファースト・アルバムでは聴けなかったレディAの新たな魅力ですね。そしてもう1曲、本作のハイライトとも言うべき、スケールの大きいバラードが"Hello World"。穏やかなピアノをバックにチャールズ・ケリーが静かに言葉を噛み締めながら歌い始め、曲はストリングスを加えて次第に盛り上がっていきます。確かに、U2あたりを思い出させる曲調ですが、チャールズのボーカリストとしてのスケールの大きさを見せつけてくれる注目作です。
こんな新たな音作りに挑戦したレディA、それでもセカンドシングルとしてリリースしたのは、カントリー好きにはたまらない憩いを感じさせてくれる"American Honey"でした。デイブ・ヘイウッドDave Haywoodによるアコースティック・ギターとマンドリンのアンサンブルが懐かしい”あの良き時代”を感じさせ、ループ・プログラムによるミディアムのリズムが控えめに現代風の色づけをします。「彼女は路上で戯れながら育った。そこは教会の鐘が鳴り、強い愛が育まれるところ。彼女は健やかに、穏やかに育った。アメリカの蜜のように。~この狂った人生の競走につかまってしまった。完璧になろうとして、自分らしい心を失ってしまう。私はただ、あのアメリカの蜜のような時間にもどりたいだけなのに。~風に吹かれて、激しい、激しいささやきが聴こえるわ。長く会っていない友人を呼ぶように、私の名を呼ぶの。私は過ぎ去ってしまった日々を偲ぶ。あの夏の日やアメリカの蜜ほど甘いものなどありはしない」カントリーでこそ味わえる優しみに溢れた歌詞を歌う、ヒラリー・スコットの柔らかいリード・ボーカルが曲調にしっとりとマッチして聴きものになっています。現在の旬の女性シンガーに多数の曲を提供しているHillary Lindseyが共作に名を連ねている佳曲です。ソウルフルなバラード"If I Knew Then"もカントリーならではの落ち着きを持つビター・スウィートなナンバーで、“When You Got A Good Thing Going”とのテイストの違いをお楽しみください。
ファースト・アルバムでも多く聴かれた、彼らならではのロッキン・チューンも満載。ヒラリーが軽やかにロールする“Perfect Day”は、エフェクトを効かせたウネリあるベース・ラインが耳に残るファン!なナンバー。ストレートな疾走感が熱い"Love This Pain"ではチャールズが緊迫感あるボーカルで引っぱり、ダウン・トゥ・アースなギター・リックとタメのあるビートに思わず体が動く"Stars Tonight"は、ギャング・コーラスもフィーチャーされ、パーティにうってつけのダンス・ナンバーになってます。
クロスオーバー・ヒットを意識したんだろうとは分かるものの、全体を通しての印象は、やっぱカントリーだなぁ、って思います。それは、"American Honey"や"Something 'Bout A Woman"のようなストレート・カントリーをしっかり入れている事もあるけど、チャールズ・ケリーのダウンホームなしゃがれ声に負うところが大でしょう。音楽的なテリトリーを拡大していても、ぶれない軸足。”よく分かっている”人たちなんだと思います、レディAは。
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デビュー作を未だにヘビロテ中だったところにセカンドの到着。またまたクオリティーの作品ですね。遂にBillboad 200でも1位になりました。
グラミー賞のコンピレーションに2年連続で収録されたので、知名度もあがっているとうれしいです。
日本受けしそうなキャッチーな曲が多いので日本でもデビューして欲しいと願っています。
Carrie UnderwodのPlay Onのところでもコメントさせていただいた者です。
デビュー作を未だにヘビロテ中だったところにセカンドの到着。またまたクオリティーの高い作品ですね。遂にBillboad 200でも1位になりました。
グラミー賞のコンピレーションに2年連続で収録されたので、知名度もあがっているとうれしいです。
日本受けしそうなキャッチーな曲が多いので日本でもデビューして欲しいと願っています。
カントリー好きにはたまらないです!
ちょうど今Lady Antebellumの2nd聴いてるところです。ファーストに引き続きいいですね。
ここ何年かでカントリー業界に新しい風がどんどん増えてきて面白い限りです。今じゃアイドルもカントリー歌う時代ですからね。
これからもちょくちょく遊びに来ます。