ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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チーフタンズ (The Chieftains) 来日公演2007 大阪 ザ・シンフォニー・ホール

2007-06-04 | カントリー(男性)
  6月2日、アイルランドのトラディショナル・バンド、チーフタンズ (The Chieftains)のコンサートに行ってきました。ベストCD「The Wide World Over」のオープニング曲でもあった"March of the King of Laois"の美しいアンサンブルでコンサートはスタート。その音空間は日常とは別世界。さすがの老練なベテランによる音楽の素晴らしさだけでなく、競演のアイシッシュ・ダンサーPilatzke兄弟とPaula Gouldingや、初々しい若手女性グループLiadan、そして先だってアイルランドでレコーディングを共にしたという元ちとせさんらもあいまみれての、あっという間の楽しい2時間超でした。各メンバーのソロの見せ場があり、ボーカルのKevin Conneffの美しいアカペラ、リーダーPaddy Moloneyのキュートなホイッスル、Derek亡き後のTriona Marshallの心に響くハープ。そして何よりエキサイトしたのがMatt Molloyのフルート・ソロ。スローな曲から始まって、だんだんテンポが上がっていき、最後はすごい早吹き。今回残念ながらフィドルのSean Keaneが体調不良の為、来日できなかったのですが、その代わりと言っては何ですが、ダンサーのJon Pilatzkeがダンスとフィドルで大活躍。ラストでは椅子に座って、フィドルとタップを同時に披露!やれやれ大変、という風なポーズが楽しかったです。会場のシンフォニー・ホールはほぼ満員。当然、アンコールもあり、大盛り上がりでした。

 


  と言いつつ、私はそれほどチーフタンズを聴いてきたわけではございません。初めての出会いは、彼らの大ヒットアルバム「Long Black Veil」収録、我らが(?)ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のミック・ジャガー(Mick Jagger)が歌うタイトル曲でした。オリジナルは伝説のカントリー・シンガー、レフティ・フリッゼル(Lefty Frizzell)。ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)と共に近代カントリー・ミュージックの礎を、特に”カントリーの歌い方とはこういうもの”というカントリー・シンギング・スタイルを確立したのがレフティだと、私は解釈してます。その彼の曲をミックが歌ったという事に、不思議と感激したのです。このアルバムでチーフタンズは多くのポップ・アーティストと競演していますが、ストーンズとしても"The Rocky Road to Dublin(ザ・ロッキー・ロード・トゥ・ダブリン)"でセッションを共にしていて、あの"Satisfaction"のギターフレーズが挿入されているのがご愛嬌。この"Rocky~"は今回のコンサートでもハイライトの一つとして演奏されていました。

 そしてカントリー・ファンにとっては、「Down the Old Plank Road(ダウン・ジ・オールド・プランク・ロード)」での競演が、チーフタンズとの最新・最大の接点です。私、そのコンサート・イベントとレコーディングのドキュメントを収録したDVDを見たのですけれども、本当に楽しいコンサートです。Del McCoury、Alison Kraussそしてブルーグラス・レジェンドのEarl Scruggsなどブルーグラス系の人たちとの競演が見事。地球の反対側でそれぞれ育まれた、同じルーツを持つ音楽の融合が感動的です。もちろん、我らがマルティナ(Martina Mcbride)の歌うワルツ"I'll Be All Smiles Tonight"もレトロな素晴らしい曲、そして歌声でした。

 


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