8曲のナンバー1ヒットを持ち、これまで1000万枚のレコードセールスを誇ってきたカントリー・スター、トレイシー・ローレンス。その輝かしいサクセス・ストーリーの一方で、浮き沈みや私生活のトラブルが取りざたされる事もあった彼が、メジャー・レーベルの制約から自身を解き放ち、クリスチャン・アルバム「The Rock」をリリースしました。それは彼が長い間、レコーディングしたいと願っていたものだったのです。そのため音楽的にはほとんど、トレイシー自身が90年代の全盛期に展開していた、グッドでルーツィーなストレート・カントリー・サウンドでまとめられていて、すごく気持ちよく聴けます。これは歌うテーマの変化、つまり世俗→スピリチュアル、を際立たせるという効果もあるのでしょう。ルックス的には全盛期に比べてだいぶふくよかになりましたが、その鋭いまなざしと、キレのあるど真ん中のカントリー・テナー・ボイスは変わりません。
オープニングの"Dear Load"は、キャッチーなストレート・カントリー・ソング。これまでの数多いヒット曲の仲間入りをしそうな、親しみやすいメロディとカントリー・サウンドを持つアップ・テンポのナンバーです。このアルバムの中で、トレイシーがソングライティングに名を連ねる唯一の曲。コンテンポラリーなカントリー・コーラス・グループ、Emerson Driveのヒット曲"Moments"を書いた、Dave Berg, Annie Tate そして Sam Tateらが、ここでは“I Know Where Heaven Is”を提供。天国が、私達が愛する人々や大切にする瞬間と共にある事を理解しようと訴える、ポップな親しみやすさも適度に織り込んだ軽やかなロッキン・カントリー曲です。
"Somebody Who’d Die For You" は、人々が愛し信じるものの為に命を犠牲にする事を恐れないという、人間の強靭さ(どころの話ではないと思います・・・)を歌った荘厳なスロー・バラード。そして、"I’m Done"は、若かりし頃相当に荒くれモノだったトレイシーが、過去の荒っぽい自分と決別してより良い人間になろうと切望する思いを歌います。「僕は悪意を抑え、かつての傷をすっかり治したよ~僕は自分自身を長い時間をかけて見つめなおしたんだ。新しい日々が始まったんだよ。僕は成し遂げたのさ」ユッタリしたワルツのリズムに鮮やかなフィドルが絡み、トレイシーがエモーショナルに歌い上げます。
“Up To Him”はアルバムからのリード・シングル。そこでは、良いのものを求め、悪いものに対処するプランを持ち、自身のために働き、神のために祈る、果敢に働く人が歌われます。けしてラジオで多く取り上げられる事はないかもしれませんが、私達に落ち着きのある時を提供してくれるカントリー・バラードです。この「The Rock」、クリスチャン・アルバムなんですけれども、我々日本人にとっては極上のストレート・カントリー・アルバムとして十分楽しめるものですよ。派手さはありませんが、2009年前半の注目作品の一つであるとの評価も、本国では見受けられます。
1968年テキサス州アトランタ(って町があるのだ!)生まれ、アーカンソー州の小さな町Foremanで育ちました。ジョージ・ストレイトやマール・ハガードらのカントリー・トラディショナリストと分け隔てなく、レイナード・スキナードやZZトップらのサザン・ロックに親しんで、音楽的なベースを築いていきます。ティーンエイジャーの頃から地域のバーやホンキートンクを自分で廻り、エンターテイナーになる為の貴重な体験を積み重ねました。1991年の「Sticks and Stones」で彗星のごとくデビュー、いきなり3曲のNo1ヒットをモノにしてしまい、アルバムはプラチナを獲得、その後のトレイシーのスターダムを約束しました。これまでに、2枚のプラチナ・アルバムと2枚のダブル・プラチナ・アルバム(「Time Marches On 」1996年、「Alibis」1993年)を手にしています。1993年にアカデミー・オブ・カントリーの新人男性ボーカリスト賞をゲット。
1994年、トレイシーはトラブルに巻き込まれます。若者との喧嘩騒ぎで拳銃を発砲。向こう見ずな行動と銃器の所有で、法廷の裁きを受けましたが、かろうじて執行猶予に。しかし、1998年には当時の妻への虐待で有罪に。レコード・レーベルのAtlanticは、2000年の「Lessons Learned」まで彼にレコーディングをさせませんでした。この当時の自分自身の行動への贖罪として、トレイシーにとって今回の「The Rock」の制作が必要だったのでしょう。
●トレイシーのMySpaceサイトはコチラ●
オープニングの"Dear Load"は、キャッチーなストレート・カントリー・ソング。これまでの数多いヒット曲の仲間入りをしそうな、親しみやすいメロディとカントリー・サウンドを持つアップ・テンポのナンバーです。このアルバムの中で、トレイシーがソングライティングに名を連ねる唯一の曲。コンテンポラリーなカントリー・コーラス・グループ、Emerson Driveのヒット曲"Moments"を書いた、Dave Berg, Annie Tate そして Sam Tateらが、ここでは“I Know Where Heaven Is”を提供。天国が、私達が愛する人々や大切にする瞬間と共にある事を理解しようと訴える、ポップな親しみやすさも適度に織り込んだ軽やかなロッキン・カントリー曲です。
"Somebody Who’d Die For You" は、人々が愛し信じるものの為に命を犠牲にする事を恐れないという、人間の強靭さ(どころの話ではないと思います・・・)を歌った荘厳なスロー・バラード。そして、"I’m Done"は、若かりし頃相当に荒くれモノだったトレイシーが、過去の荒っぽい自分と決別してより良い人間になろうと切望する思いを歌います。「僕は悪意を抑え、かつての傷をすっかり治したよ~僕は自分自身を長い時間をかけて見つめなおしたんだ。新しい日々が始まったんだよ。僕は成し遂げたのさ」ユッタリしたワルツのリズムに鮮やかなフィドルが絡み、トレイシーがエモーショナルに歌い上げます。
“Up To Him”はアルバムからのリード・シングル。そこでは、良いのものを求め、悪いものに対処するプランを持ち、自身のために働き、神のために祈る、果敢に働く人が歌われます。けしてラジオで多く取り上げられる事はないかもしれませんが、私達に落ち着きのある時を提供してくれるカントリー・バラードです。この「The Rock」、クリスチャン・アルバムなんですけれども、我々日本人にとっては極上のストレート・カントリー・アルバムとして十分楽しめるものですよ。派手さはありませんが、2009年前半の注目作品の一つであるとの評価も、本国では見受けられます。
1968年テキサス州アトランタ(って町があるのだ!)生まれ、アーカンソー州の小さな町Foremanで育ちました。ジョージ・ストレイトやマール・ハガードらのカントリー・トラディショナリストと分け隔てなく、レイナード・スキナードやZZトップらのサザン・ロックに親しんで、音楽的なベースを築いていきます。ティーンエイジャーの頃から地域のバーやホンキートンクを自分で廻り、エンターテイナーになる為の貴重な体験を積み重ねました。1991年の「Sticks and Stones」で彗星のごとくデビュー、いきなり3曲のNo1ヒットをモノにしてしまい、アルバムはプラチナを獲得、その後のトレイシーのスターダムを約束しました。これまでに、2枚のプラチナ・アルバムと2枚のダブル・プラチナ・アルバム(「Time Marches On 」1996年、「Alibis」1993年)を手にしています。1993年にアカデミー・オブ・カントリーの新人男性ボーカリスト賞をゲット。
1994年、トレイシーはトラブルに巻き込まれます。若者との喧嘩騒ぎで拳銃を発砲。向こう見ずな行動と銃器の所有で、法廷の裁きを受けましたが、かろうじて執行猶予に。しかし、1998年には当時の妻への虐待で有罪に。レコード・レーベルのAtlanticは、2000年の「Lessons Learned」まで彼にレコーディングをさせませんでした。この当時の自分自身の行動への贖罪として、トレイシーにとって今回の「The Rock」の制作が必要だったのでしょう。
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