デビュー曲"Tim McGraw"で大ブレイク、その若さ(現在、17歳!)ときらびやかな美貌、そして新鮮さを感じさせつつも確かな個性を持つ歌声で注目のTaylor Swift。2006年デビュー作です。カントリー・アルバム・チャートでは、今年7月に入って遂に1位を獲得し現時点もキープ中。そしてプラチナ・アルバムにも輝いています。一方、ポップ・チャートでも最高13位まで到達し、現在も健闘中です。この夏は、Brad Paisleyのツアーにオープニング・アクトとして同行。一時、気管支炎の為スケジュールをキャンセルするなどの話題もありました。現在は、やっぱりTim McGraw&Faith Hillと一緒にツアーしてます。
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一言で言ってしまうと、コンテンポラリー・カントリーって、分類ではそうなるのですけれども、あくまで基調は"Tim McGraw"に代表される幾分フォーキーでみずみずしいアコースティックなカントリー・サウンド。声を張り上げたときのエッジの効いたエモーショナルさ、抑えた時の説得力と若さが同居した魅力的なボーカルは引き込まれます。そして、年齢相応の若さと、それに見合わない熟練ぶりが同居しているのです。このバラードの"Tim McGraw"、けしてTim McGrawの事を歌っているのではなく、”あなたがTim McGrawの事を思うとき、私のことも思ってくれたら”といった内容で、タイトルがうまいですね。この曲もそうですが、アルバムの曲は全て自作あるいは共作曲で、そのソングライターとしての才能には大器の片鱗を感じさせます。セカンド・シングルの"Teardrops on My Guitar"も同系統のスローの佳曲で、チャート上は"Tim McGraw"を上回りました。この曲は実際の彼女の失恋体験を歌にしたもので、CMTでのインタビューによると、なんとこの曲を聴いたであろうDrewというその実際のお相手から、「ハイ、Taylor。ご機嫌いかが?」なんていうヴォイス・メールをもらって困ったそうな。最新シングルは、バンジョーがフィーチャーされてトラディショナルな味付けをした、ミディアムのポップ・カントリー"Our Song"です。
アルバムとしてのヴァリエイションの為に、"Picture to Burn"、"The Outside"などのリズム・ナンバーを適度に挿入しており、ココらにも聴き処はあるのですが、最近CMT.comでアップされた「Unplugged at Studio 330」で見る事ができるTaylorのアコースティック・ライブを見てますと、やはりこの”生音”こそが彼女のサウンドなのだなと思います。彼女の醸し出す本物感は、私のカントリー・サウンドはコレ!というものを感じさせる事から来るのではないしょうか。ところどころ若さを見せる部分はあるものの、スタジオ・レコーディングで感じられた彼女の歌声の魅力はしっかり確認する事ができるパフォーマンスです。そして、そのおしゃべりはティーンエイジャーらしく初々しいです。
彼女が出てきた意義とは、高校生のティーンエイジャーが同世代に対して自分のカントリー・ミュージックを歌ったこと。リアン・ライムスは14歳でデビューしましたが、当時歌っていたのはクラシカルな大人の歌がメイン。リアンはあくまで有能な歌手でした。しかりTaylorは自分の言葉によるカントリーで友に語りかけたのです。そしてこれはアメリカ人にとって、実に思いがけない事だったのです。
(プロフィール)ペンシルベニアはWyomissingの農場で育った彼女は、プロのオペラ歌手だったお婆さんに影響されて歌を歌い始めました。11歳の頃には地元のNBAバスケットボール・チームPhiladelphia 76ers の試合で国歌を歌うほどの存在に。そして12歳でギターを弾き始めると共に、作曲も。その彼女の才能をサポートしようと両親はひっきりなしにナッシュビルに通いつめ、結局はナッシュビル郊外に引越しまでしました。そして、あの Bluebird Caféに出演していたところ、新レコード・レーベルを立ち上げようとしていたScott Borchettaの目に留まり、レーベルの第1号アーティストの一人として契約し、このデビューとなったのです。
●2008年11月リリースの、テイラーのセカンド・アルバム「Fearless」ご紹介はコチラ●
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テイラーの声を聴いたとたん虜になった方って多いようです。彼女のピュアな雰囲気はAMAの中では際立っていました。何十年かに一人の逸材です。
日本盤フィアレスはどうもアメリカ盤とは違う編集や音になるような噂をチラホラ。ファンの皆さんは待ち遠しいですね。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3535579
日本盤の仕様が気になります。
私も、何十年に一人の逸材だと思います。私自身、三か月近くも、1枚のアルバムをほぼ毎日聴き続けるというのは、生まれて初めてのことです。