ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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Lady Antebellum レディ・アンテベラム インタビュー: レディAが語る成功への道のり

2009-04-12 | Lady A レディA(アンテベラム) レビューまとめ

★2019年の最新作、「Ocean」を取り上げました

★代表作、「Need You Now」についてはコチラで取り上げました

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 今年の第51回グラミー賞で、オールジャンルの新人アーティスト賞にノミネートされたレディ・アンテベラム。我が国でも、その意気の良いカントリー・ロックで耳の良いポップ・リスナーを引きつけていますね。CMA(カントリー・ミュージック協会)から、CMAスタッフであるボブ・ドルシャックによる、彼らが昨年CMAアワードを受賞した後のインタビュー記事が提供されています。CMAアワード・ショーの感想、デビューまでの道のりと成長、そしてソングライティング手法などについて、彼ら自身の言葉で語られています。

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 2008年のCMAアワードで、その時、レディ・アンテベラム (レディ・A)のメンバー達はすぐにステージに上がれず、信じられない結果に表情を輝かせ、そして受賞者として名前を呼ばれる事など本当に考えていなかったと世界に向けて伝えた。彼らはCMAニュー・アーティスト賞を昨年の受賞者テイラー・スウィフトによって授かった時も、本当に呆然としたままだった。しかし、オーディエンスの中の何人かは全く驚かなかった。ゲストとして会場にいた彼らの母達と、キャピトル・レコードのCEO、Mike Dunganである。「僕は後で彼らに、もし君達が受賞しなかったとしても、アワードでのライブ・パフォーマンスで勝利していただろう、と伝えたんだ。彼らのパフォーマンスを見ていると、多くの人たちと彼らが繋がった事を感じたよ」彼は率直に付け加えた「僕は泣いたよ。このバンドがいかに偉大かが本当に理解されたんだ」

 11月の下旬、ナッシュビルで昼食をとりながらその時を思い返し、彼らはその忘れがたい夜について幾分客観的に振り返る事ができた。「彼らがCMAニュー・アーティストとして僕たちを紹介したとき、確かに新しい感じの興奮を覚えたよ」と、リード・ボーカリストのチャールズ・ケリーが語り、ヒラリー・スコットとデイブ・ヘイウッドはうなずいた。「僕たちはその時2枚目のシングルをリリースしていたんだけど、まだたくさんのカントリー・ファンには紹介されてなかったんだ。僕はその夜違った感触を味わったよ。受賞した後、他のアーティスト達、僕たちが一目置いていた人たちなんだけど、僕たちのところへ来て祝福してくれたんだ。”君達が私の名前を知ってるかどうかわからないけれど”ってね」「ジョージ・ストレイトがすぐ近くにいたんだ」とヘイウッド。「彼と会うのはそのときが初めてだった。新しい人たちとの出会いって、新鮮でクールだよね。僕たちは始めて3年にもならないけど、このナッシュビルでは長い間たくさんの人がそうして関わりあっているんだね。これまで僕たちにとっては当たり前の事じゃなかったし、僕たちからは遠い事だったんだ」



 そのプロセスは彼らが3人が初めて会った以前から始まっていた。デイブ・ヘイウッドとチャールズ・ケリーは、ジョージア州はオーガスタのRiverside Middle Schoolに通学していた時から活動し、音楽を一緒に創っていた。2人が最終的にたどりついたナッシュビルでは、ヒラリー・スコットがミュージック・シティ貴族の中で育っていた。(ヒラリーの母リンダ・デイビスもまた、1994年にリーバ・マッキンタイアとデュエットした"Does He Love You"でイベント賞を受賞していたし、父のラング・スコットは有能なミュージシャンだった)ケリーの事を彼のMySpaceサイトで注目していたスコットは、とあるナッシュビルのライブスポットでケリーと会い、彼らは共同で曲を書いていく事で意気投合した。まもなく、スコット、ケリー、そしてヘイウッドはソングライティングを開始し、リハーサルし、彼らのMySpaceサイトに作品をアップしていった。2006年の8月までに彼らは3rd&Lindsley Bar and Grillでギグをブッキングするようになっていた。

 彼らのデビュー・ライブは決して幸先の良いものではなかった。「25人くらいだったかな・・」とヘイウッドは回想する。「僕はけっこう心地よかった事を覚えているよ」とケリーはあえて語る「僕は一つのスポットに出演していたんだ」

 それでも観客やその熱狂はショウを重ねるごとに大きくなっていった。「僕にはなぜか良く分からなかったよ」ヘイウッドは認める「僕たち3人の間にはたらく、なんとも説明できない何かがあったんだ。しかしそれが作用しだすと、後はそれをキープしていったんだ」「私達はそこに特別な何か、それはステージ上で3人が相互にダイナミックに絡み合う事で生み出されるものを発見したわ」「たくさんの失敗もしたよ」ケリーは仲間達が笑うなか割り込んだ。

 彼らのステージは進化し始めた。スコットのソウルフルで陰影に富んだ歌声と、ケリーの鋭いバリトンが見事に交じり合い、そこにヘイウッドのハーモニーが完璧にブレンドされた。「僕たちは自分達の声をミックスする時、皆にそれぞれの声の特徴を掴んでほしいんだ」とケリーは説明する。「僕たちがヒラリーと会った時、僕は自分の声を発見した。それまでは今より少し高い声で歌っていたんだ。そして、男性的なハーモニーを歌う必要性から僕は自分の声を少しだけ下げる事にした。こうして僕は、それまでの間隠れていた気骨ある低い声を発見したんだよ」

 同じような高いクオリティが、スタンダードなモダン・カントリーにはない、艶やかでエモーショナルであると共に、タイトなフックや広がるメロディを持つ彼らのオリジナル楽曲に吹き込まれた。彼らは作曲する上で、グループとしての手法を進化させた。ほとんどいつもヘイウッドがギターやピアノでプレイするコードやメロディの前進から始まり、スコットとケリーがそのコードをより活かすために可能なメロディを探る間、歌詞にも磨きをかける。スコットが言うには、「私達はボソボソとやり始めるのよ」



 3人は等しくグループに作曲に貢献しているが、スコットはビクトリア・ショウ(Victoria Shaw)から作曲手法について学んでいると言う点でアドバンテージがあった。エミー賞やASCAPアワード賞の受賞暦があるソングライターはリンダ・デイビスと長く知り合いだったが、デイビスの娘が16歳の時、オープリーランド・ホテルで行われた家族ショー”The Linda Davis Family Christmas Show"で他の家族と一緒に歌う姿を見た後、すかさずその娘ヒラリーのコーチを申し出たのである。「私はこんな風に彼女に言ったの。”何といって言いか分からないけれども、私はあなたと一緒に仕事がしたいわ”」とビクトリアは笑って言った。「ヒラリーは磨かれていない宝石でした。確かに磨かれていませんでしたが、彼女は私の心や頭にストレートに訴えかける何かを持っていたんです。”私のオフィスにいらっしゃい。お話をしましょう”こうしてオフィスに来た彼女に、私はアカペラで歌うように言いました。そこで歌われた彼女の歌声は、完全に私の心を掴みました」

 「私の両親は、二人ともビクトリアと友達なんだけど、いつも私を支えてくれたわ」とスコットは回想する。「でも彼らは生活のために私が音楽の世界に入る事を薦めなかった。正直、両親の助けで音楽活動をする事には恐怖心すらもっていたの。なぜなら私は両親とは違うと分かっていたし、それは私がやりたい事とは違っていたから。だからビクトリアが私に音楽を真剣にやって行く事に興味があるか聞いてくれたとき、”Yeah!”って答えたの。私達はチームになった。ビクトリアと曲を書き始め、彼女は私のアーティストとしての成長を支援してくれるようになったの」

 スコットの技量にヘイウッドとケリーが育んできたものが加わり、それは初期のレディ・Aのライブを見る為に3rd&Lindsley Bar and Grillに駆けつけた音楽業界のプロも納得させるものだった。Dunganがビクトリア・ショウからバンドについての情報をもらってからレディAを見るまでは時間があった。リンダ・デイビスとの仕事を通じてスコットについては6歳の頃から知っていたのだが、レディAをキャピトルに迎える後押しをしたのは、あくまでグループとしてのインパクトからだった。「僕の意見だけど、彼らに汎用な多数のアーティストにはない個性を感じるのは、チャールズの声によるものだよ。それは個性的で、ラジオでオンエアするには少しブルージかもしれない」とDunganは言う。「でも彼が、ヒラリーの素晴らしいパフォーマンスや、デイブのリズム感、曲のフックを掴む速さ、そしてこれらをアレンジする才能と合体した時、完璧になるんだ」

 彼らはポール・ウォーリー(Paul Worley)とビクトリアのプロデュースのもと、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリースした。モダン・カントリーの中で明らかにルーツを意識しつつも、レディAは、"Lookin' For a Good Tme"のザックリしたギター・サウンドからアリーナを揺るがす"Love Don't Live Here"のパワーにいたるまで、ハードにロックしている。時折、"Home Is Where the Heart Is"のイントロで聴かれる、ブルース・ホーンズビーのようなピアノとダウンホームなフィドルのような、とても心地良い部分も聴かれる。それはメンバーからは見る事が出来ないラインだ(注:ヴィクトリアがレディAとの共作者としてクレジットされている)。それが心のこもったものである限りは、ヒラリーには問題ではない。「皆は、何が真実かに興味を持つわね」とスコットは主張する。「(90年代にメガ・セールスを誇った)ガース・ブルックスがステージにいる時、彼は何千と言う人々に彼の内面や彼の個性を披露しているわ。だから彼は作られたものじゃないのよ。もし彼がそうなら、ファンは分かるわ」

 「カントリー・ミュージックだから聴くってのはやめてほしいし、カントリー・ミュージックだから聴かないってのもやめてほしい」とチャールズは要約する。「気に入ったなら、聴いてほしい。好きになれなかったら、無理に聴かなくて良いんだよ。僕にとっては、とにもかくにも音楽なんだよ」

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
セカンドアルバム出てましたね (黒猫トム)
2010-01-28 19:30:33
こんにちは
セカンドアルバム?出てましたね。
Amazonで見つけて買いました。現時点でまだ開封してなくて聴いてないんですけどね。
メイン音楽視聴は、運転中なので週末が楽しみですわい。
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