鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

水飲みの目的は?

2024年07月23日 | 北海道_道央
 札幌市内の都市公園。

 午前中だけのつもりだったが,繰り返し飛来するときのパフォーマンスが,あまりにも素晴らしかったため,結局,昼食抜きで,丸1日,ハリオアマツバメを見ることになった。

 地元,札幌に住む息子が,途中から合流したが,いい奴すぎて,息子も昼食抜き。
 
 息子によると,ここで,2人で鳥見をするのは,6年ぶりだったらしい。
 
 
 さて,この池は,水を飲むため,また,水浴びをするために,ハリオアマツバメの群れが,日に何度も訪れるところ。
 
 
 この日は,10時半を過ぎた頃から,30分程度の間隔で,群れが飛来し,多いときは,50〜60羽の群れになっていた。また,午後,暑くなってからは,20分間隔程度に,飛来間隔が縮まってきた。
 
 前触れがある。
 
 
 最初は,1〜3羽程度が,上空に姿を見せて,様子見。
 
 
 数が揃わないうちは,下に降りてくることはない。
 
 
 こうして待つときの,ワクワクする感じが,堪らなく良い。
 
 
 数が増えてきて,20〜30羽は集まってきたかな,という段階から,徐々に高度を下げる。
 
 
 そして,1羽が水面に接したのを合図に,お祭りが始まる。
 
 
 
 同時に,こちらも興奮状態に突入。
 
 
 数十羽が,水面上を高速で飛び交うので,どの個体を狙ったら良いのかわからず,アワアワするばかり。
 
 
 思い切って,1羽に絞っても,カメラのフレームに入れることさえ,むずかしい。
 
 
 諸説あるが,ハヤブサの急降下時の速度を除けば,ハリオアマツバメが地球上で最も速く,約170km/h.という。
 
 
 ひゃ〜,と,驚くしかないスピード。
 
 
 撮影は,失敗続きだった。
 それでも,慣れて来ると,何枚か,使えるものを撮ることはできた。
 
 まず,名前の由来となった,尾羽の針,の確認。
 
 
 画質がひどくなるが,拡大してみる。
 
 
 確かに,ツンツンと突き出た,針状の羽軸が見える。
 まさに,針尾(はりお)。 英名でも,Needle tail。
 この羽軸,非常に固いらしい。
 
 尾羽を広げると,こんな感じだった。
 
 
 こうすると,「針尾」に見えない。
 
 
 アマツバメのような凹尾ではない。
 
 そして,背中は白。
 
 
 上空を飛んでいるときは,見えない部分。
 
 
 アマツバメは,背中が黒く,腰が白いが,ハリオアマツバメは,背中全体が白。
 
 
 背中側からの写真をよく見ると,翼の根元側上部が,青く光っている。
 
 
 光の当たり具合で,翼の一部に,構造色が出現。
 
 
 アマツバメの鎌状の先細りの翼に比べると,翼の幅が広い。
 
 
 集団で水上を飛び交っていたときは,この翼で,バタバタと音を立てていた。
 
 
 スピードは出るようだが,この翼の形状のせいか,飛翔の「キレ」自体は,アマツバメの方が上,と感じる。
 
 飛んでいるときは,足が格納されていて,基本,見えないが,水面に近いところでは,足を出す場面もしばしばあった。
 
 
 アマツバメ同様,歩けない足。
 食事も,排泄も,睡眠も,交接も,飛びながら行うので,足は,崖などにぶら下がることしかできなくなった。
 
 この足でぶら下がった上で,羽軸が固く,しっかりした尾羽で体を支えるらしい。
 
 これは,水飲みのため,口を大きく開けて,水面に迫っているところ。
 
 
 気持ち悪いくらい,大きく口を開けている。
 
 横から見ると,ほぼ90度。
 
 
 すごいな。
 
 大きく開いた口は,デューン砂の惑星に出てきたサンドワーム(砂虫)を連想させる。
 
 
 何でも飲み込んでしまいそう。
 
 口を開けて水面に寄る際,体をくの字に曲げて,飛ぶスピードにブレーキをかけていることがわかる。
 
 
 超高速のままで,水に突っ込んだら,壊れてしまう。
 
 水面では,水飲みついでに,水浴びもしているように見えた。
 
 
 口を開けずに水面に接し,純粋に水浴びしているところも,観察できた。
 
 
 水浴びは,全身,又は,お腹を水に浸けることで行っていた。
 
 
 高速で飛びながらの水浴びなので,お腹が水にふれるだけで,石切り遊びのように,水飛沫が上がる。
 
 
 
 飛びながら,翼の先端を水に浸ける行動も,頻回,見られたが,これはなんだったのだろう。
 
 
 
 水面スレスレを飛んでいるから,偶然,翼の先が水面を切ってしまった,とも見ることができるが,翼で水面を切って,水浴びしている,とも見ることができる。
 
 
 
 そして,こんな瞬間を捉えた写真もあった。
 
 
 口に含んだ水が多すぎたので,首を振って,吐き出した,
 
 
 のではなく,
 
 
 わざと口に水を多めに含んで,飛びながら,その水を体に振りかけることによって,水浴びしている,というふうにも見える。
 
 単に「まぁ」しているのではなく,首を振って,体に振りかけている。
 
 
 スマホでは見づらいと思うが,水しぶきの飛び散り方に,注目してほしい。
 
 体をきれいにするとともに,気化熱で空冷効果を高めている感じ。
 
 そんなこと,聞いたこともないが,そうだったら,うんと楽しい。
 
 
 
 そもそも,鳥って,30分おきの水分補給が必要なのだろうか?

 鳥は,飛ぶことに特化して,体を進化させており,排泄物も,アンモニアを尿素に変えるではなく,尿酸に変えている。
 
 尿素は,排泄するのに水を要するが,尿素は水を要しないから,飛ぶために,体を軽く保てる。
 
 鳥は尿酸だから,人間や哺乳類と比較すると,水は,それほど,必要としないはず。
 水を体内に入れると,体が重くなってしまい,飛ぶのに不利になってしまう。
 
 
 あ,そっか。
 量をあまり取れないから,回数で補っている,っていう理屈も通るかもしれないな。
 
 でも,やっぱり,口に含んだ水で,空中シャワーを浴びている,考える方が楽しい。
 
 大きく口を開けて水面をかすめても,水を飲まずに通過することもある。
 
 
 
 
 高速過ぎて,水飲み失敗か?
 
 下の写真のときは,前を飛ぶ仲間が立てた水しぶきが凄すぎて,水飲みを回避。
 
 
 あゎゎ。
 
 
 
 ここまで,いろんなことを書いてきたが,数が多く,また,動きが速いので,現在進行形で見ているときには,何が起きているのか,全然わかっていなかった。
 
 見ているときにわからなかったいろいろなことが,写真を撮って,後で見ることで,わかってくる。

 鳥を撮影する楽しみって,こういうことなんだ,と,改めて実感。
 
 それにしても,カッコ良かったなぁ。
 
 
 
 また,ここに来るのは,何年後になるのかな。
 
 月とのツーショット写真を置いて,この記事の締めとしよう。
 
 
 昼食抜きだったこともあり,この後に行ったサッポロビール園の生ビールは,最高に美味かった。
 
(2024/07/13  ハリオアマツバメ)

眠るマガモの子

2024年07月22日 | 北海道_道央

 札幌市内の都市公園。

 マガモは,仙台市内でも,少数が春以降も居残って,繁殖しているようだが,北海道では,以前から,普通に繁殖している。

 ヨシの陰の足下から声がするので,覗いてみたら,母親と8羽の子どもたちがいた。

 私たちがいるのをわかっているにも関わらず,遠ざかることなく,逆に,寄ってきた。

 母親は,意に介さず,羽繕いに専念。

 母親に放っておかれた子どもたちは,寝てしまう。

 無防備だなぁ。

 どうすんの? 私が,今,襲ったら!

 ホント,食べちゃいたいくらいめんこいな。

 この池には,この親子のほか,かなり大きくなった子どもたちの親子もいた。

 この親子は,子どもが3羽しか見えないが,減ったのではなく,ほかの子たちは,別の所にいたのだと思う。

(2024/07/13  マガモ)