鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

鴨棲息沼の水を抜いたら...

2024年11月27日 | 山形県_村山地方

 原崎沼(ばらさきぬま)は,山形県の内陸部,天童市にある小さな沼だ。

 沼の周囲に整備された遊歩道をゆっくり歩いても,30分もあれば,一周できてしまうくらい。
 
 
 そんな小さな沼だが,藩政時代から昭和40年代まで,鴨猟のための「原崎カモ組合」(⇒ 天童市HPが組織されるなど,昔から,カモが多数飛来する沼として,知られていた。
 
 この小さな沼に,多いときで,14,15万羽のカモがいたという。(数字は天童市HPより)
 今季,11/7の伊豆沼のガンカモ生息調査で,うちカモ類が3万羽なので,14万羽以上って,眉唾レベルのすごい数字だ。
 
 そういう沼なので,私も,若い頃から,何度もここに来て,カモ観察を楽しませてもらっていた。
 結婚前の妻と探鳥デートもした場所だ。
 
 
 そんな沼に,2020年10月から,沼の水を抜いて,山形県の防災工事が入り,工事が終わったのが2023年11月。(工期は正確でないかもしれない。)
 
 天童市が「原崎の鴨棲息沼」として,天然記念物に指定している沼だが,地域住民を水害から守るための,やむを得ない工事だったようだ。
 
 
 工事前もしばらく来ていなかったが,今回は,工事が終わった後にどうなったのか気になり,久しぶりにここに来てみた。
 
 
 沼のほとりに立って,沼を一望すると,以前に比べると,青ざめるほど,カモの数は激減していた。

 2〜300羽程度しかいなかったかもしれない。
 
 
 工事の詳細は不明だが,3年間も水を抜いていたのであれば,こうなるのも当然。
 
 種類も少なく,以前は12種類を数えたというカモの種類も,今回確認できたのは,マガモ,コガモ,ホシハジロ,カルガモの4種類のみ。
 あとは,カイツブリ。
 
 種類は,今季も,これから増える可能性があるが,数が復活するまでには,何年も,かかるかもしれない。
 
 
 ところが,この日,思いがけない鳥と出会った。
 
 岸辺に,ウが1羽佇んでいたので,内陸だからカワウだろうな,と,何気なく見たら,

   ...,ん!?
 
 
 これは,どう見ても,ウミウ。
 
 
 
 ここは,地図を見ると,太平洋と日本海のほぼ中間点の内陸部。

 
 中間点,というと,言い換えれば,海から最も遠いところだ。
 直線距離だと,仙台港まで約55km,酒田港まで約80kmある。
 
 そうか,ここまでくるのか,ウミウは。
 
 そして,こちらも,見つけてから,一瞬,目を疑った。
 
 
 アカエリカイツブリだ。
 
 
 繁殖・子育ては,淡水の湖沼で行うが,それは,北海道以北の繁殖地の話。
 
 冬に,南下して,越冬するのは,沿岸部,海であるのが普通。... と,思っていた。
 
 
 なぜここに?
 
 
 ここで繁殖して,そのまま居残った個体であれば,すごいことだが,ニュースにもなっていないので,それはないだろう。

 
 南に移動中,たまたま,ここに寄ったものだろうか。
 
 
 いや,もしかすると,ここで越冬する可能性もある。

 ここは,たぶん凍結しないので,海にこだわる必要はない。

 水を抜いた,とはいえ,ヘラブナ釣りの釣り人が何人も入っていたし,カイツブリやカワセミもいたので,餌となる魚も,いなくなったわけではない。
 
 いずれ,ウミウも,アカエリカイツブリも,海がお似合いと思っていた鳥が,海から最も遠い内陸部にいた,ってこと。 
 
 
 なかなかないこの出会い,どうか,この沼にとって,吉兆であってほしい。
 
 なお,私が通っていたず〜っと前に比べると,周回の遊歩道の幅が広がり,草刈りもされ,きちんと整備され,歩きやすくなっていた。
 
 
 アジサイが遊歩道脇に植えられるなど,普通の人も散策に訪れやすくなったと思う。
 
 依然として,良い探鳥地であることに変わりない思うが,現在の,唯一,最大の弱点が,鳥影に乏しいこと。
 
 復活を祈る。
 
(2024/11/24  ウミウ,アカエリカイツブリ)
 

毛糸玉のような顔

2024年08月31日 | 山形県_村山地方

 顔が,毛糸を丸めたように,まん丸で,超めんこ。

 黒くって,大きな丸い目と,ピンと突き出した触角。

 このように拡大して見ると,触角と黒い目が,ガーディアン・オブ・ギャラクシーに登場していたマンティスのイメージとかぶる。

 丸めたストローを伸ばした。

 横から見ると,もっとまん丸な顔。

 翅に,白っぽい斑が,一列に並んでいる。

 スルーしてしまうことも多いイチモンジセセリだけれど,こんなにかわいく写るんだね。

(2024/08/18  イチモンジセセリ)
 
 

美しい花風景?

2024年08月28日 | 山形県_村山地方

 山形市を一望できる高地に,こんなに見事な花風景があった。


 前月,各地で開催されたひまわり祭りの花風景にも匹敵する,と,素直に感動。
 
 
 きれいだなぁ,と思いながら,写真を撮った。
 
 
 しかし,大馬鹿だった。
 
 この花々は,ヒマワリと同じキク科ではあるが,特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウ(大反魂草)だった。
 
 
 寒冷な気候を好み,また,地下茎による繁殖力が半端なくすごいため,高地にある国立公園などでは,大群落を作っており,在来種への影響が出ているようだ。
 
 他の植物の成長を邪魔する物質を出すので,大群落が形成された場所からは,高原植物などの在来種が消えてしまう。
 
 
 根絶するには,地下茎ごと排除する必要があり,各地で,その作業が行われているようだが,かなり手強いようだ。
 
 同じ風景でも,そういう知識を得る前と後では,全く違って見える。
 
 
 群落は,この周辺に,まだまだあり,民家の周辺や畑地にも,この花が見えた。
 
 
 大変なことになっていた。
 
 そうした中,黄色い花の群落の中に,赤い花が,すっくと立ち上がっていた。
 
 
 こちらは,たぶん,在来種のエゾミソハギ。
 
 『世界の侵略的外来種ワースト100』に入っている植物だが,日本では,在来種なので,問題ない。
 
 
 というか,日本に侵略してきた特定外来生物にも負けない,希望の星にさえ見える。
 
 
 ゴジラに対するモスラか?

 そういえば,最近,『要注意外来生物』に指定されているセイタカアワダチソウの勢いが収まり,昔のように,ススキの方をよく目にするようになった気がする。
 
 今後,オオハンゴンソウも,そのようにならないものか?
 
 なお,『ハンゴン』(反魂)とは,死者の魂を呼び戻すことを言うらしいが,悩ましいことに,相当な『反骨魂』の持ち主と見た。
 
(2024/08/18  オオハンゴンソウ,エゾミソハギ)
 
 

めんこガエルめっけ

2024年08月27日 | 山形県_村山地方
  今回の記事は, なので,苦手な人は,速やかに,ここから逃げて... 
 
 山形県の県民の森。
 
 
 薄暗い森の中,沼の岸辺を歩いていたら,こんなめんこなカエルと出会った。
 
 
 一旦,葉っぱの上に乗ったゴミと思って,通り過ぎてしまったが,戻って,よ〜く見たら,ちっぽけなカエルだった。
 
 
 お尻に,まだ,おたまじゃくしの尻尾が付いていた。
 
 
 どうよ。
 このめんこさ。
 
(2024/08/18  シュレーゲルアオガエル)