鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

オオ < コ

2024年06月24日 | 青森県_三八地方

 仏沼は,コヨシキリが,とても多い。

 しかも,警戒距離が短い鳥なので,至近距離から観察できる。

 同じくたくさんいたオオセッカやコジュリンの警戒距離の10分の1以下だと思う。

 だから,コヨシキリの撮影をし始めると,キリがなくなってしまうので,できるだけ撮影しないように努力した。

 しかし,すぐ目の前でさえずり始めたりすると,ついレンズを向けてしまう。

 コヨシキリのチャームポイントは,オオヨシキリの大柄でボサボサした風体に比べて,小柄で引き締まったシルエット。

 ちっぽけな鳥。

 そして,白い眉斑の上にある,この黒くて,太い,眉線。

 白い眉斑を目立たせるための縁取りをしているかのよう。

 正面から見ると,こんな感じになる。

 これが,コヨシキリの特徴であり,チャームポイントであるところ。

 さえずりは,オオヨシキリのギョギョシ,ギョギョシ,...,から濁点を取った感じ。

 喧しく鳴くのは,オオヨシキリと変わりない。

 広い草はらを,にぎやかにしてくれるのに大貢献。

 オオヨシキリは,さえずっているとき,真っ赤な口の中が目立つが,コヨシキリの口の中は,赤くない。

 ここでは少数派のオオヨシキリも,比較対照用に張っておこう。

 オオヨシキリは,数が少ない上,ここでは,コヨシキリより警戒心が強かったので,撮ろうとしなければ,撮れなかった。

 ところ変われば鳥変わる,である。

(2024/06/08-9 コヨシキリ)


聞きなしづくりに挑戦

2024年06月23日 | 青森県_三八地方

 聞きなしとは,鳥のさえずりを人の言葉に置き換えて覚えやすくしたもの。
 たとえば,ウグイスは,「法,法華経」など。 

 今回は,コジュリンが多数さえずっていたため,次回の出会いに備え,聞きなしづくりに挑戦してみた。

 見ている方には,聞きなしの言葉から,実際のさえずりを想像してみてほしい。(無理か?)

 ♪ 秘密のアッコちゃん 

 何の脈絡もなく,そんな聞きなしが,降りてきた。

 覚えやすいし,忘れないと思われるが,ちょっと苦しいか。

 ♪ いっちょやったろか



 ♪ ちゃんとする~よ~

 ♪ いっちゃん,ずるいよう~

 これが良さそうだが,いっちゃん,て誰?
 ELTのモチダでない方は,いっくんか。ずるい人にしてしまったら気の毒かな。

 ま,いっか。

 いずれ,さえずりは,ホオジロのさえずりの前半だけのような,短いワンフレーズずつ。
 高く,きれいな,通る声。

 表題の聞きなし作りは,ここまで。

 さて,コジュリンたちは,ちょうど,子育ての最中だったようで,オス,メスが餌をくわえている場面と何度か出会った。

 お父さん。

 お母さん。

 メスは見る機会が少ないので,もう1枚,比較的きれいなのを張って,残しておく。

 ホオジロのオスを,小さくして,くすませた感じだった。

 後先になってしまったが,せっかくなので,コジュリン(オス)のチャームポイントも,置いておこう。

 オオジュリンも,コジュリンも,同じように頭が黒いが,オオジュリンのオス夏羽が白基調なのに対し,コジュリンは,全体に薄茶色が基調で,小さく締まった感じ。

 首の後ろも,オオジュリンが白なのに対し,コジュリンは茶色。

 腰も,オオジュリンがグレーなのに対し,コジュリンは茶色。

 ここは,オオジュリンの繁殖地でもあるので,この日,ここにいたオオジュリンの写真を,比較対照用に張っておく。

 ただ,オオジュリンの個体数は非常に少なく,私が見たのは,この1羽だけで,しかも,一瞬遠くに出たが,すぐに奥の方に飛んで行ってしまった。

 だらだらと書いて,また記事が長くなってしまった。
 そろそろ,お終いにする。


 
 こういうのを,エンゼルポーズ,っていうのかな。

(2024/06/08-09  コジュリン)


幻の鳥

2024年06月22日 | 青森県_三八地方

 秋田の八郎潟干拓地において,生息・繁殖が確認されたのが,1973年のこと。

 私がまだ秋田にいた子どもの頃で,当時は,地元の魁(さきがけ)新聞にも,「幻の鳥オオセッカ見つかる」という感じで,大きく掲載されたように記憶している。
 
 この頃から,この鳥は,私にとっての「幻の鳥」,つまり,憧れの対象になった。
 
 
 当時は,どんな鳥か,よく知らなかったし,自分が見るようになるなんて,夢にも想像できなかったけど。
 
 その後,八郎潟干拓地の個体群は激減し,観察できなくなったが,1980年に生息・繁殖が確認された青森県の仏沼では,地域の方々の保護活動もあり,現在に至るまで,オオセッカの貴重な繁殖地,...,どころか,日本最大の繁殖地になっている。
 
 
 ということで,仏沼には,ラムサール条約の指定湿地になる前から,何回か,お邪魔している。
 
 立ち入るのに事前の届出が求められた時期もあったが,現在は,事前の届出もなく,普通に探鳥できるようになっている。
 
 ラムサール条約指定湿地に登録されて以降,それまで以上に,きちんと管理,整備されるようになった印象がある。
 
 
 野鳥保護のため,車での立ち入りが禁止されたことに伴い,駐車場が2か所整備され,そこにポケットに入れて携帯できるサイズの地図付きパンフが置かれるようになった。
 このパンフは,すごく良い。
 
 歩くための遊歩道も,良い感じに整備,管理されている。
 
 さて,オオセッカだ。
 
 この日は,4月13日に野焼きが行われてから,ほど良い期間が経過しており,伸びた草丈がちょうど良い按配で,観察しやすかった。
 
 早朝は濃霧。
 
 
 今回は,南側の駐車場に車を止めて歩いたが,歩き始めてすぐ,霧の中から,間違えようもない,独特のさえずりが聞こえ,姿も見えた。
 
 さえずりは,超早口で,チョ,チョ,チョ,チョ,チョ,チョ,チョ,チョ,チョ。
 何度か数えたが,チョが9回。
 
 もしかすると,もうちょっと。
 
 
 図鑑には,ジュクジュクジュクなどと表現されているが,私には,そうは聞こえない。
 
 たぶん,人によって,聞こえ方が違うのだろうから,図鑑どおりでなく,皆,自分なりの聞き方をすれば良い。
 
 
 ヨシなどに止まったまま,さえずることもあるが,得意なのは,さえずり飛翔。
 
 
 チョ,チョ,チョ,...,という,一連の短いさえずりに合わせ,Ω(オメガ)の形に,飛び上がって,降りる。
 
 
 目で追うと,降りた場所がわかるので,姿が見えても,見えなくても,じっとそこを見ていると,ある程度のインターバルを挟んで,また,さえずりながら,飛び上がる。
 
 
 大体同じような場所で,これを繰り返すが,ときに,離れたところに降りることもある。
 そういうときでも,待っていると,同じ場所に戻ってくる。
 
 
 さえずり飛翔は,とても目立つので,止まった姿を観察したいときは,目で追って,降りたところを見れば良い。
 
 
 遠かったり,草の中の見えないところに降りたり,ということもあるが,結構近いところに降りて,その姿を見せてくれることもある。
 
 私のお気に入りのオオセッカのポーズはこれ。
 
 
 黒い斑が散らばった背中と少し長めの楔(くさび)型の尾がよく見えるポーズ。
 
 やっぱり,この背中と,尾が,オオセッカのチャームポイントだと思う。
 
 
 正直,このポーズを見ないと,オオセッカを見た気がしない。
 
 
 オオセッカはセンニュウ科で,セッカが属するセッカ科ではないが,くちばしに向けて先細りの雫(しずく)型の顔は,セッカによく似ている。
 
 
 顔つき以外でも,全身の色合や生息環境,さえずり飛翔をすることなど,似ているところが多く,セッカの名前をもらったのも,頷(うなず)ける。
 
 こんなふうに足を広げて止まるのも,セッカそっくり。
 
 
 こんな格好してさえずるし。
 
 
 しっかりと足でつかんで,竹馬に乗っているみたい。
 
 
 一夫多妻であることもセッカと同じだが,お腹側を見ると,縦溝(割れ目)があって,オスにも抱卵斑(抱卵する時期,卵を抱いて温めるためお腹の一部の羽が抜ける)があるようにも見える。
 
 
 オスは抱卵しない,ということなので,たぶん,こんなお腹がデフォルトなのだろう。
 これもオオセッカの特徴なのかな。
 
 なお,セッカの北限は宮城県,ということなので,仏沼にセッカはいないが,同じく有数な繁殖地である利根川河川敷では,一度に両方見れるのだろうか。
 
 今回,たくさんのオオセッカを観察したが,仏沼全体では,減少傾向にある,という。
 
 
 地元新聞の昨年の記事によると,2011年に600羽を超えていたオスの個体数が,2023年は,3年ぶりに増加しても,400羽に届かない,ということだ。
 
 原因は,よくわからないが,仏沼自体の乾燥化や東日本大震災による越冬地の環境変化などが懸念されているようだ。
 
 
 そういえば,私が行ったとき,水が貯まるマスのようなものを,手作業で掘っていた方々がいたが,乾燥化に対応する環境改善作業の一環だったかもしれない。
 
 頭が下がる。
 
 
 一歩間違えると,簡単に絶滅してしまうが,保持させるには,大変な努力が必要。
 
 現に,八郎潟干拓地のオオセッカは,いなくなってしまったようだし,戦前まで遡ると,初めて繁殖が確認された宮城県蒲生では,発見後,すぐに消滅してしまったらしい。
 
 
 野鳥狙いのカメラマンの中には,マナーやルールを守らない人たちもいて,ときには,その行動によって,野鳥の繁殖に影響を与えている状況にあって,野鳥の保護・維持活動に尽力されている方々には,本当に,頭が下がる思いだ。
 
 感謝しかない。
 
(2024/06/08-09  オオセッカ)
 
 
 
 
 

ホオジロガモ劇場

2024年02月18日 | 青森県_三八地方

 僕はホオジロガモ。

 最近,ボクの食事処に来る邪魔者に腹が立っている。

 また,来ている。

 ウェ~イ,ウェ~イ。

 あっち行けよ。

 頭くるなぁ!

 怒りで髪の毛がザワザワ立ってきた。
 怒髪天を衝く,とはこのことじゃ。

 あれ?
 な,なんだよ,その目は。

 あ,あ。
 いえ,いえ。そんなつもりでは…。

 やば!

 ぎゃ。

 いきった自分が恥ずかし ~~。
 消えてしまいたい ~~~。

 おしまい。

【注】
 上のお話は,あくまで,写真をつなげて作ったお話。
 本当に何が起きていたのかは,見ていた私もわからない。

 これまで,こんな姿勢で泳いでいるホオジロガモを見たことがないし,こんな潜り方も見たことがない。終始,こんな変な泳ぎ方をしていた。

(2024/02/11 ホオジロガモ)


米緋鳥純+交雑+緋鳥純 かな?

2024年02月17日 | 青森県_三八地方

 蕪島の崖の下にいた女の子。



 頭に赤味が全くない。
 
 
 くちばしの基部(付け根)が黒いのも確認できた。
 
 
 腋羽の色までは確認していないが,アメリカヒドリのメスで間違いないと思う。
 
 こちらは,マリエント前の磯にいた男の子。
 2羽のうち,右側の子。
 
 
 ヒドリガモにアメリカヒドリの特徴が混ざっている感じ。
 
 
 目の後方に緑色が混ざる帯があり,体が全体にブドウ色混ざり。くちばし基部が黒いのもアメリカヒドリの特徴。
  手前に標準的なヒドリガモがいてくれたので比較しやすい。
 


 ただ,頬がクリーム色なのは,アメリカヒドリっぽくもないし,ヒドリガモっぽくもなく,少し違和感がある。

 
 とはいえ,ヒドリガモとアメリカヒドリの交雑オス成鳥には違いないと思う。
 
 こちらもマリエントの前にいた子。
 


 目の後方に緑色が見えるが,標準的なヒドリガモのオス成鳥と思う。

 
 目の後ろが緑色のオスなんて,なんぼでもいると思っていたし,事実,これまでもたくさん会ってきていたが,こういうタイプを交雑と見る向きもあるようだ。
 
 手持ちの日本の図鑑を見ると,ヒドリガモのオスの目の後ろに緑色が出ることもある旨の記述があるのは,「フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版」(日本野鳥の会)と「フィールド図鑑日本の野鳥 第2版」(文一総合出版),「決定版 日本の野鳥650」(平凡社)の3種類。
 
 
 一方で,目の後ろの緑色に何の記述もない図鑑もある。

 もしかして,純粋ヒドリガモのオスは,目の後ろに緑が入らない,という考え方もあるのだろうか。
 ヒドリガモにアメリカヒドリの血が多少混ざっている,などということもありうるなら,種の交雑の2代目,3代目も生まれることがある,ということなのか。
 
 鳥の世界は,これまでも,種の名前や分類が変わってきた経緯があるが,新たな説や考え方がさまざま出てくると,それもまた楽しい。
 
(2024/02/10-11  アメリカヒドリ,ヒドリガモ)
 
 

八戸の春告げ鳥

2024年02月16日 | 青森県_三八地方

 すごかった。

 こんなだったっけか。
 
 
 今回は,前日も,前々日も,午後から来たのだが,こんなではなかった。
 それが,いきなりすごいことになっていた。
 
 
 青森県八戸市にある蕪島は,日本一のウミネコ繁殖地。小高く盛り上がった蕪島の頂上には,2015年に焼失し,2020年に再建した蕪嶋神社がある。
 蕪嶋神社とその周辺施設は,再建・再整備により,非常にきれいに,立派になった。
 
 
 ここは,限られた面積に3万羽とも4万羽ともいわれるウミネコが繁殖のために飛来する場所で,100年以上前から,国の天然記念物に指定されている。
 
 
 全国に10か所以上あるウミネコ繁殖地のどこもが,人が近づきにくい崖や離島にあり,人が身近に観察できる繁殖地は,全国で唯一,ここだけ,という。
 
 
 ここも,元々は島だったが,太平洋戦争中の1942年に軍事施設を建設するため,旧日本海軍が,埋め立て,陸続きにしたらしい。
 
 
 ウミネコ繁殖地として国の天然記念物に指定されたのが,この20年前の1922年だったので,おそらく,海軍の軍事施設内でも継続して繁殖していたのだろう。
 
 
 また,戦争末期にあった八戸空襲では,軍事施設があったここも標的になったと思われる。
 ここにおけるウミネコ繁殖は,太平洋戦争もくぐって,今に至っている,ということ。
 
 
 さて,この日は,まだ営巣したり抱卵したりする感じではなかったものの,多数のウミネコたちが,ちょうど良いあんばいに距離をとって場所取り(?)をしていた。
 
 
 なかには,あたかも抱卵しているかのように,地面にお腹をつけて,うずくまっている姿も,あちらこちらで見られた。
 
 
 また,「ウミネコの繁殖エリアにつき立入禁止」という主旨の看板が各所に設置されていたが,逆に,ウミネコの方が,神社境内や通路など,人間エリアに進出していた。
 
 
 通路にいるウミネコは,踏んでしまいそうなほど近いが,飛んで逃げることはなく,人が来ると面倒くさそうにノタノタ歩いて避けるだけ。
 この子は,営巣準備のためか,わらをくわえていた。
 
 
 そんな状態なので,望遠レンズが使いづらく,撮影はスマホも活用。
 …ではあったが,ウミネコの数に圧倒され,興奮してしまい,帰ってから見たら,あまり撮影していなかったのが,残念。
 
 
 これは,なんと不敬なウミネコちゃん。
 ではあるが,やむなし。
 
 
 鳥居の上にも並んでいる,ということは,やっぱり,鳥居の上にも「運」がいっぱい。
 
 
 ご親切にも,参道の入口脇には,ビニール傘も用意されていた。
 当たって嬉しい「運」がある一方,そうでもない「運」もある,ということ。
 
 
 最後。
 全身を振り絞るように鳴く姿。
 
 
 一旦,限界まで首を曲げ,力を蓄えた上で,その後,声を爆発させる。
 
 
 八戸では,蕪島へのウミネコの飛来が春の訪れ。
 これから,これから。
 もっと来る。
 
 それにしても,3万羽を超えるウミネコの繁殖,子育てを支える八戸の海って,すごい!
 
(2024/02/12  ウミネコ)