鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

霧多布岬のラッコは子育て中

2024年06月05日 | 北海道_道東

 霧多布岬に来た目的は,近年,居着いたという,ラッコと会うことだった。

 ラッコ自体は,根室の落石漁港から出る船に乗って,モユルリ島の群れを見たことがあるが,最近,NHKで霧多布岬のラッコのことを放映しているのを見て,ぜひ,自分の目で観察したかった。
 
 結果。
 
 
 いた。
 
 次の1枚には,7頭入っている。
 
 
 左端のラッコは赤ちゃんを抱っこしていたので,赤ちゃんも含めると,8頭。
 
 赤ちゃんを離したバージョン。
 
 
 上の写真の左端を拡大してみる。
 
 
 丸くなっている母親の右上に,赤ちゃんが浮かんでいる。
 
 一度に見たのが8頭なので,8頭以上はいた,ということ。
 
 集まってきて,こんな感じに密集するときもあった。
 
 
 6頭がくっつくようにして浮かんでいた。

 ずっと見ていたが,仲間同士の距離が近く,スキンシップめいた行動が多く見られた。
 
 
 事前知識なく来たので,遥か彼方に,見えたり,見えなかったりしているのかな,と想像していたが,思っていたよりもずっと近く,灯台近くの崖下の海にいた。 
 
 
 肉眼でも見えるし,鳥見をする人なら,手持ちの双眼鏡があれば,ちょうど良い距離。
 
 ただ,顔が,カットしていないトイプードルのようで,毛がもさもさしていて,わかりづらい。
 
 
 詳しく観察したいのなら,フィールドスコープもあった方が良いかもしれないが,真下を見る感じになるので,傾斜型(アングルタイプ)は厳しいかもしれない。
 
 撮影は,400㎜レンズがあれば充分だし,なければスマホでもいける距離。
 
 
 ラッコたちは,基本,上を向いて,浮いていた。
 
 
 犬などは,心を許した相手にお腹を見せて,甘えることがあるが,そんな姿勢がデフォルトになっている。
 
 
 こんなところが,人気の秘密かもしれない。
 
 
 手(前足)の動きも,とっても可愛い。
 
 ほとんどの時間,仰向けのままで過ごしていたが,移動するときなど,背中を上にすることもあった。
 
 
 これは,スーパーマンのような格好。
 
 
 横にぐるぐる,縦にぐるぐるする行動も,頻繁に見られた。
 
 
 毛並みを整えていたのだろうか。
 
 ぐるぐる回って,海藻を体に巻き付けるのは,遊びかな。
 
 
 
 赤ちゃんがいることも全く知らずに来たので,最初は,なんか毛皮の襟巻きのようなものをまとっている個体がいるなぁ,程度に思っていたが,その毛皮は,中身入りだった。
 
 
 12日が初認日ということなので,この日は,その後,1週間目に当たる。
 
 
 まだ,生まれたばかり,という感じ。
 
 
 早朝に来たときは,お腹の上に乗せて,ずっと抱っこしていたが,その後,体から離して,単独で浮かせることもあった。
 
 
 子どもを横に浮かせて,毛づくろい。
 
 
 親子で同じ格好。
 
 
 母親が潜水してしまい,ひとりポツンと,海上に残されることもあった。
 
 
 母親に何か要求があるときは,ミー,ミー鳴いて,母を呼ぶ。
 その声が,人がいる崖の上まで,聞こえてきていた。
 
 この日は,お昼を挟んでの2〜3時間を除き,朝から夕方近くまで,この周辺にいて,2万枚は撮影したと思う。
 
 
 電子シャッターだと,1秒に20枚いってしまうので,連続だったら10秒で200枚,16分40秒で2万枚の計算。あっという間だ。
 
 
 とても,全部見れる量じゃないし,万が一,傑作があったとしても,気づきようがない。
 
 
 私を止めてくれる人かいないと,こうなる。
 
 
 写真,選べないよ〜 
 
 そういえば,赤ちゃんがもう1頭生まれるかもしれない,という話も聞いた。
 
(2024/05/19  ラッコ)

エゾなんちゃらって,なによ?

2024年06月04日 | 北海道_道東

 オオアカゲラも,北海道にいるのは,亜種エゾオオアカゲラなんだと。

 地元宮城にいる(はず)のは,本州中部以北にいるという,亜種オオアカゲラ。
 それより南にいるのは,亜種ナミエオオアカゲラ。

 ただし,亜種オオアカゲラと亜種ナミエオオアカゲラについては,日本鳥類目録改訂第7版では,「本亜種の分布域は明確ではないため,検討が必要である」とされている。

 奄美大島に分布する亜種オーストンオオアカゲラと合わせると,4亜種が日本に存在していることになる。

 亜種エゾオオアカゲラは,亜種エゾアカゲラ同様,本州にいる亜種より白っぽいらしい。
 
 
 写真で比較してみよう。
 
 こちらが,2023年4月に,宮城県で撮影した個体。
 
 
 こちらが,今回,北海道で撮影した個体。
 
 
 今度は背中側の比較。
 
 宮城の個体。
 
 
 今回の個体。
 
 
 どうだろう。
 
 腹側の方の違いはよくわからないが,この2個体に限っては,背中の白斑は北海道個体の方が,明らかに大きい。ただ,個体差もあるし,これを指標に亜種を見分けるのは,勇気がいる。
 
 それにしても,なんでもかんでも,「エゾ」(蝦夷)って,頭に付けているのが,だんだん気になってきた。
 
 
 蝦夷って,元々は,古代の北陸,関東以北に住んでいた人を指す語だった。
 
 この語自体,差別用語にはなっていないが,使う人が使えば,東北人を「文化的程度が極めて低い」野蛮な輩と,蔑視する場合にも使える語。
 
 
 36年前,サントリーの佐治氏は,「蝦夷」って語を,そのように使おうとして,「熊襲」(くまそ)と言い間違えた。
 
 東北では,いまだにサントリー製品を忌避する人がいるほど,ひどく心を傷つけられた舌禍事件。
 
 謝って解決するようなものではなく,当時は,あぁ,そのように認識されているんだなぁ,蔑まされているんだなぁ,と思った。
 
 
 どんな言葉だって,言葉自体に罪はなく,本来,ニュートラルなものなのだが,それを汚して使えない言葉にするのは,薄汚れた人間の差別意識や独善主義。
 
 前述の佐治氏が使いそこねた以外に差別的な使い方をする人がいなかったため,幸い「蝦夷」は,「使えない言葉」にはなっていない。
 
 
 それにしても,なんでもかんでも,エゾだもんな。
 
 ちなみに,鳥で,エゾが付くのは,ほかに,エゾコゲラ,エゾセンニュウ,エゾビタキ,エゾフクロウ,エゾムシクイ,エゾヤマセミ,エゾライチョウがいる。
 うち,エゾビタキとエゾムシクイは,本州以南にも来る鳥なので,エゾを付ける意味自体がわからない。

 シマエナガやキタキバシリのように,シマやキタが付く北海道の鳥もいるが,元々の語の意味が広いので,北海道の鳥に限定されてはいない。
 
(2024/05/17-20  エゾオオアカゲラ)
 
 
 

葉っぱの陰で何してたの?

2024年06月03日 | 北海道_道東

 北海道に住む亜種エゾアカゲラは,本州以南の亜種アカゲラより,お腹が白く,背中の白斑が大きい,という。

 こちらは,今回出会った北海道の女子。

 昨冬,宮城県で撮影した個体と比べてみよう。

 今回,オスは,ほとんど撮影していなかったが,宮城で撮影したもののなかにメスが見つからなかったので,数少ないオス同士で比較。
 
 こちらが,今回,北海道で撮影したオスの個体。
 
 
 こちらが,宮城県で撮影したオスの個体。
 
 
 さぁ,どうだろう?
 なんか微妙だな。

 もしかして,宮城にいた方が,エゾアカゲラ?
 
 もう一度。
 
 これは,北海道の林の中でドラミングしていたオス。
 
 
 宮城の個体。
 
 
 ん~,やっぱり微妙だな。
 
 ただ,鳥も人間と同じく,1羽ごとに体色も違うので,特定の1羽のアカゲラだけを見て,どちらの亜種か断言はできない。
 
 なお,冬は,亜種エゾアカゲラより,さらに,お腹が白くて,背中の斑が大きい,という,亜種キタアカゲラも,いる可能性がある,という。
 
 もしかすると,亜種アカゲラだっているかもしれないし,ややっこしいったらない。
 
 さて,今回は,メス1羽が大サービスだったので,めんこな写真を選んで,ここに,少し思い出を残しておこう。
 
 つつきたいところを,じっと見ているとこ。
 
 
 ここんとこ,つついてみた。
 
 
 つぶらな目がめんこ。
 
 
 体を少しひねって,ちょっと色気を出してみた。
 
 
 お腹のほんのり赤いところも色っぽい。
 
 こういう姿勢をとったときの喉も。
 
 
 足が少し浮いているのかな。
 
 
 ここんとこ,つついてみたいなぁ。
 
 
 あ,つついてみたら,煙が出てきた。
 
 
 お腹は白い。
 
 
 お尻は赤い。
 
 
 失礼。
 
 あ,目が合った。
 
 
 隣の枝に飛び移った。
 
 
 後ろから見ると,黒ベースでかっこいい。
 
 
 メスは頭に赤いところがない。
 背中の白斑は,オスよりも,小さめなのかな。
 
 この翌日。
 
 1羽のメスを見ていたら,オスが飛んできて,葉っぱの陰で,何やら始めた。
 
 
 何をしていたんだろう。
 
 
 
 隠れてしなきゃいけないこと?
 
 
 あ。
 
 
 あぁ,ぁぁぁ,うらやましい,.....。
 
 こんな時代に戻って,葉っぱの陰で,...。
 
(2024/05/17-18  エゾアカゲラ)
 
 
 
 

初めての出会い

2024年06月02日 | 北海道_道東

 最初は,ベニシジミと思った。

 そのくらい,小さかった。

 しかし,翅を広げたら,全然違ってたので,びっくり。
 
 
 調べたら,北海道にしかいない,というアカマダラだった。
 
 初見のチョウだったので,それなりに嬉しかったが,このチョウを見るのが目的だったら,ドキドキして嬉しさが爆発したんだろうな,と思うと,ちょっと悔しさも混じる。
 
 スジグロシロチョウは普通にたくさんいた。
 
 
 北海道だから,エゾスジグロシロチョウなのかな。

 見分け方はわからない。
 
 撮影したときの記憶が定かでないが,エゾシロチョウもちゃんとおさえていた。
 
 
 今回は,チョウのことまで頭が回らなかったが,次回は,チョウもターゲットにすると,より楽しめるかもしれない。
 
 きれいだなぁ,とは思って,レンズを向けるけれど,花の方は全然覚えられない。
 
 
 
(2024/05/20  アカマダラ,エゾスジグロシロチョウ,エゾシロチョウ)

なぜ頭が黒くなるの?

2024年06月01日 | 北海道_道東

 この子たちを見て,ふと思った。

 
 冬は黒くないのに,夏,男子だけ,頭が黒くなる鳥がいる。
 
 
 今回出会ったのは,オオジュリンとノビタキだけれど,コジュリンやアトリもそう。
 
 どうして?
 
 
 暑さ対策は違う。
 黒は逆に暑くなる。
 
 
 目の周りの反射を抑えて,見やすくするため?
 じゃあ,夏限定でない方が良いし,オスだけって,どういうこと? 
 
 
 もしかして,黒頭巾スタイルの方がカッコ良くて,女子にモテるから?
 
 
 他にも理由が考えられるけれど,これがホントの理由かな。
 
 昔でいうと,怪傑黒頭巾とか,鞍馬天狗とか?
 遡りすぎ?
 
 ところで,覆面と言えば,あのデストロイヤーだが,一度だけ,黒い覆面を被ってジャイアント馬場と戦ったことがあるらしい。
 女子にモテたかった,という理由かどうかは定かではない。
 
 最後,鳥類界の黒覆面デストロイヤーに締めてもらおう。
 

( ↑ 2024/03/24  宮城県,亀の子堤の土手にいたハヤブサ)
 
 この3月に撮影したが,出しそびれていた1枚。
 
 今,シギチの群れの近くで活躍中。
 
(2024/05/19,21  オオジュリン,ノビタキ)
 
 
 

会いたかった鳥

2024年05月31日 | 北海道_道東

 ここ数ヶ月,ず〜っと「会いたい」と,こぼしていた鳥。
 地元で,普通に会いに行けば良かった話だが,限られた時間のなか,どうしても優先順位が低くなってしまい,会えていなかった。

 だから,ここで運良く出会うことができ,ホント,嬉しかった。

 喉が黒いのがオス。

 最初出会ったときは,口いっぱいに虫をくわえていた。

 ちょうど子育てをしている時期だった。

 これは,巣の近くの木のてっぺんに止まっているところ。

 鳥が鳥なら,複雑にさえずって,縄張り宣言をし続けるところなのだろうが,ピイッ,ピイッと,鳴くのみ。

 それがまた良い。

 背景に見えるピンクは,まだ残っていた山の桜。

 桜の新鮮な葉の上にも,止まってくれた。

 葉柄に掴まっているが,その足が,めんこ。

 食べ物を見つけた。

 喉が黒くないのがメス。

 さっきのオスとはペアのようだ。

 こちらも,同じく,たくさんの虫をくわえていた。

 木の陰から撮影していたら,虫をくわえたまま,川べりの土手に潜り込んでいった。

 あれ。

 今度は,フンをくわえて出てきた。

 まずい。

 ここは,孵化した雛がいる巣だった。

 気づかれないうちに,そそくさと場を立ち去る。

 それにしても,ここが巣だとは,本人に教えてもらわないとわからなかった。うまい場所に巣を作るものだ。

 ちなみに,ここは,チャラ瀬ばかりの淵がない小川だが,ヤマセミもいて,土手に開けた穴に出入りしていた。人が結構くる場所の裏っ側,気づきにくい場所ではあったが,大丈夫か?

(2024/05/17-20  キセキレイ)


顔が赤いヒメウ

2024年05月30日 | 北海道_道東

 ヒメウは,繁殖期になると,顔が赤くなる。
 久しぶりに,赤い顔のヒメウを見たいと思い,先日,秋田の象潟に行ったとき,ちょっとだけ期待したが,ヒメウそのものがいなくなっていた。

 今回は,そのことをすっかり忘れていたが,霧多布岬の崖の下を覗いてみたら,婚姻色に換わったヒメウがいた。
 
 
 崖の上からの観察になったが,顔の赤より,体側面にある大きな白い斑が目立っていた。
 
 遠くって,撮影は厳しかったが,出会えただけでも嬉しい。
 
 
 以前は八戸港でも見たことがあるが,いずれ,北に来ないと,このような姿になったヒメウとは,なかなか会えない。
 
 
 見ている間,魚を捕らえて,
 
 
 ごっくん。
 
 
 ここの崖では,ウミウやオオセグロカモメ,アマツバメなどが繁殖しており,ヒメウを見ている間,ウミウなどが,せっせと巣材を運ぶ姿も観察できた。
 
 
(2024/05/19  ヒメウ)

デカっ!

2024年05月29日 | 北海道_道東

 近い上に,デカすぎ。

 もっと短いレンズを付けてくれば良かった,と,反省。
 
 
 近くて体が入りきれないときは,ズームレンズの鏡胴を縮めて撮影した。
 
 
 て,書けるのって,チョー嬉しい。
 
 
 ホント,幸運だった。
 
 
 以前は,見たくて,見たくって,たまらなくっても,なかなか出会えなかった鳥。
 
 しかし,こんなふうに,頭の中に全然なくっても,あっさりと出会えたりする。
 
 
 このときは,半径50mくらいの範囲で餌探ししており,見えなくなっても,またすぐに出てくれる,というサービスぶり。
 
 
 木に止まり,遠くまで響く大きな声で,キョーン,と,ひと声ずつ,何度も鳴いてくれた。
 
 口を開けているのは,鳴いているところ。
 
 
 至近距離で聞くこの声,また,その姿は,何物にも変え難い素晴らしさだった。
 
 
 ハリのある美しい声だったぁ。
 
 基本,いつも単独鳥見なので,こういう状況を独り占めだった。
 
 
 こういう状況にいると,写真撮影なんかしているのがバカらしく,まずは,姿を見て,声や出す音を聴いて,味わうことを優先。
 
 
 せっかく,この子の近くにいて,同じ空気を吸っているのだから。
 
 
 これだから,鳥見はやめられない。
 
 おまけ写真×2
 
 
 
 買ったのを忘れていたが,同じものの空き缶が,家に,2つあった。
 
(2024/05/20  クマゲラ)

追いかけてきたわけじゃないんだけど...

2024年05月28日 | 北海道_道東

 今季は,地元で,アカエリカイツブリの夏羽個体を追いかけてきたが,霧多布岬にもいた。

 
 これは,夏羽になっていた個体。
 名前のとおり,襟が赤い。
 
 ここまで追いかけてきたわけじゃないんだけど。
 
 
 午前中は見当たらなかったので,ここには,午後に入ったようだ。3羽の群れ+1羽。
 すべての個体が婚姻色になっているわけではなかった。
 
 
 ただ,遠かったなぁ。
 
 アカエリカイツブリは,淡水で繁殖するので,ここからさらに移動することになる。
 
 ここから近い標茶町の沼で繁殖しているようだし,ここからは遠いけれど,以前,豊富町の沼でも見たことはある。
 
(2024/05/19  アカエリカイツブリ)

ズビャーク,ズビャーク

2024年05月27日 | 北海道_道東

 朝6時前に霧多布岬に到着。

 車のエンジンを止めて,ドアを開けた瞬間,ズビャーク,ズビャーク,ドドドド...,という賑やかな音が飛び込んできた。

 オオジシギのディスプレイフライト。

 上空を,円を描くように,ジャッ,ジャッ,ジャッ,...,と,一定間隔でリズムカルに鳴きながら飛び,サビが,ズビャーク,ズビャーク,...。

 その直後,ドドドドド...,と,大きな羽音を立てて,急降下する。

 と思ったら,また,リズムカルに鳴きながら上昇し,最初に戻る。

 これを何度も繰り返すから,すごい体力だ。

 宮城県内でも観察できるが,北海道では普通にいるし,ずっと観察しやすい。

 特に,早朝が活動的なようだ。

 杭の上などにも止まるが,このときは陽炎がひどく,ピントが全然合わなかった。

 でも,雰囲気は感じることができるかな。
 背景の青いのは海。

 北海道では,昨年,一昨年とあまり良くなかったようだが,今年は,オオジシギの当たり年らしい。

(2024/05/19 オオジシギ)


センダイムシクイのここんとこ

2024年05月26日 | 北海道_道東

 釧路のセンダイムシクイ

 センダイムシクイは,くりんとした目もかわいいし,

 特徴的な頭央線もチャーミングだが,

 私的には,喉が,超めんこ。

 ふわふわの白い羽毛で覆われた喉が,何とも言えない。

 できるなら,なでなでしたいが,そういうわけにもいかず,見るだけで我慢。

 センダイムシクイは,地元の仙台にもいるが,北海道にいる子たちの方が,人間に慣れっこく,近くまで寄って来てくれるような気がする。

 ここの公園に来たのは初めてだけれど,今回も,肉眼で楽しめるほどの至近距離まで,寄ってきてくれた。

 ちなみに,センダイムシクイの「センダイ」は,宮城県仙台市とは関係ない。

 センダイムシクイは,チヨ,チヨ,ヴィー,と,さえずるが,

 この「チヨ」を,「千代」と漢字を当て,これをさらに「センダイ」と読んで,「センダイムシクイ」とした説がある。

 聞きなしは,「鶴千代君(つるちよぎみ~)」などより,「焼酎一杯グイ~」の方が,より浸透しているかもしれない。

 どのように聞いても,「焼酎」とも,「一杯」とも,聞こえないが,「グイ~」に引っ張られて,「焼酎」になってしまったのだろう。

 受けも,良さそうだからなぁ。

(2024/05/18  センダイムシクイ)

 


シマエナガだって生きている

2024年05月25日 | 北海道_道東

 土産物屋で関連グッズも販売されるほど人気者になったシマエナガ。

 かわいい,かわいいと,もてはやされているが,実物は,もてはやされるずっとずっと前からいる,普通の野生鳥類だ。

 冬は,白い羽毛が,もふもふしていて,綿毛のかたまりのようなまん丸の姿だったが,羽毛がすり切れて,中身の黒い羽毛が見え,貧相な姿になってきた。

 もふもふでなくなった分,同じポーズを取っていても,正直,冬ほどには,かわいくなくなる。

 虫だって食べるし。

 だから,春以降,写真に撮る人は少ないと思うし,ましてや,撮った写真を人に見せようなんて思う人も少ないと思う。

 でも,シマエナガは,冬だけではなく,春も,夏も,秋も,フィールドに生きている。

 特に,最近シマエナガ好きになった方々には,かわいくなくなったシマエナガの姿も知っていただき,それもひっくるめて好きになってほしい。

 え?

 十分にかわいいって?

(2024/05/18  シマエナガ)


黒い鎌

2024年05月24日 | 北海道_道東

 これまで,アマツバメを撮ろうと,何度も試みてきたが,うまく撮影できた試しがない。

 今回も,霧多布岬に,たくさんのアマツバメが飛んでいたので,挑戦してみたが,...。
 
 
 
 アマツバメは,両方の翼をピンと張って,空気を切り裂くような飛び方をする。
 
 
 まさに,三日月形の黒い鎌が,空を飛んでいるよう。
 
 
 近くを飛ぶと,空気を切り裂く翼の音が,聞こえる。
 
 
 
 そんな迫力あるアマツバメを表現できる写真を,撮ってみたい。
 
 
 
 それ以前に,私の場合は,まずは,ピントを合わせること,ブラさないことなど,基本的なことを,ちゃんとしないとな。
 
 
 でも,たぶん,永遠に満足することはない,というか,撮った写真を見て反芻するより,撮る行為そのものが楽しいので,気力,体力が続く限り,撮り続けると思う。

 シャッターを押すたび,スゲー,スゲーって,心の中で叫んで,楽しんでいる。
 
 ところで,ここのアマツバメは,巣材をくわえて飛んでいる個体が多かった。
 
 
 ここの切り立った崖に営巣していると思われる。
 
 これがちょっと気になったけど。
 
 
 カラスが,崖の奥から何か白いものを取り出して,食べていた。
 遠くて,また,写真の画質も荒く,食べているものが何かわからない。
 カラスは,食べ物を隠して置いておくこともあるので,卵とは限らない。

 ところで,北海道で繁殖するアマツバメは,本州以南で繁殖するアマツバメと亜種が異なり,キタアマツバメという亜種らしいのだが,どこがどう違うのだろう。

 いくつか手持ちの図鑑を見たが,亜種があることに,ふれられてさえいない。
 
 
 春,秋に,大量のアマツバメが,ブラキストン線を超えて,行ったり来たりしているのだけれど...。
 渡りの季節に龍飛岬に行くと,大量のアマツバメと遭遇する。

 今回の記事のデザートに,花の写真を張っておく。
 足下に咲いていたスミレ。
 
 
(2024/05/19  キタアマツバメ)
 
 

灰色のツバメ

2024年05月23日 | 北海道_道東

 道東南部。

 海に近い小河川を覗いたら,ツバメの群れが飛んでいた。
 
 
 あぁ,ツバメだなぁ,と横目に見ながら,一旦通り過ぎたが,ツバメじゃなかった。
 
 
 ツバメは黒いが,この子たちは,黒くなかった。
 
 
 よく見ると,全身,灰色っぽい。
 灰褐色というのだろうか。
 
 
 白いお腹。
 胸に灰色の帯がある。
 
 
 ツバメより,ずっと短い尾。
 
 
 ショウドウツバメだった。
 砂質の崖に,小さな穴を掘って集団営巣するので,「小洞」ツバメ。
 
 
 大きさは,国内で見ることができるツバメの仲間では一番小さく,全長12-13㎝程度。
 
 
 イワツバメは小さくってめんこ,というイメージだが,イワツバメと同大か,より小さかった。図鑑によって,大きさが違うのが不思議。(特に,イワツバメは,13~15㎝と,図鑑によって幅がある。)
 いずれ,スズメよりは,小さい鳥。
 
 
 国内の繁殖地は,北海道以外,見つけられていないツバメ。
 地元の宮城県内でも,渡りのときに観察することができるが,希少感のあるツバメだ。
 
 
 この7月,集団営巣しているところに,見に行く予定で,楽しみにしていたのだが,思いがけず,ここで出会ってしまった。
 
 
 帰りの飛行機の出発時間が迫っていたので,ゆっくり見ることができなかったが,見ている間,何度も繰り返し,水面をかすめていた。
 
 
 このときは,水を飲んでいるのかな,とも思っていたが,後で,撮影した写真を見ると,小さな虫をついばんでいたようだ。
 
 
 スマホでは,たぶん見えないと思うが,鏡のような水面に,ちっぽけな虫がいる。
 
 
 よく見つけるなぁ,と感心するが,飛びながら発見して,食べていた。
 
 
 こんな小さな虫では,お腹いっぱいになるまで大変。
 
 
 ここまで,このときに撮影した写真で紹介してきたが,速い上に,不規則に飛ぶので,撮影は,シューティングゲームのようだった。
 
 
 苦手だけど,楽しいやつ。
 
 
 少し前まで雨が降っていた曇天で,光量が足りなかったので,シャッタースピードを上げると画質が落ちるが,やむなし。
 
 
 このときは,速い,といっても,私でも楽しく撮れる速さだから,自転車くらいの速さだったのではないだろうか。
 敵から逃げる速さではなく,ゆっくりと食事をする速さ。
 
 時間にすると,20分弱だったと思うが,充分に楽しませてもらった。
 
 あ,これはツバメ。
 なんか知らんけど,ワンショットだけ,写っていた。
 
 
 撮っているときは気づかなかったが,混ざっていたようだ。

 この記事の最後,帰りの飛行機から撮影したスマホ画像を張っておく。

 津軽海峡上空で,ちょうど日没。
 雲がかかっている左の陸地が本州,右の陸地が北海道だ。
 
 
 上から見ると,北海道と本州は,こんなに近い。
 なのに,ブラキストン線が,現に,存在して,住んでいる生き物が違う。
 
(2024/05/21  ショウドウツバメ)