鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

フラッシュする黄色

2024年11月05日 | 宮城県_亘理/山元

 鳥の海の浜辺に,数十羽のカワラヒワの群れが入っていた。

 飛ぶと,鮮やかな黄色が見えてきれい。

 日本に住む私たちは,街の中でも,普通に見ることができるが,実は,東アジアの北部にしかいない鳥だ。

 ありがたく味わわないと。

 肉眼で見ていると,黄色がフラッシュした,としか見えないが,写真に撮ると,じっくりと味わうことができる。

 黄色を焦がしたような色の背に,鮮やかな黄色い帯が入った黒い翼。

 上の写真では,魚の尻尾のような,独特の形の尾羽もわかりやすい。

 このように群れになるのは,今年生まれの幼鳥が集まったか,北から渡って来たか,どちらかと思う。

 どっちだろう?

 亜種オオカワラヒワは,背中側に見える三列風切の白い帯が広く,頭頂部から背にかけて,黄色味に乏しく,灰色味が強い,という。

 どうだろう。よくわからないな。

 でも,一応,亜種オオカワラヒワということにしておこうか。

 混ざっている可能性だってあるけれど。

(2024/10/18  カワラヒワ)


たまらなくめんこ

2024年11月04日 | 宮城県_亘理/山元

 くりくり。

 くりくり,くり。

 ぽりぽり。
 
 
 背中が黒いのは子ども。
 
 
 目をつむっているのが,たまらなくめんこ。
 
 この足の表情に注目。
 
 
 おなかは,真っ白で,ふわっふわ。
 
 子どもが,片足でぴょんぴょん。
 
 
 おとなも,ぴょんぴょん。
 
 
 たまんなくめんこ,と,思うのは私だけ?

 シマエナガは,写真集やら,カレンダーやら,たくさん出ているが,ミユビシギはどうなんだろう?
 無茶苦茶可愛い表情をする鳥なので,写真集を出したら,売れると思うんだけどなぁ。
 
(2024/10/12  ミユビシギ)

ミユビシギの本領発揮

2024年11月03日 | 宮城県_亘理/山元

 砂浜に寄せては返す波。


 その波に合わせて,行ったり,来たり。
 
 波が引くときは,海の方に,攻めていく。
 


 
 そして,波が引いているわずかな時間で,ヨコエビなど,波打ち際の小さな生き物を,食べる。
 
 
 また波が寄せてきたら,急いでターンし,陸の方に逃げる。
 
 
 
 波の動きに合わせて,何度も,何度も,この繰り返し。
 
 私にとっては,これが,ミユビシギの本来の姿。
 
 
 走ってなんぼだ。
 
 トウネンや,群れに混ざったヘラシギなども,波との追いかけっこはするが,本家本元は,やっぱり,このミユビシギ。
 
 
 なんてったって,このために,「物(枝など)をしっかり掴む」という能力を捨て,4本の足指の内,後ろの1本をなくしてしまったのだから。
 
 
 人間だったら,手の親指をなくすようなもの。
 
 あるのは,前側の3本の指だけ。
 
 
 駆けるときも,ターンするときも,後趾(こうし=後ろの足指)がない方が動きやすいので,なくしてしまう,という選択。
 
 
 この日は,久しぶりに,ミユビシギの,波との追いかけっこを楽しめた。
 
 やっぱり,潮が引いている時間帯が良いようだ。
 
(2024/10/12  ミユビシギ)

メダイチドリの飛翔

2024年10月28日 | 宮城県_亘理/山元

 砂浜にいた50羽程度のシギチの混群の多くが,メダイチドリだった。

 メダイチドリは,『目大千鳥』と書く。
 目が大きいチドリの意。
 語感は似ているが,大川栄策さんの「目ン無いチドリ」とは,全く関係ない。

 過眼線があるので,大きい眼が目立たないが,よく見ると,眼が大きくって,めんこい顔をしている。
 
 
 長くてがっしりした足で,よく走る。

 
 
 こちらは,飛んでいる姿。
 
 
 翼を構成する羽の1枚1枚,そして,白線のパターンが美しい。
 
 群翔。
 
 
 
 
 
 ミユビシギが少数混ざっているが,ほとんどがメダイチドリ。
 
 メダイチドリをアップしてみる。
 
 
 
  うわ~,カッコいいなぁ。
 
 シギチが飛翔するのを,初めて見たとき,群れがシンクロして,裏と表がフラッシュするのにも感動したが,先端が尖った翼そのものにも感動したのを思い出した。
 
 ハヤブサみたい,と思った。
 
(2024/10/12  メダイチドリ)

砂浜の昆虫

2024年09月19日 | 宮城県_亘理/山元

 お尻の先に産卵管が見える。

 わらしべの先っぽに産卵管を差し込む。

 産卵中?

 このトラフムシヒキがいたのは,こんな海岸。

 海が荒れると,絶対,流される。

 ここには,小さな黒い虫もたくさん飛んでいて,なかなか止まってくれなかったが,何とか撮影して,画像を見ると,ハチの仲間だった。

 黒い体に,黄色っぽい毛がびっしり。

 ところで,この夏は,虫をたくさん撮りすぎ,全部は記事にできそうにない。
  
 かなりの数,お蔵入りかなぁ。

(2024/08/31  トラフムシヒキ,キンケハラナガツチバチ)


走るシギBEST3

2024年09月13日 | 宮城県_亘理/山元

 DNAに「走る」が組み込まれていて,とにかく走るシギBEST3を,カウントダウンしてみる。
 このBEST3は,私の独断と偏見。

 この日は,たまたま,この3種全てと出会っていて,3種とも,良い走りを見せてくれていた。
 
 BEST 3 は,ソリハシシギ。
 
 姿勢を低くし,幾分上に反ったくちばしで風を切って走る。
 
 
 オレンジ色がかった黄色い足が、大股でチャカチャカ動く。
 
 
 干潟の中を走る,チョロQのようだ。
 
 
 BEST 2 は,シロチドリ。
 
 地元宮城県内でも繁殖している数少ないチドリ。
 
 
 大きく足を広げて,飛ぶように,砂浜を走る。
 
 
 というか,空中に浮いているし。
 
 
 BEST は,ミユビシギ。
 
 このシギは,とにかく走る。
 
 
 今回は,その片鱗。
 
 
 本来の走りは,寄せては返す,波打ち際で,見せてくれる。
 
 
 波と追いかけっこするために,生まれてきたような子たち。
 
 
 この日は,残念ながら,波との追いかけっこはなかったが,どうしても,走ってしまう。
 
 
 鳥は,飛ぶために,体を進化させてきたが,この子たちは,砂浜を走るため,
 
 
 『ミユビ』になって,走りに特化し,木の枝を掴むことを捨てた。
 
(2024/08/31  ソリハシシギ,シロチドリ,ミユビシギ)

まんまるシギと通じ合う

2024年09月11日 | 宮城県_亘理/山元

 私のプロフィール写真に使わせてもらっているミユビシギ。

 正面から見ると,丸っこくて,めんこ。

 この日,この浜には,15羽程度の群れが入っていた。

 渡りの時期であるのと同時に,換羽の時期でもあるので,夏羽に近い子から冬羽に近い子まで,色合いは,さまざま。

 成鳥に混じって,今年生まれの幼鳥もいた。

 正面顔を撮るには,それなりに,鳥たちと仲良くなって,存在を認めてもらう必要がある。

 隠れて撮ったのではなく,身をさらして,この子たちと,ある程度,気持ちを通じ合わせて,撮ったもの。

 そういう意味でも,うれしい写真たち。

 至福の時間だった。

 アプローチさえまちがわなければ,シギたちと,共通の空間を持つこともできる。

(2024/08/31   ミユビシギ)

 


なが~いくちばし

2024年09月09日 | 宮城県_亘理/山元

 なが~いくちばし。

 子ども時代は,もっとくちばしが短いが,成鳥になると,こ~んなに長くなる。

 久しぶりに,出会った大型シギ。

 偶然通りかかったオバシギと比較すると,こんなに大きい。

 このようにくちばしが長いシギは,ダイシャクシギとホウロクシギの2種がいる。



 この2種は似通っていて,毎回,識別するのが楽しい。

 ダイシャクシギは,チュウシャクシギより,くちばしが長くって,大きいから『ダイシャクシギ』。
 ホウロクシギは,焙烙(ほうろく/素焼きの土鍋)のような色なので,『ホウロクシギ』。(と思う。)
 藩政時代後期までは,区別なく『ダイシャクシギ』と呼んでいたようなので,色で区別するために,似た色の『焙烙』を引っ張り出してきたのだと思う。(私見です。)

 私も,とっかかりは色で識別する。

 ぱっと見,体色に褐色味がある場合は,即,ホウロクシギで決まり。
 そして,お腹が,お尻の方まで白くなければ,それでダメ押し。

 だが,実際のフィールドでは,かなり白っぽく見えることもあり,また,ほかの識別ポイントを見ても悩ましく,飛んで,翼の裏や腰が見えるまで,不安なときがある。

 ダイシャクシギは,翼の裏が白いが,この個体は白くなかった。

 また,ダイシャクシギは,腰に白い部分があるが,この個体はなかった。

 これで,安心。

 ホウロクシギで良かった。

 また悩ませてね。

(2024/08/31  ホウロクシギ)


黄金色の実りに白い鷺

2024年09月05日 | 宮城県_亘理/山元

 青い田んぼの中の鷺をアップしたのが,たった2週間前。

 でも,8月末時点で,一部の田んぼは,すでに,こんなになっていた。

 油断している間に,季節が巡っていた。

 黄金色の田んぼに,ダイサギがいる風景。
 この上を風が吹き,実った稲がサワサワ揺れる。

 都会の若い人など,この風の匂い,嗅いだことのない人も,いるかもしれない。

 田んぼを吹く風には,米の香りがする。

 よく見ると,このダイサギ,イナゴ食っている。


 
 秋の田んぼにイナゴは付きもの。まさに,実りの秋の風景だった。
 イナゴの佃煮は,仙台でも,山形でも,普通に売っている。

 こちらには,2羽のサギが首を出していた。

 よく見ると,右側は,ダイサギじゃなさそう。

 一見,同じに見えるが,右側は,チュウサギだった。

 目の前の裸出部に婚姻色の黄色が残っていて,口角が目の下で切れている。
 頭やくちばしのプロポーションが,左側のダイサギとは異なっている。

 チュウサギは夏鳥なので,残念ながら,もう南に渡っていく時期。
 この子も,くちばしの黒が,冬バージョンの黄色に変わりつつあるようだ。

 宮城県では,田んぼの稲が実って,刈り取りする時期になると,ガンなどの冬鳥が渡ってきて,稲が刈り取られた田んぼを賑やかにしてくれるが,いなくなる鳥たちも多い。

 気付く人は少ないかもしれないが,ダイサギだって,まもなく,夏鳥の亜種チュウダイサギに替わり,冬鳥の亜種ダイサギになる。

(2024/08/31  ダイサギ,チュウサギ)

 


ラーメンのおかげ

2024年08月26日 | 宮城県_亘理/山元

 途中で,ゆっくりとラーメンを食べてから行った。

 にんにくスライスがたっぷり入った野菜炒めに,さらに,おろしにんにくをスプーン一杯追加。

 スプーン一杯の幸せ。

 ときに,食欲は,鳥見欲に勝つ。
 
 こんなことしているから,到着したとき,鳥の海は,すでに満水になっており,干潟がなくなっていた。
 
 仕方なく,浜の方に行くと,台風の影響なのか,珍しくも,ウミネコの群れが羽を休めていた。
 
 
 そこに,1羽のチュウシャクシギが,ひらりと飛来。
 
 超ラッキー。
 
 
 ラーメンを食べてきたおかげで,タイミングばっちりだ。
 
 チュウシャクシギが,ウミネコの群れに混ざっている,珍しい光景。
 
 
 このチュウシャクシギ,何度か,低空を旋回するように飛んでくれた。
 
 腰の白い三角。
 
 
 ピピピピピピピと,鳴きながら,飛ぶ。
 
 
 異名は,セブンホイッスラー(Seven Whistler)。
 
 世間的に,『ピ』は,7連続と決まっているらしい。
 
 
 飛ぶと,翼の模様が,とてもきれい。
 
 
 タカブ(鷹斑)のようだ。
 
 ぽつんと,一人,荒れた海を見ている姿。
 
 
 水色の空と,青い海と,白い波と,黒い飛翔シルエット。
 
 
 荒れているのは,台風7号の名残。
 
 
 同じ所にいたメダイチドリとシロチドリの写真も,貼っておこう。
 
 すぐそこにいたのに気づかず,飛ばしてしまったメダイチドリ。
 
 
 前後に飛ぶのは,シロチドリ。
 
 メダイチドリも,小さな鳥だが,シロチドリと並ぶと,こんなに大きかった。
 
 
 シロチドリは,渡りの個体群と地元の個体群の両方が,同じ所にいたかもしれない。
 
 この子は,たぶん,ここ生まれの子。
 
 
 波打ち際の方にいた子たち。
 
 
 相変わらず,走っていた。
 
 
 走る遺伝子が,どうしようもなく,走らせる。
 
 そして,佇んだ。
 
 
 海を見て,何を思う。
 
 この日は,台風7号のおかげか,砂浜が,掃きならされたように,きれいになっており,
 
 
 歩くと『きゅっ,きゅっ』と鳴る『鳴り砂』が復活していた。
 
 
(2024/08/17  チュウシャクシギ,メダイチドリ,シロチドリ)
 
 
 
 

夏,海と空と鳥と

2024年08月12日 | 宮城県_亘理/山元

 海も,空も,青かった。

 実際は,無茶苦茶暑いのだが,海や空の青がある景色は,清涼感を感じさせてくれる。
 
 夏の海を背景に佇むコアジサシ。
 
 
 空の青に,白い体が映える。
 
 
 こちらは,今年生まれの幼鳥。
 
 
 あどけなさが漂う。
 
 
 やっぱり,青い空に似合うのは,成鳥の白だ。
 
 
 このとき,この砂浜に,コアジサシは,この親子2羽だけだった。
 
 シロチドリは,10羽くらいいただろうか。
 
 
 シロチドリも,熱くなった砂浜が,似合う鳥。
 
 
 お立ち台にも,上がってくれた。
 
 
 砂浜が熱いときは,何かの上に乗っていることが多いように思う。
 
 砂浜にいる鳥たちは,ビーサン履けないから,砂の熱さが,直接,足に伝わってしまう。
 
 何かに驚いて,一旦飛んで,戻ってきたとき,青い空に,白い体が映えた。
 
 
 このとき,飛んだ個体は,7羽。
 

 夏の青い背景に,白い鳥を楽しむことができ,満足。
 
 この帰り道,チョウゲンボウが飛んでいた。
 
 
(2024/08/03  コアジサシ,シロチドリ,チョウゲンボウ)
 
 
 
 

花とみつばち

2024年08月08日 | 宮城県_亘理/山元

 このタイトル,どこかで聞いたことあるな。
 郷ひろみだったかな? どうでもいいけど

 今日の記事は,この頃,観察できた,花とミツバチの組み合わせ。
 
 7月下旬まで,山元町で開催されていたひまわり祭り。
 
 
 やや小さめのヒマワリが畑にびっしり。
 
 
 7.6haに280万本というから,すごい。
 

 もっかい言うけど,280万本!
 
 『咲』という字は,笑う,という意味もあるが,まさに,280万の花が笑っていた。
 
 
 つぼみもかわいい。
 
 
 横顔も。
 
 
 このヒマワリに,何か来ていないか,と見たら,探すまでもなく,ミツバチが,たくさん集まっていた。
 
 
 ミツバチがいない花がないほど。
 
 ヒマワリの花の黄色い花びらは舌状花。
 中の円盤状のところにある,つぶつぶ,ひとつひとつが,管状花(筒状花ともいう)。



 ミツバチは,このためにこういう色と模様になったのではないか,と思うくらい,ヒマワリの花に溶け込んでいた。
 
 管状花は,円盤の外側から咲き始め,おしべが先に出て,めしべが後から出てくる。

 くるりと丸まって,ハート型に見えるのが,めしべ。
 
 
 ヒマワリは,鮮やかに咲く舌状花で,ミツバチを引き寄せ,来たミツバチが,管状花の花粉や蜜を集めるために動き回ることで,ミツバチの体に花粉を付けて,受粉させている。
 
 
 ヒマワリの蜂蜜って,私自身は,あまり聞いたことがないが,市場にも出回っていて,とても美味しいようだ。
 
 
 このミツバチたち,天然のものか,養蜂家のものかわからないが,花蜜を持ち帰る巣には,ヒマワリの蜂蜜があるのだろう。
 
 このヒマワリ畑に隣接した公園にも,ミツバチがいた。
 
 このミツバチ,花蜜を吸うために口吻から舌を出していた。
 
 
 出した。
 
 
 ミツバチの舌を見たのは初めて。

 いや,正確に言うと,
撮影したら,写っていた。
 
 
 こうして吸った花の蜜は,お腹の『蜜のう』に入れて,巣に持ち帰り,巣にいるハチに,口移しで引き渡し,蜜を貯蔵する小部屋の中で,熟成・濃縮させ,蜂蜜を作る。
 
 せんだい農業園芸センターに隣接する大沼では,ハスが多数咲いていた。
 
 
 このハスは,震災前にはなかったので,震災の津波で土中に埋まった種が掘り起こされたもの,ということになっている。
 
 なんか,できすぎなんじゃないの? と思うのは,私だけかな

 どうでもいいけど
 
 つぼみが膨らんで,まんまるになった花。
 
 
 ちょっと開いた。
 
 
 すっかり開くと,お釈迦様や仏様が座る台座が現れる。 
 
 
 でも,ここにいたのは,お釈迦様でも,仏様でもなく,ミツバチ。
 
 
 そもそも,この台座(花拓)は,古代ハスの時代,受粉を手伝ってくれる古代昆虫(コガネムシなど)が落っこちないよう,平らな形になったらしい。
 
 なので,ハスにとって,ここにいてほしいのは,お釈迦様でも,仏様でもなく,虫。
 
 とはいえ,ハスにミツバチの組み合わせは,なんか,新鮮。
 
 
 吸蜜に来たのか,花粉集めに来たのか,それとも,両方か。
 
 
 足には,花粉団子ができていた。
 
 ところで,字が被る蓮華はともかく,本家本元,ハスの花の蜂蜜って,たぶん,売っていないだろうと思うが,どうなんだろう?

 盛期の伊豆沼くらいの花の量だったら,必要な量の花蜜が集められるかな?

 仏教界で珍重されそうだけど。
 
(2024/07/28 ミツバチ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ぺちゃんこになったわけ

2024年07月31日 | 宮城県_亘理/山元

 浜辺でシロチドリを見ていたら,急に,姿勢を低くした。

 その姿勢のまま,素早く,近くの窪みに移動し,

 平べったくなった。

 そして,砂に埋まるんじゃないかと思うくらいの勢いで,体をぐりぐり動かして,ぺちゃんこになった。

 え,ナニ? どした?

 と,思った直後,サーッ,と黒い影が,低空を,高速で横切っていった。

 ハヤブサの幼鳥だった。

 あぁ,命拾い。

 シロチドリと違って,私は,全然気づいていなかった。

 私がシギ・チドリだったら,とっくに食われ,この記事も,書けなかったところ。

 ちなみに,シギ・チドリには,ハヤブサが付きもの。
 渡りの時期,シギ・チドリの群れを観察していると,ハヤブサが突っ込んでくることが,とても多い。

 ハヤブサの出現は,猛禽好きには喜ばれるかもしれないが,この時期は,嫌われることが多いと思う。

 

 しかし,このハヤブサ幼の立場になってみると,一方的に嫌うこともできず。



 大きくなった子どもは,親に攻撃され,テリトリーから追い出されるので,食糧を求めて,ここまでたどり着いたのかもしれない。

 食われる方は,たまったものではないが,ハヤブサの子どもたちだって,生きるのに必死だ。

 いたのは2羽。

 兄弟かもしれないが,仲が良いとは言えなそう。

 そして,チョウゲンボウまで姿を現した。

 こちらも子どもかな。

 この周辺で生まれた子だと思う。

 鳥を狙う猛禽が,次々に現れ,シギ・チドリにとって,とっても恐ろしい場所だと思うが,ここは,渡りの中継地になっている。

 逆に言うと,シギ・チドリの渡りの中継地になっているから,猛禽が現れる。

 ここには,まだうまく飛べないコアジサシ幼鳥もいたが,危ないかも。



 シギチに引き寄せられた猛禽は,シギチだけを食べるわけではない。

(2024/07/27  シロチドリ ハヤブサ)


今は もう秋~ ♪

2024年07月30日 | 宮城県_亘理/山元

 シギ・チドリの秋は,早い。

 7月28日,午前中,山元町のひまわり祭りを見た後,昼食に,亘理町内にあるラーメン屋に行くことにしていたが,思ったより時間がかからなかったので,お昼まで,時間が空いてしまった。

 そこで,夢の世界で遊び始めた妻を,クーラーが効いた車内に残して,ちょこっとだけ,鳥の海を覗いてみた。

 そうしたら,もう,数種類のシギたちが来ていた。

 北の繁殖地で子育てを終えたシギチ成鳥たちが,南下を始めたようだ。

 世の中,まだ,『秋』というには早いのだが,シギチの世界では,今の時期の渡りでも,『春の渡り』に対して,『秋の渡り』と言っている。

 キアシシギは,前日も,7羽の群れを見ていたが,この日は,6羽を視認。

 私ひとりの目で,限られた時間に,ごく一部を探した結果だから,もっと,いたかもしれない。

 声は,にぎやかに,聞こえてきていた。

 キアシシギの成鳥は,この写真 (↑) のように,体下面が,細かいボーダー柄になっていて,ここんとこが,なかなか良い。

 トウネンは,シロチドリ幼鳥の水浴びを眺めていたら,側の草むらから,3羽出てきた。

 大きさの比較対照ができるシロチドリとのツーショット。

 シロチドリより,小さい。

 トウネンは,おとなでも,当年生まれの子どもようにちっぽけなので,トウネン。

 漢字でも『当年』と書く。

 じっとしていると,足下まで来るくらい慣れっこいシギなのだが,このときは,何かに驚いて,浜の方に飛んでしまった。

 まだ見足りなかったので,私も,浜の方に移動。

 いた,いた。

 飛んだ数と同じ3羽。

 膝をついて,小さくなった上で,警戒する様子を見ながら,じりじりと,時間をかけて,寄る。

 シギチは,こうして,至近距離で,呼吸する空気を一緒にできるから,たまらなく好き。

 車内に残してきた妻が気になりながらも,満足するまで,一緒にいさせてもらった。

 で,勘違いしていたことに気づいたのは,家に帰って,写真整理をしていたとき。

 何か違和感があったので,シロチドリが一緒に写っている写真を探して,念のため,大きさを比較してみたら,全然,小さくなかった。

 この子たち,トウネンではなく,ミユビシギだったんでないの。

 よく見ると,足の第1趾(4本ある指のうち後ろに1本ある指)はなくって,『三指』のようだし,顔の眉付近も,トウネンのような「白っぽさ」に乏しい。

 同じ3羽で,姿形も似ていて,ずるい。

 忍者のように,飛んで,変身したか?

 そういえば,この前日も,ここにミユビシギがいたんだったっけ。

 大きさが全然違うので,ミユビシギとトウネンを見間違えるなんて,考えられない。思い込みって恐ろしい。
 ジャイアント馬場と白木みのるを見間違えるようなもの。
 あぁ,恥ずかしい。

 時間が来て,ラーメン屋に向かう途中,イエローハウス前の干潟も,ちょこっとだけ覗いてみたら,こちらには,ソリハシシギが,入っていた。

 覗くとき,防波堤から首を突き出す形になってしまい,飛ばしてしまったが,運良く,翼後縁の白を撮影することができた。

 ソリハシシギが飛んだとき,押えておきたい,チャームポイント。

 降りたところに,もう1羽いたので,ソリハシシギは,計2羽。

 スキマ時間での短い鳥見だったが,ワクワクするような,『秋の渡り』の始まりを感じることができた。

 この後に行ったラーメン屋。
 看板は,レタッチして消したわけではなく,こういう看板。

 数年ぶりに行ったら,店が見違えるほど立派なっていてビックリ。

 ただ,店の看板に,店名が入っていないのは,以前と同じ。

 店名が表示されていないことで有名になってしまったので,いまさら入れられないよなぁ。

 煮干し出汁のラーメンは,超美味かった。

 唇と舌の触覚神経と,鼻の奥の嗅覚神経が至福状態。永遠にすすっていたかったが,残り少なくなって,すするスピードを落としても,あっという間に,なくなってしまった。

 鳥の海で鳥見するときは,このラーメン屋とセットにするっていう手もあるな。

(2024/07/28 キアシシギ,トウネン,ミユビシギ,ソリハシシギ)