鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

海獣たちのいるところ

2024年07月27日 | 航路

 以前にも同じタイトルを使ったような気がするが,ま,いっか。
 センダックの絵,大好きだし。敬意を込めて。

 今回の航路では,海獣,2種類。

 コビレゴンドウは,1家族3頭を観察。

 子どもが,親ふたりの間にはさまって,守られているように泳いでいた。

 「鯨とイルカのフィールドガイド」(東京大学出版会)によると,コビレゴンドウには,2つの地方型がある,という。

 ひとつは,マゴンドウと呼ばれ,房総以南に分布し,体が小さく背びれ後方の白斑が不明瞭な型。

 もうひとつは,タッパナガと呼ばれ,銚子から北海道沖に分布し,大型で背びれ後方の白斑の明瞭な型。

 大きさの比較はできないので,背びれ後方に着目すると,親2頭は,白斑が明瞭に出ていた。

 手前が,お母さんで,向こう側が,お父さんかな。

 この海域では,もう少し後の時期と思っていたので,嬉しい出会いだった。

 タッパナガとこれまで出会ってきたのは,8月の海鳥がほとんど出ない時期。

 ある年は,数限りないと思えるくらいいて,一部海域を,タッパナガが占有していたこともあった。

 家族ごとに,距離を置いて,ゆっくりと泳いでいたので,群れが海域を占める面積が広がっており,あのときは,ホント,すごかった。

 今回出会ったもう1種類の海獣は,カマイルカ。

 こちらは,元気にジャンプしながら泳いでいる群れを見たかったのだが,残念ながら,霧の向こうを,数頭が,おとなしく泳いでいるのを,1回,見ただった。

 カマイルカは,背びれの形が独特なので,識別に苦労することはない。

 まさに,鎌の形と色で,刃の部分まである。

 残念ながら,あともうちょっとのところで,顔は見えず。

 残念なときがあるからこそ,良いときの喜びが増す,というもの。

 今回は,喜びの貯金。

 貯金がたくさん貯まると,引き出すとき,何倍にもなって,爆発する。

(2024/07/12,15 コビレゴンドウ,カマイルカ)

 


絶滅危惧種II類で天然記念物

2024年07月26日 | 航路
 希少,とされている鳥。

 どちらかというと南方系の鳥のようだが,過去に撮影した写真を見ると,この航路でも,4月~6月の時期,何度か出会っている。
 
 
 全然頭になかったので,思い出すまで,少し時間がかかったが,海上に浮かんでいるときの斜め上を見ているような姿勢は,独特だ。
 
 
 この日,海には霧がかかっており,広い海の中ではちっぽけな鳥なので,「見る」ことを優先してしまい,まともに写真撮影ができなかった。
 
 いたのは,全部で20~30羽程度だったか。
 
(2024/07/15  カンムリウミスズメ)

謎の海洋生物

2024年07月25日 | 航路

 なんだろう,これは?

 往路では気づかなかったが,復路は凪だったので,10くらいは,目撃した。
 
 最初は,横たわって海面に浮いているマンボウかな,と思ったが,ひれが1枚ではなく,縦に2枚並んでいるので,違う。
 
 
 キタオットセイでもないし,イシイルカでも,カマイルカでもない。
 
 
 哺乳類ではなさそう。
 
 
 くねくねと,ゆっくりと泳いでいるようにも,見えたので,ひれのひとつが背びれ,もうひとつが尾びれかもしれない。
 
 こちらが背びれ。
 
 
 こちらが尾びれ。
 
 
 上の2枚の写真では,巨大な魚影がわずかに透けて見える。
 巨大な魚か?
 
 バラツキがあったが,大きなもので,2~3mくらいはあった。
 
 
 海面付近にいる大きな魚,ということは,「突きん棒漁」の対象の可能性がある。
 
 ということは,...,なんだ?
 
 マグロではないし,...,もしかすると,マカジキかメカジキ?

 この背びれの形は,メカジキの方か?
 
(2024/07/15  メカジキ)

マグロが飛ぶ

2024年07月24日 | 航路

 記憶が定かではないが,以前は,こんなに頻繁にマグロを見たことがないと思う。

 
 何マグロかはわからないが,今回は,往路でも,復路でも,多数のマグロが観察できた。
 
 
 最初は,水しぶきしか見えなかったので,イシイルカかな,とも思った。
 
 
 が,勢い余って空中に現わした姿は,マグロだった。
 
 
 水面下の魚の動きで,海面が細かく波だっていることを,「なぶら」というが,復路の凪の海面では,なぶらも多数観察できた。
 
 
 イカが激減している,という話しをよく聞くが,マグロの餌となるような魚は,たくさんいたようだ。
 
 マグロが多数観察できたのは,津軽海峡から下北半島にかけての沖合。
 
 
 このマグロが,大間漁港に水揚げされれば,大間のマグロになる。
 
 
 太平洋クロマグロの漁獲枠を拡大することが提案されているようだが,これだけ目にするところを見ると,本当に資源量が増えているかもしれない。
 
(2024/07/12,15  マグロ)
 
 
 
 
 
 

やかんポーズ再び

2024年07月02日 | 航路

 6月9日に掲載した記事で,キタオットセイの やかんポーズ,或いは,アイロンポーズを紹介したが,6/15-16の航路でも同じポーズを取っているオットセイを観察した。

 これが,今回観察した やかんポーズ。

 以前の記事の繰り返しになるが,右側に出ている首が注ぎ口。
 後ろ足の両ヒレで片方の前足のヒレを挟んで,取っ手の形を作っている。

 首を水面下に沈めると,アイロンになる。

 ポーズをほどくと,こう。

 後ろ足の2枚のヒレと,挟んでいた前足のヒレがよく見える。
 この子,このときは,海藻を体にかけて遊んでいたようだ。

 この子だけがこうしているわけではなかった。

 集団やかん。
 皆,やっていた。

 笑わずにはいられない。

 こっちに向かって,手を振っている奴もいるし。

 このヒトたちは,こういう格好をするのが,気持ち良いのかな。

 もちろん,こんな姿ばかりではなく,このときも元気に泳ぐ姿も見せてくれた。

 わぉ~,なんて叫んでいる感じ。

 お腹はこっち側。

 水面にキス。

 ちなみに,オットセイは,耳がある。

 というか,つかんで引っ張ってみたくなるような耳がある。

 おぉ~き~く,分けると,犬の仲間だし。

(2024/06/15-16  キタオットセイ)


ハシボソミズナギドリとハイイロミズナギドリ

2024年07月01日 | 航路

 八戸-苫小牧航路。

 初夏,夥しい数のハシボソミズナギドリが,この海上を北上する。

 個々の個体も,近くから観察できる機会が多くなる。

 細くって短めのくちばし。そして,でこっぱち。

 管鼻(かんび)も見えるくらいの近さ。

 陸からは,こんなふうに見ることができない鳥。

 航路に乗ったところで,出る・出ないは,運任せ。
 たから,近くまで寄ってくれるだけで,すごく嬉しくなる。

 美しい。

 足はきれいに格納されていて,紡錘形をこわすものなし。

 反対の,背中側。

 波とのコラボ。

 レタッチして,無理くり顔をアップすると,

 楽しそうに,笑っているようにも見える。

 ハシボソミズナギドリって,そんな顔つきなのだろうな。

 なお,この時期は,ハシボソミズナギドリにそっくりなハイイロミズナギドリも,同じ海域にいる。

 ハイイロミズナギドリは,ハシボソミズナギドリに比べると,くちばしが太くて,長く,おでこがなだらか,という微妙な違い。

 ハシブトガラスとハシボソガラスの識別もままならない私にとっては,ほんと,紛らわしい。

 自分でも不思議だが,ハシボソミズナギドリは,ハシボソミズナギドリとわかるが,ハイイロミズナギドリを,ハイイロミズナギドリと識別するのは,なんか,むずかしい。

 翼の裏の白っぽさや,軸斑の有無も,識別ポイントのようだが,正直,よくわからない。

 間違っていたら,ごめんなさい,だ。

(2024/06/15-16  ハシボソミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ)

 

 


クロアシアホウドリの翼は,このように折りたたんでいた。

2024年06月28日 | 航路

 3日前の記事に,コアホウドリとクロアシアホウドリは,今回,掲載しない,と書いたが,やっぱり掲載することとする。

 ごめんなさい。
 嘘つきました。

 以前,クロアシアホウドリを載せたとき,どのようにこの長い翼を折りたたんでいるのか不思議,というような嬉しいコメントをいただいたので,今回撮影にした写真から選んで,それがよくわかるものを残しておくこととする。

 以下,連続写真。

 海に浮かんでいるクロアシアホウドリ。

 船が近づいていくと,翼をふわっと持ち上げた。

 ほどける翼。

 もっとほどけてきた。

 そうかぁ,長い翼は,こんなふうに仕舞われていたんだ。

 ここから,ほどけた翼を伸ばしていく。

 もっと。

 重いし,翼が長すぎるので,飛び立つのが大変。

 翼を伸ばすと同時に,助走を始める。

 がんばって,水上を走る。

 少し浮いてきた。

 空中に浮かんだ。

 最後の一蹴り。

 飛んだ。

 後は,風をつかまえる。

 

(2024/06/15  クロアシアホウドリ)


広い海で同じ個体に出会う

2024年06月25日 | 航路

 先月に続き,今月も船に乗った。

 先月分の記事の中で,6〜7月は,毎日,海上濃霧警報が出るので,賭けみたいなものだ,と書いたが,そのとおり。
 
 往路は,出航後1時間もせずに,濃い霧が薄くなり,何とか鳥見できたが,復路は,逆に,出航後1時間超から濃い霧が出て,以降,夕方まで何も見えず。
 
 
 今の時期の航路鳥見では,よくあることなので,少しでも鳥見できたことを,幸運と思わなければいけない。
 
 
 クロアシアホウドリとコアホウドリは,条件が悪く,先月のような写真が撮れなかったので,掲載を省略。
 
 希少なアホウドリのみ,記録として,ここに掲載しておくこととする。
 
 
 5月25日に出会った個体と比較してみたが,全体の色合いや,斑の出方が,同じに見える。
 
 
 この広い海でこんなことあるのかな,とは思うが,先月出会った個体と同一個体であるように見える。
 

 前回は右舷側,今回は左舷側で観察。
 観察した海域は,ほぼ同じ。
 
 苫小牧に近い海域では,複数のオオドウゾクカモメ,また,ハイイロウミツバメの小さな群れを見ることができた。
 
 こちらは,オオトウゾクカモメ。
 
 
 至近距離も飛んでくれたが,気づいたときには,後ろ姿。
 
 トウゾクカモメは,遠くを飛んだのみ。
 
 
 ハイイロウミツバメは,遠くって,小さくって,このときも薄い霧がかかっていて,超トリミングして,レタッチしてもこんな感じ。
 
 
 数羽ずつの群れになって,飛んでいた。
 
 また,おびただしい数の黒いミズナギドリの群れが,黒い粒々の帯になって,霧がかかる海上を,北上していくのも観察できた。
 
 
 霧の向こう側で,条件が悪かったが,なかなかの迫力だった。
 写真は全然だったけど。
 
 ハシボソミズナギドリは,個別に,アップも撮影できたので,整理が終わったら,別の記事に掲載して,記録を残しておきたい。
 
 さらに,先月見つけることができなかったフルマカモメも。
 
 
 フルマカモメは,白色型,暗色型,その中間型,とバラエティに富んだ羽色があるが,うち白色型には,しばらく出会っていない。白色型は,まれにしか見られず,たぶん,北の方に多い。
 
 ちなみに,アホウドリって名前もひどい名前だが,フルマカモメってのも,日本語にすると「臭いカモメ」。これもひどい名前の付け方。
 
 先月に比べると,オオミズナギドリは,北海道に近い海域でも多数観察できた。
 
 
 繁殖地は東北の島々にあり,北海道までは,あまり行かないイメージだったが,これも温暖化のせい ...?
 
 
 数年前から,以前,ほぼ獲れなかったブリが,北海道でも揚がり始めているし,鳥の動きも変わってきている可能性はある。
 
 なお,濃い霧の中だったので,撮影はできなかったが,カマイルカが,船が作る波に乗って,ジャンプしながら元気に泳ぐ姿も確認できた。
 
 カマイルカの季節も始まった。
 
(2024/06/15-16  アホウドリ,オオトウゾクカモメ,トウゾクカモメ,ハイイロウミツバメ,フルマカモメ)

もしかして越夏する?

2024年06月19日 | 航路

 念のため,いなくなったことを確認に行ったら,いた。
 しかも,2羽。 

 こちらは,夏羽になっている方の個体。
 
 
 もう1羽は,まだ,エリが赤くなっていなかった。
 
 
 夏羽に換わっている方の個体は,よく見ると,下くちばしの先っぽが欠けていた。
 
 
 5月3日も,下くちばしの先っぽが欠けている個体をここで撮影していた。
 
 下の2枚の写真のうち,上が,5月3日の個体で,下が,今回の個体。
 
 
 雰囲気が全然違って見えるが,下くちばしの先端が欠けている特徴は一緒。
 同じ個体である可能性が高い。
 
 一度この場を離れて戻ってきたら,冬羽のままの個体はどこかに行って見えなくなっていたが,下くちばしが欠けている夏羽の個体は,水上で羽繕いをしていた。
 
 
 羽が一枚,ピン,と出てしまった。
 
 
 んっ?
 
 
 この1枚の羽が愛おしい。
 
 
 夏羽は,頭の後ろに,ささやかな冠羽がある。
 
 
 前から見ると,ミッキーの帽子をかぶっているみたい。
 
 
 完全に目が合っていたな。
 
 羽ばたきは何度も見せてくれた。

 
 ご覧のとおり,ハジロカイツブリじゃなくっても,羽白。
 
 それにしても,今は,もう6月。
 
 
 もしかして,越夏しちゃうの?
 
(2024/06/02  アカエリカイツブリ)

ヨシゴイが飛んだ(その2)

2024年06月18日 | 航路
 ここには,バンに会いに来たのだが,ヨシゴイが,ばんばん,飛んでいた。
 
 せっかくなので,飛んでいるところを中心に,撮らせてもらった。
 
 
 ヨシゴイは,サギの仲間では一番小さく,コサギやゴイサギより,ずっと小さい。
 
 
 全長は35〜6㎝で,同じ沼にいたバンとほぼ同じだが,体重は110〜120gと,バンの340gの半分以下。
 
 
 ちっちゃくて,スマートな鳥だ。
 
 軽いので,餌の小魚を捕るときは,水上に突き出た植物の茎などに止まる。
 
 
 止まっていると,お腹側の淡いベージュが良く見えるが,飛ぶと,背中から翼上面にかけての濃いベージュ色と風切羽の黒のツートンカラーが,きれい。
 
 
 足の付け根が緑色。
 
 
 これまでは,ヨシゴイを楽しむために,ハスの花が咲く頃,新潟県の瓢湖に行くことが多かったが,ここも,2〜3年前から,ハスが咲くようになり,良い感じになってきた。
 
 
 ただ,この日は,ハスの葉がどこにも見当たらず,少し心配。
 
 葉っぱが出てくるのが,これから,ということなら良いのだけれど。
 
(2024/06/01  ヨシゴイ)
 
 
 
 

地元ミズナギドリ

2024年06月12日 | 航路

 今回の八戸-苫小牧航路の記事で随分引っ張ってしまった。
 これで最後にする。 

 さて,東北の太平洋沿岸では,無数とも言えるようなオオミズナギドリと出会うことができる。ただ,撮影ができるかどうかは別。

 写真ではよくわからないと思うが,これは,復路の青森県沖で出会った群れ。
 
 
 ハシボソミズナギドリやハイイロミズナギドリの群れかと期待したが,ジモティのミズナギドリだった。
 
 
 運良く,近くを大型船が通ったので,群れが飛び立つ光景も見ることができた。
 
 
 ひとつひとつの小さな「へ」とか,「V」とかが,ひとつの命。
 
 
 この直後,乗っていた船が飛ばした群れの一部が,こちらに飛んできた。
 
 ようやく,こちらを向いてくれた。
 
 
 背景の海面のマーブル模様が何とも言えず,良いな。
 
 
 往復の航路で,オオミズナギドリを撮影できたのは,このときだけだった。
 
(2024/05/26  オオミズナギドリ)

こんなもんじゃない

2024年06月11日 | 航路

 八戸-苫小牧航路。

 今回は,ハシボソミズナギドリの大群,そして,ヒレアシシギの大群との出会いも期待していたが,残念だった。

 6〜7月は,濃霧になることが多いので,あえて5月にしたのだが,時期的に,どうだったのか?
 
 ハシボソミズナギドリは,ポツリ,ポツリ。
 
 
 復路で小さな群れと出会ったが,盛期はこんなもんじゃない。
 
 
 
 さみしいったらない。
 
 ハイイロミズナギドリも,いたにはいたが,盛期の光景には程遠かった。
 
 
 アカアシミズナギドリは,元々,大きな群れを見たことがない鳥。
 
 
 数自体は,これまでと同様か,それ以上いたが,どの個体も遠いか,角度が悪く,満足に撮影できず。
 
 
 ミズナギドリに関しては,欲求不満が溜まる一方。
 
 フルマカモメの姿もなかったし。
 
 アカエリヒレアシシギも,ハイイロヒレアシシギも,大きな群れは,観察できず。
 
 
 ちっぽけな鳥なので,数がいないと見栄えがしない。
 
 
 私の思い違いでなければ,この時期は,千羽を超える規模の群れになっていても,おかしくないはず。
 
 
 いることはいたので,天候と風,波の予報を見ながら,機会があれば,リベンジしたいのだが,予定が結構詰まってきたので,厳しいなぁ。
 
(2024/05/25-26  ハシボソミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ,アカアシミズナギドリ,ハイイロヒレアシシギ,アカエリヒレアシシギ)

トウゾクたち

2024年06月10日 | 航路

 八戸-苫小牧航路。

 オオトウゾクカモメは,個体数こそ多くないが,この航路でも,仙台-苫小牧航路でも,常連。
 
 
 好奇心で近寄ってくる感じで,至近距離を並走することもあるが,今回は,3回出ても,近くまで寄ってくる個体はなかった。
 
 
 オオが付かないトウゾクカモメは,1回しか見つけられなかった。
 
 
 こちらも,船に並走することがあるが,今回は,なし。
 
 
 ミツユビカモメの群れが見られる時期には,ミツユビカモメを襲って,魚を奪い取る光景がしばしば見られる。
 
 だから,盗賊カモメ。
 
 なのだが,今回は,何のパフォーマンスも,見せてくれなかった。
 
(2024/05/25-26  オオトウゾクカモメ,トウゾクカモメ)

海獣たちのいるところ

2024年06月09日 | 航路

 仙台港発でも,八戸港発でも,苫小牧行きの船に乗れば,海鳥だけではなく,海獣にも会える。

 キタオットセイとイシイルカはお馴染みさんで,今回も,複数回,出てくれた。
 
 キタオットセイは,海上に足ヒレを出して,日なたぼっこ風にくつろいでいることが多いが,今回は,群れでジャンプしながら移動している場面も,多く見られた。
 
 
 ここは,水族館のプールではなく,北太平洋。
 
 
 カッコ良いなぁ。
 
 
 北の繁殖地への移動中なのだろうか。
 
 
 次の写真は,遊んでいるところだったかな。
 
 
 うねる海面を,群れで波乗り。
 
 
 外洋に出ないと,見ることができない光景だ。
 
 
 体を流線型にして進む。
 
 
 オットセイは好奇心が強いのだろうか。
 こちらが観察しているだけではなく,向こうからも観察されている。
 
 
 人間ウォッチングされている。
 
 
 こちらは,人魚姫ポーズを取っている子。
 
 
 こちらは,やかんポーズ。
 
 
 首が注ぎ口。
 前ヒレ(前足)の片方を,両方の後ろヒレ(後ろ足)で挟んで,取っ手を作っている。
 
 わかりにくいと思うので,顔が見えるバージョン。
 
 
 顔を隠すと,アイロンにもなる。
 
 
 一体,何をしていたんだろう。
 
 次,イシイルカ。
 
 イシイルカは,高速で泳ぐときに立てるイチョウ型の飛沫でその存在がわかる。
 
 
 カマイルカのようなジャンプをしないので,全身を見るのはむずかしいが,ときに背中の一部を見ることができ,この撮影がなかなか楽しい。
 
 
 イシイルカは,白黒模様のイルカで,お腹側が白くなっている。
 
 
 お腹側の白い部分が小さいのがイシイルカ型,大きいのがリクゼンイルカ型,と言われており,たぶん,この海域には両方いると思うのだが,上から見ているだけでは,わからない。
 
 
 突きん棒漁は,漁師が船の先端に立って,長いモリで,表層にいる大きな魚を一突きにして仕留める漁のこと。カジキなどが対象になっているが,イシイルカもその漁の対象となっている。
 そのため,漁業資源として,調査の対象となっており,型ごとの頭数なども把握されている。
 
 
 背中を見せながら,ゆっくり泳いでくれることもある。
 
 
 今回は,キタオットセイとイシイルカを掲載したが,航路では,海鳥以外にも,さまざまな生き物に出会うことができる。
 
 6月中旬〜7月は,カマイルカの群れ。これはかなり見れる確率が高いと思う。
 8月は,鳥は全然ダメだが,下北半島沖で,タッパナガ (コビレゴンドウ) の大きな群れが期待できる。
 季節は覚えていないが,くちばしのあるクジラ (ツチクジラ?) や,ゆっくりと背中を見せるミンククジラの群れと会ったこともある。
 
 魚も,夏になると,マンボウが横になって浮いてるのをよく目にする。
 トビウオが船に並走して,前ビレを広げて飛ぶ姿も見ることができる。
 秋,マグロの大群が,ジャンプしながら,北上する光景も見たことがある。
 
 ただ,見るためには,船室に入らず,ずっと,デッキに出ずっぱりでいる必要がある。
 
 そうすると,カメラ・レンズ・三脚などの機材も,着ている物も,波飛沫で,海水まみれ,塩まみれになるし,天候や風,波に対する対策も必要になる。八戸-苫小牧航路(川崎汽船/シルバーフェリー)より,仙台-苫小牧航路(太平洋フェリー)の方が船が大きいので,影響を受けにくいが,それでも対策は必要。
 

 また,せっかく船に乗っても,6~7月は,ほぼ毎日,海上濃霧警報が出ており,濃霧が出たときは,出港から入港まで,全く何も見えないことを覚悟しなくてはいけない。しかも,海上予報・海上警報は,直前にしか出ないので,予定を立てにくい,忌避しにくい,ということもある。
 賭けみたいなものだ。
 
 あ,そう,そう,船酔いする人もいた。
 八戸航路の船(シルバーフェリー)は,仙台航路の船(太平洋フェリー)より小さいので,荒天のときは,文字どおり,立っているのが大変なくらい揺れる。
 

 そのせいか,同じ船に鳥見人と乗り合わせたことは,ほとんどない。

 賢明な人は,海鳥に手を出さないだろうなぁ。
 
 (2024/05/25-26  イシイルカ,キタオットセイ)

太くって立派な

2024年06月08日 | 航路

 八戸-苫小牧航路。

 クロアシアホウドリやコアホウドリに夢中になっていて,見逃すところだったが,ほど近い海面に,アホウドリが浮いていて,飛び立つところだった。
 
 
 ずっと,クロアシアホウドリとコアホウドリを見ていた目で見ると,くちばしがすごく太くて立派に見えた。
 
 3種のアホウドリの顔を比べると,こんな感じ。
 
 
 かなりトリミングしたので,見づらい画像になったが,顔つきの違いはわかるだろう。
 
 やっぱり,アホウドリのくちばしは太くて,立派。
 そのせいで,顔つきが全然違う。
 
 
 アホウドリは,1949年に絶滅宣言が出された鳥だが,山科鳥類研究所のホームページ情報によると,2021年2〜3月の時点で,鳥島(とりしま)での個体数が,概ね6,500羽を超えるまでに回復した,という。
 
 とはいっても,主な繁殖地が,火山島である鳥島だけであり,絶滅が危惧されている状況に変わりない。
 
 尖閣諸島でも繁殖しているようだが,調査できる状況にないので,繁殖状況は不明。
 
 この写真にいるこの鳥は,そんな鳥。
 
 
 なお,山科鳥類研究所やバードリサーチのネット上の記事を見ると,近年の研究により,尖閣のアホウドリは,別種であることがわかったらしい。
 
 これまで,北半球のアホウドリは,コアホウドリ,クロアシアホウドリ,アホウドリの3種とされていたが,(仮)センカクアホウドリが加わると,4種となる。
 
 ちなみに,(仮)センカクアホウドリは,くちばしが細くて長いようなので,今回出会ったアホウドリは,鳥島タイプのアホウドリで良いと思う。
 
 
 これまでに私が出会ったアホウドリは,幼鳥が多かったが,今回の個体は,白っぽい部分が出てきており,もう少し成長した個体。
 
 「海鳥ハンドブック」(文一総合出版/箕輪義隆著)に,この個体とそっくりな個体のイラストが掲載されており,「亜成鳥」と記載されていた。
 亜成鳥とは,幼鳥ではないが,成鳥でもない,という成長段階の鳥のことらしい。
 
 
 翼上面にも,白い部分が出てきている。
 
 今回の航路鳥見で出会ったアホウドリは,この1羽だけ。
 
 アホウドリは,全体が白くなる成鳥の姿になるまで,8〜10年かかるらしい。
 成鳥には,いまだ,出会ったことはない。
 
 いつか出会いたいような,でも,出会いたくもない気持ち。
 楽しみがなくなってしまうしなぁ。

 夢は夢のままで,そのままでも良いかな。
 
(2024/05/25  アホウドリ)