鳴瀬川右岸の土手道を,河口の方に向け車を走らせると,右手の田んぼにコハクチョウの群れが入っている。
ヨシガモは,宝石のように美しい鳥だと思う。
赤紫と緑に輝く頭の構造色に加え,それを邪魔しない黒いくちばし,そして,柔らかく湾曲した風切羽。そういう要素が集まって,このような美しい鳥になっている。
だから,光の当たり方が良ければ,一層輝いて見える。
そんな鳥が17羽,奥松島の小さな船着き場に入っていた。
奇しくも,東北出身,大谷翔平さんの背番号と同じ「17」。
「14」も,東北ゆかり,楽天ゴールデンイーグルスの則本の背番号。
数を数えてみよう。
翼鏡が目立つようになっているのは,渡りのときに仲間とはぐれないようにするため,とも言われ,だから,カモの種類によって,色などが異なる。
この画像では黒くも見えるが,ヨシガモオスの翼鏡は,深緑のようだ。
マルガモとは,マガモとカルガモのハーフ。交雑種。
種の名ではなく,ニックネームだ。
ハーフでも色んなタイプがあるが,この子は,わかりやすく両方の特徴を備えていた。
頭の光沢ある緑色,背中の感じ,少しカールしている尾羽などはマガモ似。
黒い過眼線などの顔の感じ,くちばしが黒くて先が黄色いところなどはカルガモ似。
正面から見た胸の茶色はマガモ譲り。
翼鏡が青く,黒い縁があるのは,マガモ・カルガモ共通だが,その外側を白で挟んでいるのはマガモの特徴。
こうして見ると,顔はカルガモだけれど,マガモの特徴の方が強く出ているかな。
マガモはここで繁殖はしていないと思うが,この日は,同じところにマガモもカルガモもいた。
カモやガンでは,ときどきこのようなハーフの子を見るが,他の鳥では,ない。
というのは,カモたちには,ほかの鳥にはない長いペニスがあるため,オスによる強制交尾が可能になっているから。
マルガモ,と通称名が付くほど,こういうカモが目撃されている,ということは,しばしばそういう行為が行われているかもしれない。
といっても,私はまだその光景を見たことがないのだが…。
そういえば,昨年の2月頃,田んぼで,聞いたことがないような猛々しい声が聞こえ,見ると,マガンの群れがいて,1羽のマガンを2羽のマガンが押さえ込んで,食っているように見えた。びっくりして,ホント,頭が真っ白になって,ドキドキしながら,シャッターを切った覚えがある。
あれがマガンの交尾だったのだろうか。
だとすると激しすぎ。メスが気の毒。
(追記)
アヒルはマガモを家禽化したもので,種としては,アヒル=マガモ,なので,この個体は,アヒルとカルガモの交雑という可能性も否定できない。
(2024/01/28 マガモ×カルガモ交雑)
この子は,私めがけて飛んできて,
目の前にザブンと着水した。
ほかのカモたちは,対岸側に集まっていたのに,わざわざこちらに...。
ここに来ているよ,と鳥先輩に教えていただいた子。
比較対照のため,以前に北海道東部で撮影したおとなのオスの画像を張っておく。
たまたま鳴瀬川河口に行ったのだが,目の前をカモたちが,何度も,行ったり,来たりしており,その飛翔姿がとても面白く。また,翼上面の模様がきれい。いたのはごく普通に見かけるカモばかりだったが,こんなに飛翔姿を楽しめるスポットはあまりなく,すごく楽しめた。
まずは一番たくさんいたヒドリガモ。
オスは翼上部の白(雨覆)が目立つ。これがヒドリガモの特徴&見どころと言っても良いくらい。
白の後ろの翼鏡は緑。
嬉しくて,楽しくて,何枚も,何枚も,同じような写真を撮影。
アメリカヒドリ(メス)との識別など,後で使うかもしれないので,メスの翼の画像も残しておこう。
次に多かったのはオカヨシガモ。
シックなカモでそのシックさが大好きなのだが,翼の模様もシック。
褐色と目立つ白い色がポイントとなっている。
オナガガモは,数が多いせいか,鳥好きの方々にもあまり興味を持たれていないような気がするが,とてもエレガントなカモだと思う。
飛んでいるときの翼も美しい。
次はおなじみのマガモ。
普通にきれい。
青い翼鏡が良い。
ちなみに,マガモを家禽化したのがアヒル。「カモ」として店頭販売されている肉は,たぶんアヒルの肉が多い。アイガモと呼ばれているものは,マガモとアヒルを交配したもの。ただし,全部,種としてはおんなじ。なんか面白い。何やってんだろ。
水上に浮かんでいるときに見間違えることはないが,飛んでいるときは,スズガモとキンクロハジロはとてもよく似ている。というか,翼帯のパターンは一緒。
さぁ,どっち?
...,正解は聞かないで。
最後はこれ。
カワアイサか,ウミアイサか。
さぁ,どっち?
(2024/01/13 ヒドリガモ,オカヨシガモ,オナガガモ,マガモ)