鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

来てくれていた

2024年02月09日 | 宮城県_石巻地域(奥松島)

 鳴瀬川右岸の土手道を,河口の方に向け車を走らせると,右手の田んぼにコハクチョウの群れが入っている。

 前に通ったときは,横目に見ながら素通りしていたが,この日はちょこっと寄ってみた。
 
 
 ここは,震災前から,毎年,コハクチョウが入るところで,いつも,くちばしの黄色部分が少ない家族が混じっていた。
 
 
 今回,寄ったのは,そういう家族,または,その子孫が継続して来てくれているかどうか,確かめたかったから。
 
 
 結果は掲載した画像のとおり。
 
 相変わらず,ここに来てくれていた。
 どの群れにも,一定割合でこんな子が混ざっている,ということかもしれないけど,継続して来てくれている,と思うことにする。
 まずは,ひと安心。
 
 5分程度の寄り道鳥見。
 
(2024/01/28  コハクチョウ)

海上の宝石14粒

2024年02月01日 | 宮城県_石巻地域(奥松島)

 ヨシガモは,宝石のように美しい鳥だと思う。



 赤紫と緑に輝く頭の構造色に加え,それを邪魔しない黒いくちばし,そして,柔らかく湾曲した風切羽。そういう要素が集まって,このような美しい鳥になっている。 
 
 
 天才中の天才がデザインしたかのよう。
 
 
 構造色は,色素の色ではなく,羽の微細な構造に光が当たって見える色。
 だから,光の当たり方が良ければ,一層輝いて見える。
 


 そんな鳥が17羽,奥松島の小さな船着き場に入っていた。
 奇しくも,東北出身,大谷翔平さんの背番号と同じ「17」。

 
 それも,17羽中14羽がオス,という豪華さ。
 「14」も,東北ゆかり,楽天ゴールデンイーグルスの則本の背番号。
 
 
 上の画像は,たぶん,17羽全部入っている。
 数を数えてみよう。

 実は,震災前は,この近くの水辺に毎年数羽入っていたのだが,震災後は,見かけることがなくなっていた。
 ここでは,もう会えないかもしれない,と,半分以上諦めていた。
 
 
 それが,思いがけず,こんな豪華な布陣。
 
 
 ブラボー。

 
 一度,何かに驚いて飛んだが,近くの水面にすぐ着水。
 
 
 ヨシガモは,助走なしで水面から直接飛び立てる,というが,飛び立った後の水飛沫の形を見れば,それがわかる。どうだろう。
 
 
 翼鏡は,頭と同じく構造色で,鏡のように光を反射するので「翼鏡」。
 


 翼鏡が目立つようになっているのは,渡りのときに仲間とはぐれないようにするため,とも言われ,だから,カモの種類によって,色などが異なる。
 

 この画像では黒くも見えるが,ヨシガモオスの翼鏡は,深緑のようだ。
 
 
 女の子も翼のパターンは同じだった。
 
 
 このときは,逆さになって餌を取りながら,水面上を行ったり来たりするだけだったが,見ていて飽きることはなかった。
 
 
 しかし,あんまり長時間になると,他の探鳥に差し支えるので,程よい時間で立ち去った。
 
 
 ところが,2時間程度経って,再びここに立ち寄ったら,きれいさっぱりいなくなっていた。
 
 もしかすると,この子たち,移動中に立ち寄っただけなのか。
 ちょっとどこかに出かけただけだったら良いのだけど。
 
 (追記)
 2022年11月,東京に行ったとき,東京駅から真っ直ぐ行って突き当たった皇居のお堀に,ヨシガモがオス・メス各1羽入っていた。スマホで動画撮影できるくらいの至近距離だった。
 今季はどうだったのだろう。
 
(2024/01/28  ヨシガモ)

マルガモめっけ!

2024年01月31日 | 宮城県_石巻地域(奥松島)

 マルガモとは,マガモとカルガモのハーフ。交雑種。
 種の名ではなく,ニックネームだ。

 ハーフでも色んなタイプがあるが,この子は,わかりやすく両方の特徴を備えていた。

 頭の光沢ある緑色,背中の感じ,少しカールしている尾羽などはマガモ似。
 黒い過眼線などの顔の感じ,くちばしが黒くて先が黄色いところなどはカルガモ似。

 正面から見た胸の茶色はマガモ譲り。

 翼鏡が青く,黒い縁があるのは,マガモ・カルガモ共通だが,その外側を白で挟んでいるのはマガモの特徴。

 こうして見ると,顔はカルガモだけれど,マガモの特徴の方が強く出ているかな。

 マガモはここで繁殖はしていないと思うが,この日は,同じところにマガモもカルガモもいた。

 カモやガンでは,ときどきこのようなハーフの子を見るが,他の鳥では,ない。

 というのは,カモたちには,ほかの鳥にはない長いペニスがあるため,オスによる強制交尾が可能になっているから。

 マルガモ,と通称名が付くほど,こういうカモが目撃されている,ということは,しばしばそういう行為が行われているかもしれない。
 といっても,私はまだその光景を見たことがないのだが…。

 そういえば,昨年の2月頃,田んぼで,聞いたことがないような猛々しい声が聞こえ,見ると,マガンの群れがいて,1羽のマガンを2羽のマガンが押さえ込んで,食っているように見えた。びっくりして,ホント,頭が真っ白になって,ドキドキしながら,シャッターを切った覚えがある。

 あれがマガンの交尾だったのだろうか。

 だとすると激しすぎ。メスが気の毒。

  (追記)
 アヒルはマガモを家禽化したもので,種としては,アヒル=マガモ,なので,この個体は,アヒルとカルガモの交雑という可能性も否定できない。

(2024/01/28 マガモ×カルガモ交雑)


迷子のアォーナちゃん

2024年01月18日 | 宮城県_石巻地域(奥松島)

 この子は,私めがけて飛んできて,

 目の前にザブンと着水した。

 ほかのカモたちは,対岸側に集まっていたのに,わざわざこちらに...。


 ここに来ているよ,と鳥先輩に教えていただいた子。
 
 
 普通,餌付け場以外,野生のカモは人を警戒して,近くに寄ることはないのだが,この子はまだ子どもなのだろう。警戒心なし。人間と同じく,鳥も,子どもは怖いもの知らずだ。
 
 成熟したオスとはずいぶん羽色が異なっているし,尾も短い。
 

 比較対照のため,以前に北海道東部で撮影したおとなのオスの画像を張っておく。

(2019/01/05 尾岱沼漁港 コオリガモ)
 
 おとなは色がすっきりきれいだし,尾が長く,今回来ている子とは全然違った。今いる子は,おとなと比べると,とてもあどけなく見える。
 渡りのとき,間違ってほかのカモたちに付いてきたのか,それとも,風で飛ばされて迷ったのか。

 来てしまったものは仕方ない。
 豊かな宮城の海で栄養のある魚をたくさん食べて,体力を付け,おとなになって,春には元気な姿で北の仲間たちと再会してほしい。
 
 がんばれ。
 
(2027/01/13 コオリガモ)

カモはここが面白い

2024年01月17日 | 宮城県_石巻地域(奥松島)

 たまたま鳴瀬川河口に行ったのだが,目の前をカモたちが,何度も,行ったり,来たりしており,その飛翔姿がとても面白く。また,翼上面の模様がきれい。いたのはごく普通に見かけるカモばかりだったが,こんなに飛翔姿を楽しめるスポットはあまりなく,すごく楽しめた。

 まずは一番たくさんいたヒドリガモ。

 オスは翼上部の白(雨覆)が目立つ。これがヒドリガモの特徴&見どころと言っても良いくらい。
 白の後ろの翼鏡は緑。

 嬉しくて,楽しくて,何枚も,何枚も,同じような写真を撮影。

 アメリカヒドリ(メス)との識別など,後で使うかもしれないので,メスの翼の画像も残しておこう。

 次に多かったのはオカヨシガモ。

 シックなカモでそのシックさが大好きなのだが,翼の模様もシック。
 褐色と目立つ白い色がポイントとなっている。

 オナガガモは,数が多いせいか,鳥好きの方々にもあまり興味を持たれていないような気がするが,とてもエレガントなカモだと思う。

 飛んでいるときの翼も美しい。

 次はおなじみのマガモ。

 普通にきれい。
 青い翼鏡が良い。

 ちなみに,マガモを家禽化したのがアヒル。「カモ」として店頭販売されている肉は,たぶんアヒルの肉が多い。アイガモと呼ばれているものは,マガモとアヒルを交配したもの。ただし,全部,種としてはおんなじ。なんか面白い。何やってんだろ。

 水上に浮かんでいるときに見間違えることはないが,飛んでいるときは,スズガモとキンクロハジロはとてもよく似ている。というか,翼帯のパターンは一緒。

 さぁ,どっち?
 ...,正解は聞かないで。

 最後はこれ。

 カワアイサか,ウミアイサか。
 さぁ,どっち?

(2024/01/13 ヒドリガモ,オカヨシガモ,オナガガモ,マガモ)