鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

青いゼフィルス

2024年06月30日 | 山形県_置賜地方
 ミドリシジミの仲間(ゼフィルス)は,夢のようにきれいなチョウだ。
 
 オスは,翅表に,カワセミやオオルリのような構造色を持っている。
 
 
 何度か,夕方の薄暗い林の中を飛ぶ光景を見たことがあるが,小さなチョウがキラキラ瞬いて見え,感動ものだった。
 
 今回出会ったのは,そんなゼフィルスたちの中でも,最も小さくて,最もブルーが強い種類。
 ブナ林に住む日本固有種だ。
 
 
 日が昇り切ったとは言え,まだ,朝の時間帯ではあった。
 
 複数の個体が,キラキラ光りながら,低いところを飛んでいたので,探してみたら,葉っぱに止まっている個体を発見。
 
 
 近くに座り込んで,翅を広げてくれるのを,じっと待つ。
 
 
 待つ。
 
 
 あ,少し開いた。
 
 
 もっと開いた。
 
 
 手が震える。
 
 
 さっきまで,夢にも思っていなかったゼフィルス翅表の撮影。
 
 さっきまで,ゼフィルスという言葉さえ知らなかった妻は,私の隣でスマホ撮影。
 
 
 後で知ったが,ゼフィルスの中でも,この種類のオスは,夕方に活動し,ブナの梢の高い所を飛ぶため,撮影が困難らしい。
 
 ホント幸運だったと思う。
 いろんな好条件が,偶然,重なっていたのだろう。
 
 前日,神社で出会ったアオダイショウが,この幸運を持ってきてくれたようにも思う。
 
 
 なお,オスの撮影に先立って,メスも撮影していたので,こちらも張っておく。
 
 
 この子は,なかなか翅を広げてくれなかったが,スマホでの近接撮影も許してくれた。
 
 
 上の写真は,スマホで撮影したもの。
 トリミングはない。
 
(2024/06/22  ◯◯ミドリシジミ)
 
※ 昆虫は,採集されてしまうので,ネット検索にかかりにくいよう,場所の詳細と種名の一部を伏せさせてもらった。ただ,この記事にたどり着かなくっても,昆虫愛好家の中では知れ渡っているフィールドとは思うが ... 。

幸運の前触れ?

2024年06月29日 | 山形県_置賜地方

   今回はヘビが出てきます。苦手な方はご注意を。

 妻の御朱印集めに付き合って,山形県置賜地方の神社に伺ったときのこと。

 境内でアオダイショウに出会った。

 久々の立派なアオダイショウ。

 子どもたちが小さな頃,1mを優に超えるアオダイショウを持たせ(良い子はマネしないでネ),記念写真を撮ったことがあるが,そのときに捕まえた個体と同じくらい大きかった。

 顔をアップするとこんな感じ。

 舌を出したところ。

 精悍な顔つき。
 なかなかのカッコ良い個体だった。

 舌をペロペロ出し入れするのは,空気中に漂っている匂いの粒子を舌にまとわりつかせ,口の中の嗅覚器官(ヤコブセン器官)で,匂いを感じ取るため。

 前から観察すると,口の先に,舌を出し入れする隙間が開いている。(舌の先っぽが見える。)

 舌から採取した匂いで,近くに人間のジジババがいるな,て,わかる。

 舌は,こ~んなに,長く伸びる。

 ジジババの匂いを堪能しているのか。
 良い匂いさせて,ごめんな。

 ところで,昔っから,アオダイショウは,家の守り神とも言われ,縁起の良い生き物とされている。

 そんな生き物と,神様が祀られている場所である神社で出会った。

 これから良いことが起きることの前触れかもしれない。

 境内には,アジサイも咲き始めていた。

 ときどき,こんなクルミの殻を目にするが,この中身を食べたのは誰なんだろう?

(2024/06/21  アオダイショウ)


ヒメシジミが乱舞

2024年06月27日 | 山形県_置賜地方

 環境省のレッドリストでは,準絶滅危惧(NT),秋田県版レッドリストでは,絶滅危惧Ⅰ類に指定されているが,今回観察できた山形県では,レッドデータの指定がない。
 たぶん,それなりに個体群が安定しているのだろう。

 翅裏がよくわかるオスの写真。

 ヒメシジミとミヤマシジミ,アサマシジミの3種は,互いによく似ているが,前翅(写真では上の翅)中央に5つ縦に並んだ黒斑の,一番下の黒斑が丸いのは,ヒメシジミだけ。
 ほかの2種は,楕円になっている。

 また,後翅(下の翅)の外縁側に並んでいる丸っこい黒斑に青い鱗粉が見えるのは,ミヤマシジミだけ,という。上のオスの個体では,見られない。

 しかし,今回撮影したメスの中には,青色鱗らしきものがある個体もあった。

 画像が粗くなるが,拡大してみる。

 ヒメシジミでも,このような個体がある,ということ。

 オスの翅表は,やや紫がかった青で,とてもきれい。

 そして,個体差がある。

 光の当たり加減が影響しているかもしれないが,青が濃く見える個体。

 青が薄く見える個体。

 翅表の外縁に着目すると,黒帯が太い個体。

 黒帯というより,黒斑が並ぶように見える個体もあった。

 これも,光の加減か?

 メスの翅面は,シックな黒褐色で,後翅にオレンジ色の斑が並んでいる。

 見方によっては,オトナ。

 メスの方も,色合いに個体差があるようで,オレンジがない個体もあった。

 ここまで,個々のチョウを見てきたが,全体を見ると,オス・メスが入り乱れ,重なるように,ひとつの花に止まったりして,なんか,すごく楽しそうだった。

 生命力溢れる光景,と言うと,固い表現になってしまうが,元気をもらえる光景には違いない。

 これを見ていると,映画の「アメリカン・グラフィティ」や「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」(第1作)に登場する若者たちのパーティーを連想。

 パーティーの仲間から離れ,片隅で,こんなことしているカップルもいたし。

 お尻とお尻がくっついて,おしり合い。

 ヒメシジミたちに遊んでもらっているとき,サシバが,背景の林にいたが,証拠写真は,後ろ向き。

 このときは,何か獲物を見つけたようで,林の中に飛び込んでいった。

 交尾しているヒメシジミの上では,サンショウクイが,珍しくも,木の天辺で鳴いていた。

(2024/06/22 ヒメシジミ,サシバ,サンショウクイ)

 

 


百合と白い蝶

2024年06月26日 | 山形県_置賜地方

 いつもお世話になっている妻に喜んでもらおうと,山形県飯豊町のゆり園に行ってきた。

 このことは,記事にするつもりがなかったが,昨日,NHKの全国版のニュースで紹介されていたので,私たちが行ったときの状況を,ここに掲載することとした。

 
 と言っても,私は,主にチョウ探しをしていたので,記事は,チョウがメインになってしまう。
 
 見つけることができたチョウは普通種のみ。
 
 
 久々に撮影するモンシロチョウ。
 
 
 清楚で,これまで思っていたより,すごく良かった。
 
 
 ひとつの花に複数が集まったり,
 
 
 繋がったままでいる仲良しカップルもいた。
 
 
 モンシロチョウに混ざって,スジグロシロチョウもいた。
 
 
 似ているチョウ同士を見分けるのも,楽しかった。
 
 これは,一緒に写っている写真。
 
 
 名前のとおり,翅に黒いスジがあるのが,スジグロシロチョウ。
 
 
 ないのが,モンシロチョウ。
 
 
 くるんと丸まったストローの口。
 メスは,前翅の付け根付近が,灰色を帯びている。
 
 モンキチョウも,メスは白いが,こちらは一見して全然違う。
 
 
 オスは黄色。
 
 
 後翅にはオレンジの斑点がある。
 
 ゆりにチョウは集まっていなかったが,ゆり以外にも,花がたくさんあったので,チョウの撮影も十分に楽しめた。
 
 
 手前の花の青紫とモンキチョウの黄色い翅と目の緑が美しい。
 背景もきれい。
 
 オレンジ色が鮮やかなヒョウモンチョウの仲間も,多数飛んでいたが,全然止まってくれず,思うように識別できなかった。
 
 わかったのは,ウラギンスジヒョウモン。
 
 
 そして,ウラギンヒョウモン。
 
 
 また,鳥で園内にいたのは,ヒヨドリくらい。
 
 
 手前に見えるのはアジサイだが,アジサイはまだ早かった。
 
 
 上の写真はアナベル。白い色が出てくると,見事になるだろう。
 
 下に張った花は,青い色が出ていたが,ほとんどがまだまだ。
 
 
 そうそう,ゆり園だったから,ゆりの光景も張っておこう。
 
 娘が白百合学園出身なので,まずは,白いゆり。
 
 
 
 
 白いゆりって言っても,いろんな種類があった。
 
 下の写真は,左の花にいるアリンコが良い。
 
 
 これは,ピンクか。
 
 
 赤系統。
 
 
 
 
 黄色いの。
 
 
 こんなのもあった。
 
 
 
 ゆり園と言っても,ゆりだけではなく,色んな種類の花があって,花にそれほど興味のなかった人間にとっても,見ていて,飽きなかった。
 
 
 ゆっくり回ってたどり着いたところに,休憩所があって,そこに,ゆり園名物「ゆりソフト」があった。
 
 ソフトクリーム自体,好んで食べる人ではないのだが,ものは試しで,妻に買ってもらい,食べてみた。
 
 
 カップの底にコーンフレーク,その上にバニラソフト,そして,その上に,甘く煮て,花の形に整えた百合根が乗っていた。
 
 とても美味しかったけど,こういうものは,それ以上に気分の問題。
 「あぁ,ゆり園に来たんだなぁ。」と実感させてくれる。
 
 
 帰りに売店を覗いたら,たぶんあるだろうと予想していた「ゆりうどん」もあって,ニンマリ。
 
 それは買わずに,おやつ用に「どぶろくケーキ」なるものを買ったら,お店の人が,「運転する人は食べないように。」,だって。
 
 
 あぁ,包装にも,そう書いてあった。
 
 私たちが行ったときは,少し早かったようので,今週末以降,見頃かも。
 
 
 ゆりまつりは,7月14日までだった。
 
 この後,ゆり園から車で10分くらいの「道の駅いいで」のレストランで,昼食にラーメンを食べた。

 
 残ったスープ用の白めしの付け合わせが嬉しい。
 別途頼んだものではなく,セットになっていたもの。
 
 
 山形県は,麺がどこも美味しいが,このレストランでは,麺5玉のデカ盛りがあったり,企画物メニューがあったり,と,かなりがんばっている印象。好感が持てた。
 
 
 そばや米沢牛も食べられる。
 
 (2024/06/22  モンシロチョウ,スジグロシロチョウ,モンキチョウ,ゆり,飯豊町,山形県)
 
 

美しくて獰猛

2024年05月06日 | 山形県_置賜地方

 斑猫。

 まだらねこ ... ,ではなく,はんみょう,と読む。


 タマムシとともに,日本で最も美しい昆虫,と言われているらしい。
 
 
 地味なハンミョウとは宮城県内でよく出会っていたが,このようなハンミョウ(※)との出会いは,今まで,あまりなかった。
 
 ※ 「ハンミョウ」という名だが,他のハンミョウと区別するため,ナミハンミョウということもある。
 
 しかし,昨年は,神社の境内で,たくさんいた個体と出会い,今年も,河原でたくさんの個体と出会うことができた。

 
 たまたまかもしれないが,前回も,今回も,出会ったのは,宮城県ではなく,山形県。
 北海道にはいないようだが,宮城県も少ないのだろうか?
 
 顔を見ると,まず,がっしりした大アゴが,目に入る。
 
 
 クロスしているのが,獰猛な感じで,かっこいい。
 
 この大アゴで,アリなどの小さな虫を捕らえて押さえ込み,大アゴの下にある口で,むしゃむしゃ食べる。
 
 和名に「猫」が付いているのも,英名が tiger beetle なのも,捕食者のイメージからなのだろう。
 
 大アゴのほとんどの部分が白いのがオスという。
 
 
 オスには,上翅肩部に白い斑があり,また,前脚跗節(一番前の脚の先っぽの節)に毛が密生している,という。
 
 撮影した中にメスがいないかと探してみたが,見つけられず。
 それっぽいのはこれだが,肝心の大アゴが写っていなかった。
 
 
 オス・メスの見分け方がわかったので,今度出会ったときは,メスを探して,もっとじっくりと観察&撮影したい。
 
 ナミハンミョウのほか,ニワハンミョウも別の所にいた。
 
 
 夏,蔵王に行くと,いつも地味なハンミョウとたくさん出会うが,あそこにいるのもこのハンミョウなのだろうか。・・・ではなく,もしかすると,ミヤマハンミョウ?
 今度行ったとき,確かめたい。
 
 こちらも大アゴががっしりしていて,獰猛な顔をしていた。
 
 
 この記事を書くために,ハンミョウのことを調べていて,わかったことがある。
 
 カワラハンミョウって,普通にいるものだと思っていたが,局地的にしか棲息しておらず,絶滅を心配されている昆虫だった。
 
 
 そんなこと知らず,普通の昆虫だと思って撮影していた。
 これは,2022年7月に宮城県内で撮影したもの。
 
 調べていると,ハンミョウは,幼虫時代を含めた捕食行動のことや幼虫釣りのこと,道案内のことなど,面白そうなことが色々あるようだ。
 鳥見をしていると,つい,足下をおろそかにしてしまうが,そこにも楽しそうなことがたくさんありそう。
 
(2024/04/28  ハンミョウ/ニワハンミョウ/カワラハンミョウ)