おならプープー族とハマグリと飛行機

冬の空気は密度が濃い。特に早朝は晴れていても重く感じるほどだ。
冷たい大気の中を、ゆっくりと白いバイクを押して歩く。
まるでタキシングする戦闘機のようだ。
いや、これは戦闘機だ。
これから非日常的なスピードを出し、トラックや乗用車では考えられないくらい
軽快にコーナーを駆け抜ける。
速度にあわせてバンクしアクセルを開けて走るのは、戦闘機がバンクをつけて
操縦桿を引き、大G旋回するのに似ている。
ただ、バイクは二次元的な動きしか出来ないのだが・・・。

イグニッションオンで跳ね上がり、デジタルメーターはゼロ補正が掛かる。
同時に燃料ポンプがうなり、インジェクションにガソリンが供給される。

クラッチを握り、セルボタンを押す。何事も無かったかのように、2週間ぶりに目覚める
我が愛機GSF1250F。
オートチョークが治まるのを待ち、クラッチを繋ぐ。すぐにグリップヒーターをオン。
サーマルレンズのシールドは、一切曇らない。吐いた息が、一瞬見えたかと思うと
すぐに消える。まるで雲の中を飛んでいるよう。
師走の国道はさほど混んでいない。
だからと言って、むやみに飛ばさない。ゆっくりと、タイヤと体を温める。
今日も良い旅になりそうだ・・・そう、旅人共同組合12月の定例ツーリングなのだ。


という事で、集合場所の和光のマックに集合したのは９人。
うち、お見送りは２人。次回はぜひ一緒に旅をしたいものだ。

首都高を抜け、湾岸線、東金道へ。
いつも思う、千葉は高速道路上で必ずおならプープー族に合う。
今日もいるいる。ディスニーランドがあるメルヘンな土地柄ゆえか、
メルヘンから抜け出せない”いい年こいたおっさん”たちが、やたらブンブンエンジンを空吹しして、
寒いのにお椀ヘルメットで、チープなほっそいタイヤの、芸術品としてはもとより工業製品としての
価値もゼロに近いようなバイクを、個性と言うにはあまりにも同じに見える改造を加え我が物顔で
高速道路をゆっくり走る。すごいな、千葉。そりゃ、千葉出身の人が恥ずかしいって言っちゃう位の
痛々しい集団だな。白バイ野郎な●おか君に処刑してもらえば良い。

ここで、神奈川方面隊と合流しバイクの総勢9台となる。
と言う事で、いさりび食堂。
恐山ではなくて九十九里だ。
焼きハマグリ定食なる物を食す。うま～い！
閣下とヒラヌマさんはTPOをわきまえた紳士なエロトークを展開。



んで、成田空港脇の博物館へ。
いつ来ても楽しい。飛行機って無条件で心がウキウキする。





帰りは首都高を仲間に引っ張ってもらい、帰宅。
ガレージでバイクを磨きながら思う。
白いカウルに蛍光灯が映り、ワックスで輝く姿はなまめかしくもある。
今日も楽しい旅をありがとう。
次はどこへ行こう・・・お前とならどこでも良いや。