ツーリングクラブ「走狼」の情報発進基地
BIKE ROOM!!!
「ガッピン・アブリルラビーン」vs「真っ黒スケスケ」的な、走狼ツーリングの巻き
2011年9月17日(土)
am3:30
目覚ましが鳴る。
一瞬、何で真っ暗なのに目覚ましがなるのか、理解できずに困る。
そうだ、走狼のツーリングだった・・・。
昨晩から降り始めた雨は、まだ降ったり止んだりを繰り返している。
装備を身に付け、バイクをガレージから出し、空を見上げる。
まだ明けていない空は、雲と星空が半々に見える。
そもそも、雨合羽が嫌いだ。
ここ何年か、着た記憶が無い。
いや、着てるのだろうけど、嫌な記憶はすぐに忘れるみたいだ。
我が愛機バンディット1250Fは、フルカウリングモデルのため、
雨天でも、走ってさえいれば“あまり”濡れないと雑誌のインプレッションに
書いてあった気がする。
だから、雨合羽は着ないで出発した。am4:20の事だ。
早朝の国道は、トラックばっかり。
走り出してすぐに雨が・・・。しかも土砂降りに近い。
でも、止まるのも面倒だし高速乗ってしまえば乾くだろうという言い訳を考える。
単にめんどくさいだけなのだが。
久喜から東北道へ。
まだ空は暗いが、連休の初日ということで混んでいる。
雨も、降ったり止んだり・・・いや、降ったり降ったり。
トイレ休憩でSAに入るが、あまりにも人がウジャウジャ居て気持ち悪いので、
さっさと済まして出発。まだ合羽は着ない。空は赤紫色に染まった雲が浮き始めている。
もうすぐ夜明けだ。
高速の流れを少しリードするくらいのスピードでだらーっと走る。
確かに体は濡れないけど、つま先と肩が濡れるな。
もっと伏せて乗ればよいのだろうけど、それでは疲れてしまう。
まだ先は長いし。体力温存だな。
那須高原SAにて朝食休憩を取る。
といってもam7:00前の為、食堂は未だ開いていない。
アメリカンドックとコーヒーで済ませる。
と、ここに来て土砂降りの雨。様子を見たが、この先の事を考え
雨合羽を着る。
am7:30に安達太良SAに滑り込む。
二輪車駐輪場には、見慣れたSRが。走狼の☆野だ。
彼も今着いたばかりらしく、ヘルメットを脱ぎながら談笑。
この先の天候を気にするが、二人して雨合羽を脱ぐ。
なんでも☆野はタンクバックを装着したのは10年ぶりらしい。
給油して、集合場所の国見SAを目指すのだが・・・
先頭をテロテロしたペースで走っていると、SRの強烈な単気筒サウンドを
轟かせながら迫ってくる☆野。何やらハンドサイン。
緊急事態らしいから、ハザードをつけて路肩に止まると・・・
☆野:「タンクバック落としちゃった」
さっきのSAであれほど盛り上がったタンクバックトークなのに、
早速落としたらしい。給油で外した時に、リアキャリアに乗っけて
そのまま走ったらしい。全く慣れない事はしちゃいけないね。
しょうがないから、松川PAにてネクスコに電話。
渋滞やら何やらで回収作業は30分後に始まるらしい。
コーヒーを飲んで、ゆっくりと待つ・・・
小一時間ほどで、荷物が届く。
↑高校時代の同級生同士だった事が発覚して、連絡先を交換する二人(嘘)
んで集合場所の国見SAにたどり着いたのはam9:30であった。
本日参加の走狼の人たち
・T:一途に9Rを乗り続ける男。というか、年に数回しかバイクに乗らないのか!トラクターには乗るのか!
・☆野:もはや何ccなのかは誰も解らないSRに乗る。エンスーとへそ曲りの、ややへそ曲り寄り。
・ウンバ:今回の旅の言いだしっぺの一人。GPZ900Rニンジャはどこも壊れないで走りきれるのか。
・ナベ:今回の旅の言いだしっぺの一人。なんだか良くわからん250ccっぽいオフ車での参加。男梅?
・イッチー:きっと本当のタフガイってのは彼の事を言うに違いない・・・多分、的なホンダの250ccの2ストオフ車(モタード仕様)で参加。
・W:倒産しない会社って良いね。え?バイクじゃなくて車なの?なエブリィで参加。
・ひで坊:矢沢永吉のモノマネをするあまり売れていない芸人にやや似てきた33歳児。バンディット1250Fは雨天未走行だったのに(涙)
Wが未だ集合場所に現れない。☆野が落としたタンクバックが原因で発生した渋滞に巻き込まれたというのが、言い訳らしい。
でもあの渋滞は俺が安達太良SAに着く前に既に発生していたけど・・・。当然ながら、高速道路上の表示は「荷物の落下事故注意」である。
そうそう、今日の目的地は、岩手県の海沿い、北山崎である。
という事で、長者原SAでWと合流して盛岡ICで降りる・・・雨がキツイ。
必殺無料チケットを持つ、Tとウンバとナベ。無料チケットはETCゲートじゃないから、すっげー渋滞なんだな。
盛岡といえば冷麺という事で、有名な焼肉店へ。
みんなして冷麺。しかし、蕎麦所でカツカレーを注文する男Tは、ビビンバを注文。しかもユッケビビンバ。
この時期ユッケは無いだろと思いつつも、やっぱりやってなくて、納豆ビビンバなる物を注文。
やっぱし福島県民は納豆大好きだかんない。
私も普通のビビンバを注文するのである。だって、暖まりたい年頃ですから。
食事を終え、店を出ると空はすっかり晴れ渡り・・・な訳も無く、相変わらず雨。
バイク組みは泣く泣く雨合羽を着る。
ここからは国道455号を使い海を目指す。
数年前のツーリングでは、晴天の下で最高のワインディングを堪能できたのだが、あいにくの雨。
何でか解らんがタイヤが滑るし、眠いし。すっかりやる気も無くなり、疲れて走りもグダグダに。
ところが、みんなしてグイグイいっちゃうんですよ。そんなにイッたら逝っちゃうよって位。
まあ、最後尾は軽自動車のWだから最悪は、交代してもらって・・・的な甘い考えがチラチラしつつ、
途中のコンビニで酒類を調達。
震災の被害が大きかった田野畑地区を通る頃には既に日が落ちかけ、薄暗い状況に。
仮復旧の海沿い道路を走り、元は家が立ち並んでいたであろう草原を抜ける。
灯りの消えたトンネルは、霧が立ち込めほとんど視界が利かない。
なのに何故かヘッドライトを消しながら走るナベ。黒っぽいバイクに灰色のパーカーが
雨に濡れて黒くなり、ニンジャみたいだ。いやGPZじゃないのに、ニンジャなのだ。
津波の恐ろしさと、雨の寒さと、ほんとにここに宿があるのかという不安とで、
「半べそ」から「全べそ」になりつつあるときに、宿に到着。時刻はpm6:00であった。
宿の主人が外に出て迎えてくれ、雨でどろどろぐっしょりで軽くスケスケな我々の
服を乾かすスペースまで用意してくれる。さらにブーツに入れる新聞紙をもらい、
まずは装備を脱ぐ・・・酸っぱいな、俺。
部屋に入るなり、パンツいっちょで風呂場へ。
北山崎白花しゃくなげ荘は、とてもアットホームな民宿である。よって、風呂場も
アットホームなのである。住宅用の浴槽が2つ並び、シャワーも3つくらい。
しかし、我先にと風呂場に突入するのは7人なのである。
結果、椅子に座れないウンバは地べたで体を洗い始め、決して大きくは無いというか、
一般家庭でも小ぶりと言われるであろう浴槽に、あえて密着して入る男達。
リアルお肌の触れ合い裸の付き合いなのである。
そんななか、レトロ感溢れ過ぎの謎のボックスに入るW。今日、唯一濡れずに
エアコンの効いた車で、快適な旅を満喫したW。
彼が入ったのは、サウナマシーン。お笑い芸人クールポコの臼を抑えてる方に
似た彼は、マシーンから出てくると、熊のぷーさんに出てくるピグレットになっていた。
さてさて、宴会の始まりである。
料理が、美味いのである。特に海鮮釜飯は、豪華な具材がたっぷりと入り、
出汁の効いた御飯がたまらんのだ。秋刀魚も美味かったな。
他にも美味いもんがいっぱい。量は多くないけど、質が高いから
おっさんになりつつある我々には、ちょうど良いのである。
いい感じに酔っ払った我々は、部屋に戻るなり先ほどのコンビニで調達した
酒を飲み始めるのである。
学生時代のバイククラブのOBで結成された走狼。それゆえ思い出話は
学生時代が多くなる。そんな中、本日不参加のAJとFのどうしようもない
話は、何度聞いても笑った。
みんなでゲラゲラ腹を抱えて笑っていたが、そのときウンバが言い放ったのである。
ウンバ:「真っ黒スケスケ出ておいで!」
驚愕である。
どうやら彼の息子(股間の事ではない。2歳児)が、となりのトトロに出てくる「真っ黒クロスケ」が
大好きなのだが、なかなか正式名称が言えず、いつも「真っ黒スケスケ」になるそうだ。
これは奇跡的な発言である。真っ黒スケスケ。一気にテンションが上がる我々。
真っ黒スケスケを連呼しながら、夜は更けていくのである・・・ピグモン超コワ。
↑一番グデグデになっている人は、一番楽なマイカーで参加した人だったりする
2011年9月18日(日)
昨晩は、真っ黒スケスケで盛り上がりつつも、雨音を聞いてはゲンナリしていたのだが、
今朝は曇り空。北山崎の展望デッキへ行き、海を見ると明るくなりつつある空。
美しいリアス式海岸にはじける飛沫。津波は恐ろしいが、宿の主人は海の美しさを
語ってくれた。っと、誰が言い出したのか350段の階段を下って、第二展望デッキへ行くことに。
正直しんどい。350段ってのは嘘だ。3500段はあるだろう。しかも登ったり下ったり。
景色は絶景だが、太股は限界であり、プルプルしてくるぞ。
↑普通に撮影された“奇跡”と言っても過言ではない一枚
↑通常であればこちらの写真のようになる
出発の準備を終え、宿を出たのはam9:00を回っていた。天候は回復。晴れ間も出てきた。
給油を行い、国道45号を南下。基礎だけ残して跡形も無く家が流されていたり、
瓦礫がうず高く集められたのを横目で確認する。津波の前では、どうしようも無いのだろうか。
我々にできる事は、なんだろう。とりあえず今できる事は・・・旅を楽しもう。美味いものを食べて、
お土産を買って、ガソリンを入れて、被災地でもやってる民宿があるって事を宣伝しよう。
みんなでツーリングに行こう!っと、私なりに解釈する。
国道106号から340号283号を抜ける。途中道の駅で買い物休憩をするが、既に昼。
距離を稼ぎたいので、昼食はもう少し先にしようという事で、釜石自動車道から東北道へ。
前沢SAにて遅めの昼食を取り、ひたすら東北道を南下。
無料チケットの効果は絶大で、あちこちで渋滞が。
国見SAにて解散となるのだが、既に夕方で日が落ち始めている。
そこでナベが言い放った。
ナベ:「俺のバイク、ヘッドライト点かないから本宮まで連れてってよ」
ほほーぅ!昨日のニンジャ走行は、ドM的な意味ではなく、
単にライトが点かないだけだったのか。というか、渋滞のすり抜け必至な
この状況で、ヘッドライトが点かないのは致命的だな・・・。
という事で、私が前を走りつつ、ナベを挟んでイッチーと3人でひたすらすり抜け。
完全に日が落ちると、ナベはシルエットすら見えなくなり、完全に闇に隠れるのである。
ニンジャ走法恐るべし、っていうか轢かれちゃうよ。
バックミラーに目を凝らしても、なかなか見えず、時々シルエットに浮かぶ姿は、
黒い馬に乗ったニンジャである。甲賀か伊賀かどっちでも良いけど、いや待て、
あれは・・・真っ黒スケスケだ!
安達太良SAでイッチーと別れ、本宮ICで真っ黒スケスケと別れた後は、
一人旅である。相変わらずの渋滞に、疲れる割に距離を稼げず、
休憩の頻度が多くなる。コーヒー飲んだり、ソフトクリーム食べたりして、
pm10:00過ぎに無事帰宅。二日間の走行距離1400キロ。
やっぱり疲れた。
でも、楽しい仲間と楽しい時間を過ごすのは何事にも耐え難い幸せである。
震災で多くのバイク乗りも亡くなったり、大切なものを失ったりしただろう。
残った我々は、彼らの分も楽しくバイクライフを送りたい。
大変な時だからこそ、バイクを通じて貢献したい。いや、そんな大げさな事ではなく、
もっと単純に、人生を楽しみたい。その為のツールとしてバイクを選んだだけの事。
来年もまた行きたいと、帰宅して書斎でお茶をすすりながら、思うのである。
来年は真っ黒スケスケ級のネタを用意しなくては。
am3:30
目覚ましが鳴る。
一瞬、何で真っ暗なのに目覚ましがなるのか、理解できずに困る。
そうだ、走狼のツーリングだった・・・。
昨晩から降り始めた雨は、まだ降ったり止んだりを繰り返している。
装備を身に付け、バイクをガレージから出し、空を見上げる。
まだ明けていない空は、雲と星空が半々に見える。
そもそも、雨合羽が嫌いだ。
ここ何年か、着た記憶が無い。
いや、着てるのだろうけど、嫌な記憶はすぐに忘れるみたいだ。
我が愛機バンディット1250Fは、フルカウリングモデルのため、
雨天でも、走ってさえいれば“あまり”濡れないと雑誌のインプレッションに
書いてあった気がする。
だから、雨合羽は着ないで出発した。am4:20の事だ。
早朝の国道は、トラックばっかり。
走り出してすぐに雨が・・・。しかも土砂降りに近い。
でも、止まるのも面倒だし高速乗ってしまえば乾くだろうという言い訳を考える。
単にめんどくさいだけなのだが。
久喜から東北道へ。
まだ空は暗いが、連休の初日ということで混んでいる。
雨も、降ったり止んだり・・・いや、降ったり降ったり。
トイレ休憩でSAに入るが、あまりにも人がウジャウジャ居て気持ち悪いので、
さっさと済まして出発。まだ合羽は着ない。空は赤紫色に染まった雲が浮き始めている。
もうすぐ夜明けだ。
高速の流れを少しリードするくらいのスピードでだらーっと走る。
確かに体は濡れないけど、つま先と肩が濡れるな。
もっと伏せて乗ればよいのだろうけど、それでは疲れてしまう。
まだ先は長いし。体力温存だな。
那須高原SAにて朝食休憩を取る。
といってもam7:00前の為、食堂は未だ開いていない。
アメリカンドックとコーヒーで済ませる。
と、ここに来て土砂降りの雨。様子を見たが、この先の事を考え
雨合羽を着る。
am7:30に安達太良SAに滑り込む。
二輪車駐輪場には、見慣れたSRが。走狼の☆野だ。
彼も今着いたばかりらしく、ヘルメットを脱ぎながら談笑。
この先の天候を気にするが、二人して雨合羽を脱ぐ。
なんでも☆野はタンクバックを装着したのは10年ぶりらしい。
給油して、集合場所の国見SAを目指すのだが・・・
先頭をテロテロしたペースで走っていると、SRの強烈な単気筒サウンドを
轟かせながら迫ってくる☆野。何やらハンドサイン。
緊急事態らしいから、ハザードをつけて路肩に止まると・・・
☆野:「タンクバック落としちゃった」
さっきのSAであれほど盛り上がったタンクバックトークなのに、
早速落としたらしい。給油で外した時に、リアキャリアに乗っけて
そのまま走ったらしい。全く慣れない事はしちゃいけないね。
しょうがないから、松川PAにてネクスコに電話。
渋滞やら何やらで回収作業は30分後に始まるらしい。
コーヒーを飲んで、ゆっくりと待つ・・・
小一時間ほどで、荷物が届く。
↑高校時代の同級生同士だった事が発覚して、連絡先を交換する二人(嘘)
んで集合場所の国見SAにたどり着いたのはam9:30であった。
本日参加の走狼の人たち
・T:一途に9Rを乗り続ける男。というか、年に数回しかバイクに乗らないのか!トラクターには乗るのか!
・☆野:もはや何ccなのかは誰も解らないSRに乗る。エンスーとへそ曲りの、ややへそ曲り寄り。
・ウンバ:今回の旅の言いだしっぺの一人。GPZ900Rニンジャはどこも壊れないで走りきれるのか。
・ナベ:今回の旅の言いだしっぺの一人。なんだか良くわからん250ccっぽいオフ車での参加。男梅?
・イッチー:きっと本当のタフガイってのは彼の事を言うに違いない・・・多分、的なホンダの250ccの2ストオフ車(モタード仕様)で参加。
・W:倒産しない会社って良いね。え?バイクじゃなくて車なの?なエブリィで参加。
・ひで坊:矢沢永吉のモノマネをするあまり売れていない芸人にやや似てきた33歳児。バンディット1250Fは雨天未走行だったのに(涙)
Wが未だ集合場所に現れない。☆野が落としたタンクバックが原因で発生した渋滞に巻き込まれたというのが、言い訳らしい。
でもあの渋滞は俺が安達太良SAに着く前に既に発生していたけど・・・。当然ながら、高速道路上の表示は「荷物の落下事故注意」である。
そうそう、今日の目的地は、岩手県の海沿い、北山崎である。
という事で、長者原SAでWと合流して盛岡ICで降りる・・・雨がキツイ。
必殺無料チケットを持つ、Tとウンバとナベ。無料チケットはETCゲートじゃないから、すっげー渋滞なんだな。
盛岡といえば冷麺という事で、有名な焼肉店へ。
みんなして冷麺。しかし、蕎麦所でカツカレーを注文する男Tは、ビビンバを注文。しかもユッケビビンバ。
この時期ユッケは無いだろと思いつつも、やっぱりやってなくて、納豆ビビンバなる物を注文。
やっぱし福島県民は納豆大好きだかんない。
私も普通のビビンバを注文するのである。だって、暖まりたい年頃ですから。
食事を終え、店を出ると空はすっかり晴れ渡り・・・な訳も無く、相変わらず雨。
バイク組みは泣く泣く雨合羽を着る。
ここからは国道455号を使い海を目指す。
数年前のツーリングでは、晴天の下で最高のワインディングを堪能できたのだが、あいにくの雨。
何でか解らんがタイヤが滑るし、眠いし。すっかりやる気も無くなり、疲れて走りもグダグダに。
ところが、みんなしてグイグイいっちゃうんですよ。そんなにイッたら逝っちゃうよって位。
まあ、最後尾は軽自動車のWだから最悪は、交代してもらって・・・的な甘い考えがチラチラしつつ、
途中のコンビニで酒類を調達。
震災の被害が大きかった田野畑地区を通る頃には既に日が落ちかけ、薄暗い状況に。
仮復旧の海沿い道路を走り、元は家が立ち並んでいたであろう草原を抜ける。
灯りの消えたトンネルは、霧が立ち込めほとんど視界が利かない。
なのに何故かヘッドライトを消しながら走るナベ。黒っぽいバイクに灰色のパーカーが
雨に濡れて黒くなり、ニンジャみたいだ。いやGPZじゃないのに、ニンジャなのだ。
津波の恐ろしさと、雨の寒さと、ほんとにここに宿があるのかという不安とで、
「半べそ」から「全べそ」になりつつあるときに、宿に到着。時刻はpm6:00であった。
宿の主人が外に出て迎えてくれ、雨でどろどろぐっしょりで軽くスケスケな我々の
服を乾かすスペースまで用意してくれる。さらにブーツに入れる新聞紙をもらい、
まずは装備を脱ぐ・・・酸っぱいな、俺。
部屋に入るなり、パンツいっちょで風呂場へ。
北山崎白花しゃくなげ荘は、とてもアットホームな民宿である。よって、風呂場も
アットホームなのである。住宅用の浴槽が2つ並び、シャワーも3つくらい。
しかし、我先にと風呂場に突入するのは7人なのである。
結果、椅子に座れないウンバは地べたで体を洗い始め、決して大きくは無いというか、
一般家庭でも小ぶりと言われるであろう浴槽に、あえて密着して入る男達。
リアルお肌の触れ合い裸の付き合いなのである。
そんななか、レトロ感溢れ過ぎの謎のボックスに入るW。今日、唯一濡れずに
エアコンの効いた車で、快適な旅を満喫したW。
彼が入ったのは、サウナマシーン。お笑い芸人クールポコの臼を抑えてる方に
似た彼は、マシーンから出てくると、熊のぷーさんに出てくるピグレットになっていた。
さてさて、宴会の始まりである。
料理が、美味いのである。特に海鮮釜飯は、豪華な具材がたっぷりと入り、
出汁の効いた御飯がたまらんのだ。秋刀魚も美味かったな。
他にも美味いもんがいっぱい。量は多くないけど、質が高いから
おっさんになりつつある我々には、ちょうど良いのである。
いい感じに酔っ払った我々は、部屋に戻るなり先ほどのコンビニで調達した
酒を飲み始めるのである。
学生時代のバイククラブのOBで結成された走狼。それゆえ思い出話は
学生時代が多くなる。そんな中、本日不参加のAJとFのどうしようもない
話は、何度聞いても笑った。
みんなでゲラゲラ腹を抱えて笑っていたが、そのときウンバが言い放ったのである。
ウンバ:「真っ黒スケスケ出ておいで!」
驚愕である。
どうやら彼の息子(股間の事ではない。2歳児)が、となりのトトロに出てくる「真っ黒クロスケ」が
大好きなのだが、なかなか正式名称が言えず、いつも「真っ黒スケスケ」になるそうだ。
これは奇跡的な発言である。真っ黒スケスケ。一気にテンションが上がる我々。
真っ黒スケスケを連呼しながら、夜は更けていくのである・・・ピグモン超コワ。
↑一番グデグデになっている人は、一番楽なマイカーで参加した人だったりする
2011年9月18日(日)
昨晩は、真っ黒スケスケで盛り上がりつつも、雨音を聞いてはゲンナリしていたのだが、
今朝は曇り空。北山崎の展望デッキへ行き、海を見ると明るくなりつつある空。
美しいリアス式海岸にはじける飛沫。津波は恐ろしいが、宿の主人は海の美しさを
語ってくれた。っと、誰が言い出したのか350段の階段を下って、第二展望デッキへ行くことに。
正直しんどい。350段ってのは嘘だ。3500段はあるだろう。しかも登ったり下ったり。
景色は絶景だが、太股は限界であり、プルプルしてくるぞ。
↑普通に撮影された“奇跡”と言っても過言ではない一枚
↑通常であればこちらの写真のようになる
出発の準備を終え、宿を出たのはam9:00を回っていた。天候は回復。晴れ間も出てきた。
給油を行い、国道45号を南下。基礎だけ残して跡形も無く家が流されていたり、
瓦礫がうず高く集められたのを横目で確認する。津波の前では、どうしようも無いのだろうか。
我々にできる事は、なんだろう。とりあえず今できる事は・・・旅を楽しもう。美味いものを食べて、
お土産を買って、ガソリンを入れて、被災地でもやってる民宿があるって事を宣伝しよう。
みんなでツーリングに行こう!っと、私なりに解釈する。
国道106号から340号283号を抜ける。途中道の駅で買い物休憩をするが、既に昼。
距離を稼ぎたいので、昼食はもう少し先にしようという事で、釜石自動車道から東北道へ。
前沢SAにて遅めの昼食を取り、ひたすら東北道を南下。
無料チケットの効果は絶大で、あちこちで渋滞が。
国見SAにて解散となるのだが、既に夕方で日が落ち始めている。
そこでナベが言い放った。
ナベ:「俺のバイク、ヘッドライト点かないから本宮まで連れてってよ」
ほほーぅ!昨日のニンジャ走行は、ドM的な意味ではなく、
単にライトが点かないだけだったのか。というか、渋滞のすり抜け必至な
この状況で、ヘッドライトが点かないのは致命的だな・・・。
という事で、私が前を走りつつ、ナベを挟んでイッチーと3人でひたすらすり抜け。
完全に日が落ちると、ナベはシルエットすら見えなくなり、完全に闇に隠れるのである。
ニンジャ走法恐るべし、っていうか轢かれちゃうよ。
バックミラーに目を凝らしても、なかなか見えず、時々シルエットに浮かぶ姿は、
黒い馬に乗ったニンジャである。甲賀か伊賀かどっちでも良いけど、いや待て、
あれは・・・真っ黒スケスケだ!
安達太良SAでイッチーと別れ、本宮ICで真っ黒スケスケと別れた後は、
一人旅である。相変わらずの渋滞に、疲れる割に距離を稼げず、
休憩の頻度が多くなる。コーヒー飲んだり、ソフトクリーム食べたりして、
pm10:00過ぎに無事帰宅。二日間の走行距離1400キロ。
やっぱり疲れた。
でも、楽しい仲間と楽しい時間を過ごすのは何事にも耐え難い幸せである。
震災で多くのバイク乗りも亡くなったり、大切なものを失ったりしただろう。
残った我々は、彼らの分も楽しくバイクライフを送りたい。
大変な時だからこそ、バイクを通じて貢献したい。いや、そんな大げさな事ではなく、
もっと単純に、人生を楽しみたい。その為のツールとしてバイクを選んだだけの事。
来年もまた行きたいと、帰宅して書斎でお茶をすすりながら、思うのである。
来年は真っ黒スケスケ級のネタを用意しなくては。
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