夜はN響アワーを見ました。これも普段邪魔されずに見通す事が難しいのです。
演目はドボルザークのチェロ協奏曲ロ短調作品104。チェロは堤剛さん。指揮はネルロ・サンティさん。
私と子供の間で、ほとんど常人の域から脱してしまっている熟達者を「妖精」と言っています。
妖精化の基準として、容姿がとても重要なファクターであることは言うまでもありません。
指揮者のサンティさんはそのままでファンタジーに出演できそうに可愛いお爺ちゃんです。
堤さんは、桐朋学園大学の学長、日本のチェロ第一人者です。
容姿端麗の美男子ですが、好々爺然とした雰囲気もあります。しかし、その中にも鋭さが見え隠れし、忍たま乱太郎に出てきても不思議ではないですね。
鍋の蓋で刀を受けたり、手裏剣など投げそうです。睫毛がセクシーですね。
まあ、そんなくだらないことを考えながら見ていました。
好きな曲だったし、良い演奏だったので楽しい時間が過ごせました。生だったらどんなに良かったかと少し残念でも。
で、気づいたことですが、堤さんの左手の指先が変形していました。弦を長年押さえたためでしょう。指先は平らで第一関節までが爪を内側にしてかなり湾曲していました。60年の演奏活動の賜物ですね。
それから第2楽章で只1音、ピチカートが入ります。これは弓を持つ側の指で行うのかと思ったら、弦を押さえる側の指で弾いていました。漫然と見ていたのですが、その瞬間が目に飛び込んできて、びっくりしました。
CDでは分からない事が映像から分かりました。ピアニッシモの時も全力で引いているような姿が若々しかったですね。
聞き終わって、本当に嬉しくなりました。