秋の夕暮れ、秀緑広場の揺れる木から漏れ日が、
キラキラと木々の隙間をすり抜けて
ミラーボールのようにきらめく
私はまるで舞台のヒロインみたい
でも一人ぼっちのヒロイン
毎日私の周りに沢山の役者が現れ、そして演じる
何のストーリーかもわからないけど
なぜか一瞬虚しくなる
冬の菅生沼にはたくさんの白鳥
きっと君たちにも大切な故郷なんだね
春には八坂神社の桜が咲き誇り
周りが何となくうれしそう
故郷っていいね、心が癒えるから
もうヒロインじゃなくていいよ
誰かに寄り添いたいと思えるから
早春の朝、利根川の川風がそよぐ目吹橋のたもと
堤防の若草たちがサワサワと音を奏で
心地よい春風とのハーモニー
私はまるで音楽のコンダクターみたい
でも1人ぼっちのコンダクター
毎日懸命に腕を振ると雑音だけしか聞こえない
何を演奏しているかもわからないけど
なぜか一瞬淋しくなる
夏の逆井城はセミや小鳥のコーラス
きっとみんな歌声を披露しているんだね
静かな国王神社でうたた寝をすると
清んだ空気のなかで心が晴れる
故郷っていいね、心が癒えるから
もうコンダクターじゃなくていいよ
誰かに寄り添いたいと思えるから