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8.6 / Atomic Heart

2004年08月06日 17時58分45秒 | 想在
 八月六日。 この日は、私のお師匠 (のような人) の誕生日。

 いまから四十年ほどまえの、この日に、お生まれになった。

 八月六日。

 戦後、この日に、日本で生まれる、ということが背負うものは、いったいどのようなものなのだろう?

 お師匠は、あまりくわしくは語らないけれど、きっと、幼少時代には、苦悩することが多かったのではないだろうか、と、想像しているのだが。

 じぶんにとって、とくべつな日であるはずの 「今日」 が、もうひとつの重要な意味を持っている。



 じぶんの生まれた日を、無邪気によろこんではいけないのだろうか ... 。

 じぶんは、生まれてはいけない日に、生まれたのではないだろうか ... 。



 大人になったいまとなっては、仕方のないことさ、なんてことないさ、と、流せることでも、子どもごころには、ずしりと、重くのしかかる。

 たとえば、じぶんの姓がちょっと変わっていたり、とか、じぶんの父親の職業が人とはちがう、とか、やたら広い家に住んでいる、とか、転校生である、とか。

 ほんとうに、ちょっとした、人との差異、とくべつなこと、が、幼いこころには、ささえきれぬくらい ... 。



 一年に一度、Happy Birthday のかわりに、別の気持ちをいだいて、この、夏休みのまっただなかの日を迎えてきたであろう、お師匠。

 いったいどんな思いを重ねてきたのだろう?



 背負わされたものを、甘受するかのごとく、お師匠は、やがて、物書きになられた。



 お師匠、誕生日、おめでとうございます。





 そして、黙祷 ... 。







 trackback to:
 『Smiley Smile』 - 「八月六日」
 (あまり関連性がないかもしれない ... 。 しかし、感銘を受けたので、trackback)

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月読み

2004年08月05日 22時17分56秒 | 想在
 昨日の記事で、

 「子どものころにこわかったもの」 について書いたのだが。


   「疑心、暗鬼を生む / こぶ皿」


 私の友人 (というか彼) は、こわかったもの、というか、気になったもの、として、「月」 を挙げていた。

 月、といっても、満月。

 満月の模様が、泣いている女の人の顔に見える、という。

 泣いている女の人の顔。 それは、はじめて聞いた。

 うさぎが餅つきをしている姿、というのは、聞いたことがある。

 そして、世界各国で、「かに」 とか 「女性の横顔」 などというようにも言われているようだが。

 いろんな場所で、いろんな人が、月にさまざまな思いをいだいているのだろうか。

 私は、月を見ていると、かなしくなることがある。 じっと、見つめていると、ふいに涙があふれてきそうな ... 。 あの、月面に、吸い込まれたくなるような ... 。

 彼も、満月に、そんな気持ちに重ね合わせているのだろうか ... ?

 次の満月、八月三十日、果たして、「女の人が泣いている」 のか、しっかり、確認してみよう。



 # 満月の夜の犯罪、というのは、なにか関係があるのだろうか ?





 関連リンク:
 ・「月の模様」
 ・「世界の月の模様」
 ・「The Moon Age Calender」
  (マウスカーソルが、かわいい ! )



 BGM:
 ‘Moonlight Serenade’

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ふりむかない男

2004年08月05日 19時30分49秒 | about him
 朝、わたしが仕事に行くとき、夜、彼が仕事に行くとき、いろんなとき、わたしたちは、束の間のさよならをする。

 わたしは、彼の姿が見えなくなるまで、じっとじっと、見送ったり、何度も何度もふりかえって、手をふったりなんかする。

 彼は、というと、決して、ふりかえるまいとでもしているかのように、いや、ふりむいちゃいけない、とでも思っているかのように、肩をすくめて、風を切りながら、ずんずんと、歩み去っていく。

 わたしは、そんな後ろ姿を、せつなく、見送る。

 けれど、これでいいのだ。

 彼は、ふりむかない男なのだ。

 きっと、ふりむいてしまったら、いろんなことに足元をすくわれそうになって、身動きがとれなくなりそうなのが、こわいのじゃないかしら。

 彼は、わたしが、捨てられた仔犬のように、さみしそうな顔をする、と、言う。 その顔を見ると、出かけるのが、悪いような気がしてしまう、と。

 だから、これでいいのだ。

 彼は、ふりむかない、男。





 関連リンク:
 「女の子のモテ×萌えしぐさ 」
 ↑ これ、を 意識しているわけではないけれども ... 。
 (ほんとうに、これ、を すべて実施している女子が、いるのだろうか?!)





 BGM:
 Boston “Don't Look Back”

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疑心、暗鬼を生む / こぶ皿

2004年08月04日 19時08分45秒 | 想在
 小さなころ、なんでもないようなことが、異常にこわかったことがある。

 あらゆるものに、取り囲まれていて、いつも不安におびえていたような。

 いまでもよく憶えているのは、いちばん近所の友だちの家 ( ... いちばん近所といっても、一キロ近く離れている) に行く途中にある桑の木。

 木の 「ふし」 というか、「こぶ」 が、まるで、「目」 のように見えて、とてもこわくなった。

 夕方六時のサイレンが鳴り響くなか、薄暗い、人通りのない田舎道で、その 「目」 に捕らえられて、どうにかなってしまうのではないか、と思い、一散に自宅へと逃げ帰った。

 それ以来、夕刻には、その友だちの家に行かないようにした。

 つい、遊びに夢中になって、その友だちの家からの帰りが遅くなってしまったときは、泣きそうになりながら桑の木のわきを通り過ぎるか、遠回りをして帰った。



 いまでも、その名残か、夜の散歩中、ちょっとさみしい通りなんかで、傍の木の 「こぶ」 を見かけると、どきどきすることがある。

 その話を、私の友人 (というか彼) にしたら、

 「疑心暗鬼になってると、なにを見ても、こわいと思うもんなんだぜ」 と言われた。

 それでも、こわいものはこわい、と言い返したら、

 「よく見てみると、木のこぶって、いろんな表情があって、おもしろいぜ」 と。

 「その 『表情』 が、まさに 『目』 みたいなのだけど ... 」 と言おうとしたけれど、やめておいた。 どう考えても、じぶんの意見が、幼稚な、取るに足らないことに過ぎないように思えたから。

 彼は、しょうがないな、という感じで、見知らぬ家の、木塀を指差して、「あれさ」 と言った。 「ただの木目に見えるかもしれないけど、ぜんぶ、ちがう模様なんだぜ。 木のこぶもひとつひとつ、ぜんぶちがって、見てみるとほんとにおもしろいよ。 こぶの部分で作った 『皿』 とかもあって、すげえおもしろいんだぜ」



 あとで調べてみると。 こぶのお皿。 たしかにあるもよう。


   「木のうつわ すずき」 - 「お皿・盆」


 「木のこぶ」でできた製品は、木肌模様がひとつひとつまるで違います。カタログの写真でお伝えできるのはその雰囲気だけ…。写真の紋様は、世界にたったひとつのもの。そして、お届するものも、間違い無く世界にただひとつのものです。木目を生かした製品というのは、基本的にそういうもんなんですが、この、「こぶ」ってのは特にそれが際立っており、そこが、「こぶ」の魅力でもあるわけなんです。


 ... とのこと。 なるほど。

 そう考えれば、多少は ... 。 不思議な、神秘的な魅力を感じるまでには、まだ至っていないけれど。

 木のこぶ。 それは、木が、生きているという証し、なのだろうか。 人が、「まめ」 をつくったり、「たこ」 をつくったりするのと同じような ... ? じぶんの 「たこ」 やなんかは、にくい反面、いとおしくもなる。 じぶんが、たくさん、生きている、証しのような気がするから。



 関連リンク:
 『楽しい英単語の国』 - 「knock の k はダテじゃない!」



 BGM:
 Eddie Floyd ‘Knock on Wood’

コメント (12)
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おれと五匹と一匹

2004年08月03日 17時28分10秒 | 現実と虚構のあいだに
 「おれと五匹と一匹」


 おれの住むアパートの塀のそとに、まだ目も開いていないねこの赤ちゃんが、捨てられて、ぴゃーぴゃー泣いていた。

 しょうがねえな、と思い、とりあえず、部屋のなかに入れてやった。

 まだ生まれたばかりだった。 手のひらに乗るくらいちっちゃくて、抱き上げるとくずれそうなくらい、やわらかかった。 そして、あたたかった。

 おれは、そのねこの世話をすることにした。

 バニラ・アイスのカップに入れられていたから、「バニラ」 と名付けた。

 とにかく、目が開くまでがたいへんだった。 ミルクを飲ませてやったり、トイレの世話をしてやったり。

 後ろ足がなかなか立たなくて、ひょっとしたら、歩けないのかな、と思ったけれど、やがて、目が開くころには、しっかりと立てるようになった。 自由に歩けるようになってからは、やんちゃになりすぎて、こっちが翻弄されるくらいだった。 おれが家に帰ってくると、おれの大事なアナログ・レコードが散乱していたり、ギター・ケースに小便をされたり。 さすがに怒ってやろうと思ったけれど、情けなさそうな、ぴゃーという泣き声を聞くと、どうしても怒る気になれなかった。

 ある夜のこと、いっしょに寝ていると、バニラが、とつぜん おれの手のひらをちゅーちゅーと吸い出したことがあった。 ほかにも、枕やふとん、ヌイグルミなどのやわらかいものを見つけては、ちゅーちゅーちゅーちゅー、際限もなく吸うようになった。 そして、仕舞いには、じぶんの前足の肉球をちゅーちゅーやるようになった。

 ああ。 きっと、お乳が恋しいのだな、と思った。

 目も開いていないころに捨てられたのだから、きっと、母親のお乳を吸うこともできなかったのだろう。

 かわいそうなやつだ。 これから先も、ずっとお乳を恋しがっていくのだろうか。

 それから、一年ほど経って、また、目も開いていないねこの赤ちゃんが、塀のそとで、みゃーみゃー泣いていた。

 そいつは、チョコ・アイスのカップに入れられていたので、「チョコ」 と名付けた。

 チョコがやってきたとき、さいしょは戸惑っていたバニラだったが、なんとなく、母性のようなものが目覚めたのか、チョコの世話をするようになりはじめた。 じぶんがまもってあげなくて、ほかにだれが? という義務感にでもかられているかのように。

 チョコは、目を開くようになると、バニラと同じように、お乳を恋しがりはじめた。 おれの手を吸ったり、ふとんを吸ったり。 そして、やがて、バニラのおっぱいを吸いはじめた。 さいしょはいやがっていたバニラだが、あきらめたのか、「母親」 としての義務感からか、身を固くして、なにも出るものがないお乳を、チョコに吸わせてやるのに堪えた。

 そのうち、バニラ自身の乳吸い癖は、なくなった。 どういうことだろうか。 擬似的にお乳をあげることで、自身のお乳への執着というか欠乏感を置き換えることができるのだろうか?

 その一年後、またまた目も開いていないねこの赤ちゃんが、塀のそとで、にゃーにゃー泣いていた。

 抹茶アイスのカップに入れられていたから、「マッチャ」 と名付けた。

 バニラとチョコの関係と同じように、チョコがマッチャの世話をしはじめた。 マッチャはチョコのお乳を吸った。 そして、チョコは バニラのお乳を吸うことをしなくなった。

 その一年後には、「アズキ」 が仲間となった。

 やはり同じように、マッチャがアズキの世話をはじめ、アズキはマッチャのお乳を吸って、やがて、マッチャの乳吸い癖がなくなって ... 。

 そして、さらに一年後には、「イチゴ」 が。

 やはり同じである。 アズキがイチゴの世話をして、イチゴがアズキの乳を吸い、アズキの乳吸い癖が ... 。

 この調子では、また一年後に、お乳を恋しがる赤ちゃんねこを拾わなければ、イチゴだけが、やり場のない、お乳への執着と欠乏、渇望をかかえたままになってしまうかもしれない。 ひょっとしたら、微妙なバランスで保たれてきたわが家の事情が、一変してしまうのでは ... 。

 目も開いていない赤ん坊のねこを捨てるなんて、なんてひどいことをするやつだ (、たぶん、ぜんぶ同じやつだろうか)、と思っていたけれど。

 どきどきしながら、いつもの季節を待つと、

 今度は、目も開いていない 犬 の赤ちゃんが、塀の外に捨てられて、くぅーくぅー鳴いていた。





 レディー・ボーデンのカップに入れられていたので、「ボーデン」 と名付けた。





 はたして、イチゴとボーデンの関係がどうなるのか、おれにはわからない。 けれど、こうする以外に、なにか方法があるだろうか?

 おれと五匹と一匹を、どうか、見守りたまえ !





 BGM:
 Stray Cats “Something Else”

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「花火は、遠い日の恋」

2004年08月02日 22時28分23秒 | 覚書
 ええと、

 先週末は、浴衣姿の女性をちらほらと見かけた。

 ひょっとすると、どこかで、花火大会があったのかも。 (正解は、隅田川の花火か)

 どうやら、今年は、花火大会には行けそうもなく (仕事 && いろいろ) 、ちょっぴりさみしいので、花火のことを調べていたら。

 いま、変わりダネの花火が、ひそかに(?)人気のもよう ... ?



 『子供が大喜びの安全花火』

 おお~。 これは、かわいい ! ソフトクリームが ! タコさんが ! おさるさんが ! ドラえもんが !

 きっと、子どもたちは、ウキーっとおおよろこびだろう。 (というか、私もよろこんでしまうそう)

 ちなみにおさるさんと同じシリーズで、サンタさんもあるもよう。 クリスマス・イヴなんかに、あえて、季節はずれの花火で、サンタさんを舞い降りさせたら ... 女の子もイチコロ(古) ?!

 そのほか、「ひとだまくん」 なんてのもあって、こちらは、肝だめしのグッズとして、重宝しそう?

 ただし、シャレにならない状況で、この 「ひとだまくん」 を使ってしまって、女の子を必要以上に怯えさせたあとの責任はとれません ... ??

 また、時限爆弾ふうの 「スモークドカン」 なる花火も。 こちらは、罰ゲームなどで利用できる感じだろうか。



 なかなか花火大会に行く余裕がないけれど、こんなおもしろ花火で、夏の思い出をつくってみるのも、また、いいのかもしれない。





 おまけ:
 ・『子供が大喜びの安全花火』 のほかに、『恋人とロマンチック!?に花火』 もおもしろそう ?!

 ・「2004全国花火大会カレンダー」
 全国各地の花火大会情報はこちら。 夏は無理でも、秋や冬の花火も、また一興 ... ?

 ・「携帯用蚊取りマット」
 用意しておくと、便利?
 (好きな人と観ている最中に刺されたのならば、虫刺されあとも、またいとおしい、かもしれないけれど ... )



 BGM:
 なしで。
 (たまには無音で、花火の 「ヒュ~」 「ドォーン」 という音を想像してみます :) )

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「カレー友の会」

2004年08月01日 21時38分35秒 | 呑食
 きょうは、

 西荻窪の、知己の方のご自宅で、「カレー・パーティー」 なるものを開いた。

 それぞれ、手づくりカレーを持ち寄って、いろんなカレーを食べるわけなのだが ... 。

 栄えある(?)第一回めは、五種類のカレーが出揃うことになった。

 それぞれ、

 「味見してきたけど、マジ、ヤバイ」 という人もいれば、

 「こんなもんだけど」 という人もいる。

 「悪いけど、おれのカレー、うまいから」 という人もいれば、

 「今回はじめて作るカレーにしてきた」 という人もいる。

 みんな、それぞのカレー。

 私も出品してきた。 昨夜遅くに、コトコト煮込んで。 料理があまり得意ではない私が、このカレーだけは ... という一品を。

 いざ、お膳のうえに、五種類のカレー、ライス、ナンなどが並んだのだけど、その瞬間の、わくわく・どきどき感がたまらない。

 食べもののことで、こんなにうれしいのって、何年ぶりだろう? という気がした。

 だって、見た目も、色も、具材も、すべてちがう、けれど、同じ 「カレー」 と呼ばれるものが、五つもならんでいるのだから。 それは、どきどきもする ... ?

 で、味のほうはどうだったのか、というと、これまた、それぞれの味で、おもしろかった。

 正直言ってしまうと、じぶんのカレーがいちばん好きなのだけど (それはみんないっしょかな??)、個人的には、タイふう グリーン・カレーがいちばん好みだった。 ほか、じゃがいもと豆のカレー、ひき肉入りのキーマカレーふうのものや、ごぼう・レンコン・キャベツ・パプリカ・かぼちゃ・ピーナッツバターなどなど、具だくさん・かくし味アリのもの。 そして、私のカレーは、チキンとなす・しめじ入りのトマト風味カレー ... 。

 ほんとうに、ぜんぶ、ちがうのだ。

 カレーって、いいな。 きっと、それぞれの家庭で、まったく同じレシピというものは、ありえないくらいなのではないか、というくらい、それぞれの味がありそう ... 。

 それぞれの家庭の、それぞれの思いを、グツグツと煮込んで、溶け合わせた食べもの ... 。

 また、「カレー・パーティー」、やろうね。 ということで、意見が全員一致だった。

 うん。ぜひ、またやりたい。 また、それぞれのカレーを食べたいものだ。

 あ、そうだ。 「カレー友の会」 でも発足しようか。 三ヶ月に一回、実施。 月イチで会報なんかも作ったりして? ああ、いまどきなら、メール・マガジンか。 いや、『カレー BLOG 』 ?!

 そのうち、会が大きくなって、やがて、代々木公園なんかでやったりして ... なんてね。



 カレーの夢が、果てしなくひろがった、日曜の午後だった。





 BGM:
 bad dream fancy dress ‘Curry Crazy’

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