H29.11現在の状態
キャンピングカーの使い方って、人によって大きく異なるが、わが家の場合は主にはカミさんとペットである犬と一緒に旅をする事が多く、電気不足になる場合が何度もあった。
電気不足を解消する為に発電機を取付けたり、ソーラーパネルを増設したりと対策を試みたこれまでの経緯をまとめてみた。
Zil520はサブバッテリーが3個
僕が6年前に新車でZil520を購入したとき、サブバッテリーとして12V 91Aのバッテリーが3個搭載されていた。
それまで、キャンピングカーを持った事が無く、搭載されている設備のほとんど全てが初めての経験で、購入時はこんな大きなバッテリーを3個も積んでいるのなら、電気は心配いらないだろうと思っていた。
キヤンカーによっては、サブバッテリーが1~2個しか積んでない車がある中で、3個もいるのかな? くらいの事しか思わなかった。
バンテックも、バッテリーが3個積まれているので6時間くらいエアコンが使える等とPRしていたものだ。
わが家の一晩の電力使用量
実際に自分がジルを所有してみて、ようやく何にどの程度の電力が必要かというのが分かってきた。
最も多く電気を消費するのがエアコンで、次が冷蔵庫。FFヒーター、テレビ、電灯、その他全てエンジンが止まっていればサブバッテリーから電気が流れる。電力使用量はAVモニターで1AH単位で把握できる。
これは、最近の3rdシート上の壁で、右側の300となっているのがAVモニターでバッテリーの残量を示している。
赤いボタンを押すとサブバッテリーの電圧や今消費している電流を切替えて見ることができる。
その左側は、フクロウさんのAVモニターを真似て造った電圧計と電流計。
AVモニターだけだといちいち切替えて読まないといけないが、これで一目みればサブバッテリーの状態がすぐに分かり、運転中でもルームミラーで見える。
3年前にAVモニターが故障した時にここなら見やすいだろうと移動した。
わが家はカミさんと2人で一晩(冬の場合17時~翌朝8時の15時間)に、80~100AHほど消費する。
エアコンを使用した時は別として、これが普通かどうかは分からないが、一人生活の場合は、10~20AH下がる程度だと思う。
一泊二日の旅なら二日目は帰るだけなので少々電力を使っても問題ないが、二泊以上の場合は消費した電力をいかに確保するかが問題だ。バッテリーが新しければ、3~4時間程度の走行充電でそこそこ充電するが、劣化してくると走行充電も時間がかかる。みんなはどうやってるのかな?
ソーラーパネル取付け
一晩に80~120A使う電力を補うために最初は、80Wのソーラーパネルを取付けようと安い中国製のものを購入した。
コントローラーは多くの人が付けているパワータイトのPV-1212Dだ。これで何とかなると思ったが、80Wのソーラーパネルでは気休め程度の発電量しかない。
取付けて数か月間様子を見るうちに、ソーラーパネルとはこんなものかというのが何となく理解できた。
その後に、100Wを超す大き目のパネルもだんだん安くなったので、120Wを購入してパラで使おうとしたが、ジルの屋根にバランスよく載らない為、120W単体を取付けた。
パネルの取付けはアルミアングルをバルブタイト(後で説明)で固定。
そのうち、コントローラーも能率のよいMPPT制御のものが出てくるようになったので、高価だったが、MPPT制御という言葉に引かれて、SS-MPPT-15とRM-1(モニター)に変えた。
ソーラーパネルを増設
ソーラーパネルも年を経る毎に大判化し、フレキシブルなものも出てくるようになった。
バンテックからも同様のものがオプションとして販売されたが、新車対応だけとの事。
フレキシブルパネルを検討する中で、パネル全部を同一仕様とすることと、ルーフに接着するので、故障した場合取替が大変。 (追記 フレキシブルパネルは断線やセル割れの故障が多い。保証は1年しかない。)
そうは言っても恰好もいいし、屋根にほとんど負荷が掛からないしキャンピングカーにぴったりだ。
メーカーに直接交渉したが、やはり高価。
発電出力は360Wで、結局費用対効果でフレキシブルパネルは諦めた。
(下の2枚の写真はバンテックのHPから借用)
やはり平パネル
大型のソーラーパネルも最近はオークションに沢山出品されている。
ジルに取付け可能な最大寸法を測って、適当なものが無いかオークションを物色する。(この作業が後々大事になって来る。現在では大判パネルは色々あるが、やみくもに選ぶのではなく将来を見据えて選択する。)
展示品だが未使用品との事。国内メーカー品で単結晶 240Wパネル新品の定価は15万円以上だが、オークションでの落札価格は大幅に安い。
ソーラーパネルで仕様が大きく違うものは、同じシステムの中では使えない為、今までの120Wを撤去し、新たに単結晶の240Wパネルを1枚取付けた。
ソーラーチャージャーは、SS-MPPT-15でもよかったが、すぐにパネルを増設するだろうという事と、この際、色々実験したいとの思いで、モーニングスター社のTS-MPPT-60とTS-RM-2(モニター)を奮発して購入した。
これは、最大入力電圧150V、12V制御では入力電力は800WまでOKというもの。
パネルが大きくて、既設のテレビのアンテナBoxに干渉する。
アンテナBoxを撤去して、テレビアンテナは仮設で固定。
240Wのパネル1枚では、効率の問題もあり、電力的にはまだ不足だった。
さらに一枚追加する事を検討。取付け場所はバンクベッド上しか無い。
バンクベッド上に取付を検討
強度は? 風切り音は?
バンクベッドに普通のソーラーパネルが付いたキャンカーを見たことがなく、イメージがわかないので、パネルを仮置きして取付け位置を探した。場所を選ぶにあたり、もう一枚載せられる位置を選定した。
パネル重量が1枚16kgと重く、さらに取付け方にもよるが、走行時の風荷重を考慮するとバンクのFRPはそんなに強度的に強くないだろう。
室内側から何らかの補強が必要だろうな。風切り音はどうかなー。
直線で、角が多いパネルだからアール処理をして風切り音が出にくい構造にしないといけないかなー、とか。
うるさかったら外せばいいや的発想で取付けた。
全部で480Wだ。
最初んーーー。何となく風切り音が増えた?
正直よく分からない。
240Wを2枚つけて、連泊でも発電機を焚く事は無くなった。これは快適快適。
ソーラーパネルを付けてみて、キャンカーには400W程度は必要という事が分かった。
コントローラーは、2ndシート下の配電盤を詰めて設置していたが、
さすがに480Wとなると・・・。
発熱を懸念して外部に取付けた。ここで問題になるのが、配線だ。
コントローラーとバッテリーが近ければさほど問題にならないが、流れる電流も多くなるので配線が長くなると当然電圧降下が大きくなる。配線は、手元にあった5.5SQ/4Cを使用した。
コントローラー下側は実験の為に取付けたジャンクのブレーカー。
DCブレーカーの高容量で小型のものは意外に高い。
30Aのものだが、接点容量確保の為に両極を使っている。
モニター画面は多機能で便利
ソーラーパネル3枚目を取付け
半年間この状況で過ごしたが、パネルがバンクベッドの真上にあって、見た感じ
バランスがとれてなさそうに見える。
前方がまだ1枚分空いてるしー、
もう1枚付けたらどうなんだろうー????
屋根に2枚付けるも、3枚付けるのも重量的には重くなるけど、見栄え的には同じだろう。
快適化になるのかと疑問があったが、駄目なら外せばいいといつもながらの安易な考え。
再度オークションのお世話になる。今回は同じメーカーの同じサイズで発電量が230Wのがあったのでポチッ。
データ的にはほぼ同じなので、問題ないだろうと予備を含めて2枚落札。
バンクベッドの前側に取付けた。3枚のパネルを直列で接続している。
電圧は、34.8V×3=104.4V 直流だから下手をすると大変、合計で710Wとなった。
ジルの正面から見たらソーラーパネルがまともに見える。
100km/hで走行テスト。
運転席に座って聞く限りでは、今回は何となく風切り音が増えた感じ。
それでも運転席とソーラーパネルとの間にバンクベッドがあるので低減されているのだと思う。
移動中にバンクベッドで寝ていたらうるさいかも?
3枚取付けて、高速を含め15,000km走行したがこれまで問題はないが・・・・。
ただ、目立つ !
ジル520はポピュラーなキャンカーだけど、遠くから対向して来てもすぐに、あいつだと分かる。
悪い事は出来ません。
快適化度合は◎ 一か所で長期のキャンプでも晴れれば電気に困る事はない。
曇っても相当発電するので、一年中メインスイッチは入れっ放しにしている。
これだけの容量があれば、夏の暑い日でもソーラーでエアコンが動かせるので大変快適だ。
エアコンを動かした時の発電状況はこちら
パネルの取付け方法
取付け方法はバンク側は1.5tのアルミで金具を曲げ加工した。パネル側は2tのアルミアングルを切断し、ジョイント部を5mmのステンレスボルトで貫通して止めている。
バンク側の金具とボディは7.7mmのバルブタイトで固定。1本当たりの引き抜き強度は短期強度で60kg/f確保出来る。
バルブタイトというのは、ドイツからの輸入品でポップリベットの大きいもの。
取付けには専用の電動工具が必要だ。一般的なホームセンターには置いてない。
専門の工具屋さんで入手可能だと思うが価格は12~13万円すると思う。
バルブタイトが無い場合は、直接大きな風荷重を受けるのでボルトナットでの固定が必要だと思う。
左側は、施工後のピンの形状。まん中がバルブタイトで、右上は一般的なポップリベット。
バルブタイトは、ゴムパッキンが付いて取付け部からの水の侵入が防げる。
ソーラーパネルの快適化は取りあえずはここまで。
今後はパネルの動作についてもう少し調べるのと、サブバッテリーのツイン化(3個×2)やリチウム電池について検討だ。
このZil520を見たら、気軽に声を掛けてくださいねー!!