「マイナ保険証」」問題が姦しい。
現行の健康保険証の発行については、令和6年12月2日より終了し、マイナ保険証を基 本とする仕組みに移行しました。
法廷論争にもなっています。医師・歯科医師ら1415人が、健康保険証が「マイナ保険証」に原則移行することをめぐり、マイナンバーカードを通じた「オンライン資格確認」が義務付けられたのは違法だと、国に集団提訴しました。
医療現場に大きな負担が掛かっていて、廃業を考える医師が相次いでいるとの話も耳にしますし、「マイナ保険証」による医療崩壊の危機を訴える革新系の医療雑誌も目にします。
2020年4月から始まったレセプトの電子化の時にも同じような騒ぎがありました。本年4月からは基本的に電子請求に移行しましたが、騒ぎにはなりませんでしたね。既にほとんどの医療機関が電子申請に移行できていたから。
医療DX、高齢者にはついていけない面が多々あります。それは確かです。私も古稀を超えて半年以上、新たに導入せざるをえなかった機器の取り扱い、自分一人では全く太刀打ちできません。スタッフはじめいろいろな方にバックアップしていただいて何とか付いていっております。
上の写真はマイナカードの情報を読み取るカードリーダーという器械です。
導入にはカードリーダーだけでなく、専用端末や整備費用などで40万以上かかります。その上、毎月の保守点検料なども必要です。 (回線使用料やルーター使用料、保守点検費などで、毎月のランニングコストは1台あたり1万円台~数万円) いろいろな難しい条件を満たすと助成金をもらえるシステムはありますが、とても難解かつマイナカードの利用率が高くないともらいにくいシステムになっています。我が医院の患者さんは田舎の高齢者中心です。マイナ保険証を使用される患者さんは今のところ少数派です。助成金はなかなか貰えないですね。
こうした現状の中で、「システム導入の義務はない」と裁判に訴えた医師や歯科医師たち。 裁判の中では、「カードリーダーやインターネットのセキュリティなど、設備を整えるために高額な経済的負担が発生することから、高齢の医師の中には廃業を選択せざるを得ない状況になっている」などと主張。 しかし東京地方裁判所(岡田幸人裁判長)は11月28日、原告の訴えを棄却した。 理由として、「経済的な負担が一定程度生ずるとしても、それが事業継続を困難にするようなものと直ちにいうことはできない」と指摘、義務化が廃業につながったということを認めることはできないと判断してもいる。
原告らは、「判決は全部不服」として12月12日に控訴。さらに争う姿勢を示した。 医療現場にさまざまな負担をもたらしている「マイナ保険証」問題・・・
私自身、近い将来の幕引きを考えざるを得なくなっている高齢医師の一人として、この問題は乗り越えにくい高い塀であることは間違いない。でもね、医療DX推進のもたらしてくれるプラス面(特に患者さんにとってのプラス)を考えると、困難でも乗り越えていかざるを得ないと思うのです。
患者さんから見てもマイナ保険証は使いにくいので資格確認証で行こうとか言う意見もあります。ですが、マイナ保険証をベースにした医療DXの普及、患者さんにとってプラスの面がとても大きいのです。
報道ってどうして偏った見方になっちゃうのでしょうね。その方がまとめ易いからかなぁ?大いに疑問に思う私です。
私個人としては、医療DX、色々な壁はあるでしょうが、推し進めるべき方向であることには間違いが無くて、それに対して抵抗を感じる高齢者などは、来るべき未来像を想像し、そのために自分の現状を少しばかり犠牲にしてでも努力するべきだと思うのであります。今少しの想像力と努力を!!
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope some day you'll join us
And the world will live as one
IMAGINE. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon & The Plastic Ono Band (with the Flux Fiddlers) HD