新興右翼?政党である参政党で、内部粛清が頻繁に起きているようです。というよりも、2022年の参院選で、参政党のただ一人の議員として当選した神谷宗幣が、権力を独占しようと自分以外の幹部全員を追い出すか、大幅に降格させてしまった、ということのようです。
カトリック保守界隈でも、保守派と伝統派の間を行き来していたある主婦の方が、半年くらい、この党で熱心に活動されていました。その後、その方は不幸にして癌で他界されてしまいましたが。
参政党は、スピリチュアル右翼とも言われ、ニューエイジ系の神道の影響を受けた政策論や主張が多いようです。小麦は有害だとか、農薬は絶対に避けねばならないだとか、大調和波動米がどうだとか・・・。独自のセミナーを催したり、それに高額の授業料を取ったりもしているようです。
このあたりも十分におかしな話なのですが、もっと優先順位の高い問題点が、昨年夏ごろから急速に増えています。それは先にも述べたように、唯一の国会議員である神谷が急速に中央集権化を図っており、結党時からのボードメンバーと呼ばれる大幹部を次々に追放したり、大幅降格したりしていることです。
ゴレンジャーと呼ばれた5人の大幹部のうち、吉野敏明、赤尾由美、武田邦彦は追放され、松田学(元 衆議院議員)は大幅に降格され、代表であったのが、ボードメンバーでさえなくなり、党の幹部陣からは外されてしまいました。その他、大勢のサポートメンバーがこの2年間に党を追われたようです。
神谷は、共産党や公明党のような組織を目指したいと言っていますので、要するに、自分を中心とした専制を敷きたいのでしょう。だから、彼が党の唯一の国会議員である今のうちに、党内の主だった対抗馬を難癖をつけて皆、追い出してしまい、完全なワンマン体制を確立したいと考えているのでしょう。
しかし、それにしても、やり方が急速で、昨年末には神谷の第一秘書の女性が自殺をするなど、死者さえも出ています。
参政党の神谷宗幣参議院議員の元公設秘書・平岡有加里さんが、2023年12月に自殺していたことが分かった。ご遺族である平岡花梨さんが母親の死去を表明し、武田邦彦さんが死因を明らかにした。平岡有加里さんのご冥福をお祈りします。 https://t.co/aLjTEoSY8c pic.twitter.com/znHxZ4rwuC
— オキゾウ (@okizo4649) January 26, 2024
彼は共産党のような組織を目指すと発言したようですが、日本共産党では、今年、権力の交代が起きました。長年、議長だった不破哲三が引退し、委員長 志位和夫が議長になり、田村智子が委員長になりました。志位和夫が、実質的な最高権力者になったのですが、志位は、かなり高位である書記局長になってから、今の立場に行きつくのに35年をかけています。党委員長になってから起算しても、24年です。激しいといわれる共産党でさえ、そのくらいの時間をかけて権力の交代が起きているのですが・・・。
対して、神谷宗幣は、たった1年半で、ここまで乱暴な人事をやっており、これほど急速で極端な粛清や改造人事をやってしまうと、おそらく党勢が持たないのではないでしょうか。当然に相応の内紛や大量離脱も起きており、日本保守党など似たコンセプトの政党が出てきたことも、不安材料になるでしょう。
そして、何よりも、こんなことはまずあり得ませんが、仮定の話として、もしこの党が将来、日本で権力を握った場合、こんなに超初期に、ここまで仲間を切りまくるような政党は、国民に対して、どう接するでしょうか? ためらいなく、国民も粛清することでしょう。
というわけで、参政党は、政策にやや保守的・伝統文化的な面もあるわけですが、投票する先には全くなり得ない、と思った次第でありました。
最近、神谷宗幣が「統一教会への批判をしない」と宣言したことも、不気味な話ですね。