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今回、流される原発処理水は危険なのか?

2023-08-26 14:42:12 | 時事
 これは警鐘というよりも、騒ぎすぎへの注意書きの記事です。カトリック信者さんの中にも、話題にされている方が、相当数いるからです。

 太平洋に流される原発処理水は、決して綺麗な水ではありません。薄めて基準値以下にしたとはいえ、薄めても流される核物質の総量は、変わらないのです。

 しかし、これについては、騒ぎ過ぎなところもあります。量的に、以後、太平洋の魚を食べると危険なレベルになるわけではないというのが一つなのと、

 今までの、海洋と核の歴史を考えてみて下さい。これまで、海洋では、何十回、水爆実験が行われたのでしょうか? 1946年以後、ビキニ環礁では67回もの水爆実験が行われ、以後、米ソ英仏南アフリカなど※各国によって、100回近くもの海洋での水爆実験が行われています。

 また、沈没した原子力潜水艦も、米ソロシア各国で何隻もあります。これらは、原子炉を搭載しており、原子炉と原子力発電所は、同じものです。2000年に沈没したロシアの原子力潜水艦クルスクなど、覚えておられる方も多いと思います。沈没したロシア原潜からは安全基準値の80万倍の放射線が出ている、というBBCの記事もありますが、それによって、ロシアへの禁輸が行われたり、皆さん、魚を食べるのをやめたり、したでしょうか。

 ソ連やロシアに至っては、頻繁に核物質の海洋投棄も行っており、1993年以後、発覚して、何度もニュースになっています。

 これらは、決して綺麗な話ではないですし、核実験も原潜の沈没も核廃棄物の海洋投棄も、決して望ましい出来事ではありません。しかし、私たちは、その後も、普通に海産物を食べてこれています。第5福竜丸事件は有名ですし、もしかしたら水面下で、どこかで被害が発生していた可能性はありますが、あくまで「水面下」です※。検査をして、数値的に、証明できるようなレベルではなかったのです。

 今回の原子炉処理水の海洋投棄は、決して綺麗な話ではないですし、決して綺麗な水でもないのですが、以後、太平洋での魚が食べることができなくなったり、そこの塩は使ってもいけないとか、そのようなレベルの汚染ではないのです。将来、核戦争でも起これば、どうなるかはわかりませんが、今現在のところ、海の核汚染は、そんなに大騒ぎしなければいけないレベルの話ではありません。どちらかというと、過剰反応と日本と対立関係にある特に中国によるプロパガンダの色彩が強そうです。

 だから、綺麗で、健康的で、望ましい、という話でも、勿論、ないのですが・・・。カトリック信者の中にも、今後は塩も買えなくなる、など非常に極端なことをつぶやいている方もいますので、それへの誤解防止の為の記事です。

※ 南アフリカは、その後、装備していた核兵器を放棄・解体

※ 危険なレベルの異常値が出たのは、第5福竜丸が持ち帰った魚くらいであった、という意味。以後、一般的な条件下で無作為に採取された海水や海産物の放射能汚染値が危険なレベルに達した記録はないし、その後も私達は海産物を普通に食してこれた


(追記)原子炉建屋の中にあった水は、ALPSという純水製造装置を通して水以外のもの除去した後に排出されます。トリチウム水は放射性のある水素で化学的には水なのでALPSでは取り出せませんが、化学的性質が水なのでどこかで濃縮させれることはありません。排出されるトリチウムの量は全部合わせて10gくらいです。ただし、トリチウム水以外の核物質も9種除去しきれずに残っており、基準値を超えたとか、超えないとか


(追記2)よく考えると、核実験や原潜の沈没とは、違いがありますね。

①、100回近く繰り返された水爆実験は、米ソ英仏にとって、一番安全な海域で行われた。彼らから見て、地球の裏側でやっていた。彼らにとっては、環境負荷がもっとも小さかった

②、沈没した原子力潜水艦は、自ら遠くの海の深海に核物質を持ったまま突っ込んでくれた。日本が自国の領海に流すよりも、環境負荷は小さい

③、ソ連やロシアは、核物質を海洋投棄していた。しかし、自国にとって一番安全な海域まで、こっそり船で運んで、そこに棄てていた。日本が自国の領海に流すのと比べると、環境負荷は小さい








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