これまたちょと前の話ですが、09年11月、5年ぶりに高野山に行ってきました。
今回は、奥の院一の橋に近い「恵光院」さん。
ここのお坊さんは英語も堪能ということで、外国人観光客が非常に多かったのが印象的。
***********************************************
前回は自分の心が折れてしまってたときに一乗院に宿泊したのですが、
そのときに宿坊に張ってあったポスターが強烈なインパクトを放っていました。
たよってばかりじゃダメ! 長引く不況の中、仕事の悩み、恋の悩み、現代の人々は様々な悩みや苦しみを抱えています。 そんな時、神頼みで救われると思ってませんか?それは他力本願も甚だしく、何の解決にもなっていません。 本当の解決策は自分の心の奥底にあるのです。 |
う~ん。。。
その時期はまさに「神頼み」でやってきた高野山。
写経してみたり、朝のお勤めに参加してみたり、
奥の院も行ってみたけど、やっぱり自分の心の奥底に
巣食らう暗い闇は消える事がなかったのでした。。。
***********************************************
さて、それから5年経った今。
まったく異なる目的で、ここにやってくる事ができました。
それは、今年からハマってしまったYOGAに派生します。
ここ高野山の密教、真言宗はもとをたどると中国経由でインドに行き着くのですね。
例えば般若心経。
大乗仏教の空・般若思想を説いた経典の1つですが、YOGAの精神なんかと似てたりします。
また、空海によって伝えられた阿字観という瞑想。
これなんかも、YOGAの瞑想と近かったりするのです。
そんなことで、前回まったく存在しなかった興味心を満たすべく、
高揚する気持ちでやってくることができたのでした。
ちょうど紅葉真っ盛り、のハズでしたが前日までの強風雨で結構散ってしまっていました。
チェックインは午後二時でしたが、午前中に荷物を預けて近くを散策。
金剛峰寺の門のそばに、「こうやまき」という屋台があります。
前回来た時、ちょうどお腹がすいててなにかローカルフードないかなぁと探してたとき、
目に飛び込んできたのがここ。
なにやら、おいしそうなクレープ系の食べ物を想像しながら近づくと
こうやまき、とは高野摩木。
護摩焚きに使ったりする霊木のことでした。。。。
いやしき、なおちゃい。。。。
金剛峰寺も寺内に入った事忘れてた。
入ってみてしばらくしてから、「あ!」と思い出す始末。
でも、今回は気持ちの軸がまったく違うところにあるので、同じものを見てもすごく新鮮に見えました。
国内最大級の大きさの「蟠龍庭」の石庭なんかも、めちゃくちゃ趣を感じられ、
しばらく時を忘れてぼ~っと佇んでしまいました。
弘法大師が受け継がれ展開された真言密教の思想を具現化した聖地と呼ばれる壇上伽藍付近では、
朱が鮮やかな根本大塔に挑むような、色とりどりな紅葉が少し残っていました。
<クリックで拡大>
+++
宿坊に戻り、「阿字観」に参加。
道場には自分たちを含め3組ほどの日本人と、5組くらいの外国人。
のび太みたいな坊さんが座り方や呼吸法を説明すると、
ちょっとイケメン系の坊さんが、英語で通訳。
この日は、阿字観じゃなくて、「数息観」。
背筋を伸ばして軽くあぐら座り。
あごを引いて、目は軽く閉じます。(半目)
視線は1mくらい前下方の空中をボヤっと見つめます。
鼻から息をゆっくり吸って、口からゆっくり出します。
一呼吸ごとに心の中で1から10まで数を数えます。
薄暗く静かな道場で息の音だけが聞こえる。
心の中で、
い~~~ぃぃぃちぃぃぃぃx。
にぃぃぃぃぃぃいいいいい。。
さぁ~~ぁぁぁあぁぁんん。
と数えていくのですが、
さて、これが結構難しい。
理想は心の中が空の状態と言うが、でてくるわでてくるわ。
鬼の様に様々な「雑念」(考え事、色、情景、音などなど)。
最初4くらいまでは、数に集中してるのに、いつの間にか、
数を数えてなくて、違うものを追いかけてます。
ふっと気がつき、再度1から数え直します。
でも、また4か5くらいになると・・・・
そんな繰り返しで、20分程度の瞑想が終了。
まぁ、「眠り」に落ちなかっただけましか。。。
さぁ、瞑想の後はおまちかねの夕食です。
精進料理。
生ごま豆腐。めちゃくちゃうまいです!
その他、煮物、揚げ物とりどりですが、
いちいち旨いっ!
全部ぺろりと平らげさせていただきました。
合掌。
ご飯食べた後は、これまた前回とはまったく違う気持ちで向かい合う、写経。
ここに来る前に般若心経の解説本を少し読んでたので、深い意味はわからないまでも、
一文字ごと、しっかり吟味しながらの写経ができました。
「般若」はお面の般若とは全く関係ないのですが、文字がそれだからどうしても、あのお面が出てきますね*笑*
丁度家のテレビも無かった時期で、夜を静かに過ごすことにもまったく抵抗なく21時半には爆睡してました。
***
翌朝、朝のお勤めに参加。
10人くらいの坊さんがチベットのハルヒラホーミーごとくダミ声で重なり合い、
重厚で低音が地を這いながら倍音化されていくものを期待してたのですが、
お坊さんは3人でした。
それでも、掛け合いのようなお経を聞いていると気持ちが落ち着いて行きました。
その後、護摩行にも参加させていただきました。
恵光院の横にある小さなお堂で、護摩が焚かれます。
太鼓とお経の掛け合いの中、ひまし油?ごま?みたいな数々の物体を炎の中に入れてくと、
炎はどんどん大きくなっていきました。
炎の向こうに座ってる外国人たちがちょっと不安そうな顔をしてるのが見えます。おい大丈夫かいな。
***
部屋に戻って朝食をいただき、チェックアウト前に奥の院へ。
結構雨が降っていて寒い。
人もほとんどいてなくて、
これまた荘厳な雰囲気が漂いまくりです。
周りは千年杉といっても過言ではないほど、高い杉の木が乱立してます。
一の橋からゆっくり歩いて30分くらいで奥の院に到着。
この橋の向こうの本堂に、空海は今も生きているのです!
ということらしい。。。
さすが雨男女。今回も全くもって、雨でした。
そして、最後は雲の中。
しかし、自分の中で意識して見て回った風景と情景は、全く新鮮で意義のあるものになりました。
***
最後に。
ランチで食べて「フどんぶり」が結構ヘビーだったのか、胃がもたれていたくなったので、高野山にいくとどこにでも売ってる「陀羅尼助」を買ってみました。 一回20粒ほど飲みます。付属の特性スプーンが丁度10粒すくえる様になってます。超ミニチュアのたこ焼き板のよう。 そして、これがよー効きました!!! |