ちょっと前に書いた
「口移しバレンタイン」を少しだけ
大人っぽくしてみました。
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「んっ……ひ、え」
濡れた唇が、艶めいていた。
小さな口に詰めこまれた赤い果実が…舌の隙間から見え隠れしていた。
「あっ……」
くちゅ、と口に果実を詰め込むと、蔵馬は苦しげに声を上げた。
「お前が、ほしがったんだろ」
「そ…だけどっ……」
口の中に溶ける赤い果実を、蔵馬はゆっくりとかみ砕いた。
イチゴの果実が、頬を膨らませる蔵馬の口で弾けた。だらっと、果実の汁が
唇を伝う。飛影の指が、それを拾い上げた。
「バレンタインだろ」
悪戯な瞳。言われて、蔵馬は眉をひそめた。そんな意味じゃないのにっ……。確かに
「素直な気持ちが欲しい」と言ったのは自分だ。
だけど。もっと甘く。もっと素直で優しいことを想像していた。
「俺の、気持ちをちゃんと受け止めろよ」
魔界で一番甘いと言われるイチゴ、を飛影が持ってきたのは今日夕方で。
思いがけない飛影に、蔵馬は抱きついたのだが。
バレンタインだろと言って持ってきたイチゴ、を、口の中にねじ込まれた。
「んっ……う」
乾いた唇が妙に温かい温もりに包まれた。イチゴ、の果実がゆっくり弾けていく。
「おれも…もらうぞ」
バレンタインだから、と飛影がくっと笑った。
「えっ……」
ぬる、と何…が入り込んで蔵馬は咽せた。イチゴの汁が口中に広がって行く。
飛影の舌が、蔵馬の口内をあらく、かき回していく。
「お前からのバレンタインもらうぞ」
深く、飛影は口づけた。
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たまにはこんなバレンタインネタも良いかなと思って、ちょっとだけ
嫌らしい雰囲気にしてみました。
こういうのって、幽蔵ならいたずらですけど
飛蔵では違う雰囲気になると思ったのです。