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シアターコクーン・オンレパートリー2012 『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~ KERA version』

2012-12-30 | 舞台/DVD

Bunkamuraシアターコクーンにて、シアターコクーン・オンレパートリー2012  『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~ KERA version』 12月28日(金) 開演18:30を観てきました。

※若干のネタバレがありますので、ご注意くださいませ。

公式サイトはこちら → 『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~ KERA version』

【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【音楽】パスカルズ
【美術】小松信夫
【音響】水越桂一
【映像】上田大樹
【キャスト】
生瀬勝久:ドン・ガラス
小出恵介:トビーアス
丸山智巳:ヤン
阿倍なつみ:マチケ(三女)
大倉孝二:パキオテ(白痴)
緒川たまき:テン(次女)
大鷹明良:ヤルゲン
マギー:アリスト
近藤公園:パブロ
夏帆:レティーシャ
三上市朗:ローケ(仕立屋)
久保酎吉:コロス長
峯村リエ:エレミヤ
犬山イヌコ:メメ(メイド長)
山西惇:ダンダブール
池田成志:ペラーヨ
久世星佳:バララ(長女)
木野花:ジャムジャムジャーラ、ドンドンダーラ
西岡徳馬:グンナル(司祭)
ほか

【ストーリー】
とある架空の町に暮らす三姉妹。市長であり、町の絶対的権力者である彼女達の父親。そこに様々な人々が絡み、時を超えた愛憎劇が繰り広げられる。
やがて、この町はあることをきっかけに狂人と死人の町と化していく。。


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今回の観劇で久しぶりにケラさんの作品を観ました。『犬は鎖につなぐべからず』以来ですから、前回から随分と時間が経ってしまいましたね。
ケラ作品の中でも長いです、覚悟がいりますね(笑 特に、帰宅時間が気になる方は、ソワレは終電時間のチェックをされておいたほうがよいかと。 上演時間は下記を参照~♪

◆上演時間について◆
1幕 1時間30分
( 休憩1:10分 )
2幕 1時間
( 休憩2:10分 )
3幕 1時間20分(カーテンコール含む)
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合計 約4時間10分

客入れの曲は、ボーイソプラノのミサ曲。
舞台美術は、天井高一杯にヨーロッパ風の古びた石造りの建物が建ち、上手に2つ、下手に1つ階段があり、この建物を覆うように樹木の枝が繁っております。
この建物の一部は盆に乗っており、回転しては教会、邸宅、井戸、船室などとして使われます。

作品全体としては、率直に言ってしまうと可もなく不可もなくといったところです。登場人物が多く、それぞれに背負っている過去や現実があり、それらをぽんぽん!とオムニバスのように繋いでいくのですけど、散漫な印象が強く、冗長感が否めませんでした。群像劇なんでしょうけど、なんというのか、キャッチボールになってない感じ。投げっぱなしというか。
役者はごく一部の女優さんを除いて、みなさん上手いし、長い上演時間でも飽きたりはしませんでしたけども。。
市長でありこの町の絶対的権力者であるドン・ガラスは、本当~にクズで最低の男として、きちんと描かれていますけど、肝心のその娘である三姉妹が弱いんですよね。。 
三姉妹はみな美しく、女性としてとても魅力的、でもそれだけな感じ。性格にそれぞれ難はあるものの、とりたてていうほどのこともなく、かといって醸し出される特異な雰囲気やオーラのようなものもなく、なんで三姉妹がタイトルにあるのかとさえ思ってしまいました。
むしろ、100歳を越える祖母のほうがすごい! さすが、木野花さん、迫力が違います!
なにを描きたかったのか、いまいちよくわかりませんでした。ケラさんの作品は好きなんですけどね~(苦笑

作品全体としては微妙な感想しかないんですけど、個々の役者さんについては特筆すべき方も多数でした。
大倉孝二さんはやっぱりおもしろい~! なんなんでしょうか? あの間、あの声色は。なかなか他の方には真似できないよいうな気がします。
マギーさんの身体能力にも驚きました。パキオテのまじないで生き返った、自分たち夫婦にしか見えない死んだ息子に暴力をふるわれて飛ばされたりするシーンは、まるで本当に何者かに突き飛ばされているようでした。迫真の演技でした。
犬山イヌコさんは、どこか平常心を失った女性を演じると凄みがでますね。かわいいのに、怖い。。 
ケラさんは今回は本公演ではなく、蜷川幸雄さんが演出するバージョンもあるので、いつものあてがきをしないようにしたそうなんですけど、やっぱりあてがきのような気がします。

あと、映像の使い方はとても上手いし、かっこいい! 手間暇かかっておりますね~^^
キャスト等のクレジットだけでなく、建物自体に、まるでステンドグラスをはめ込んだように見える効果は秀逸でした。この映像のシーンは好きですね♪

カーテンコールは2回。音楽担当のパスカルズさんたちも登場。

観客のみなさまは急いでらしたのか、アンケート回収ボックスはカラカラ~でした。そういう私も今回はなんだか書けなくて、さかさかと帰路につきましたけど(笑


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フライヤーの裏側。キャストの一覧ですね。




イルミネーション☆ 入り口には、早々に大きな角松が飾ってありました。




気になる公演のフライヤー♪


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余談。
蜷川バージョンのチケットも購入してあるので、ケラバージョンと観比べてみたいと思いま~す♪


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追記です。

少し時間をおいてみて、なんとなく未消化な部分がこなれてきたように感じられてきました。観劇時はストーリーと大勢の登場人物の把握に集中していて、この世界観を味わうとまではいかなかったのでしょう。
寓意と寓話としての物語をただ味わえばよかったのかな。。と。ザッピングを眺めているスタンスで。
実際にこの観劇時には、登場人物の非道さやその周囲の人々の辛さや悲しみに気持ちがもっていかれてしまい、正直、しんどかったんですね。胸が苦しくなるというか。。気分が悪くなる一歩手前な感じで。
終演後は長尺のせいだけじゃなく、ぐったりと精神的に疲れてしまったんですよね。そんなこんなで、世界観を味わう余裕がなかったのだろうと。


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さらに追記です。2013.7.25

先日のこと。某地上波にて、古田新太さん、宮沢りえさん、小出恵介さん出演の舞台『盲導犬』の宣伝を兼ねたトーク番組がありまして。
そこでですね、「長い芝居はだ~れもしあわせにならない!お客もキャストもスタッフも!」という古田さんの発言に、小出さんがのけぞって爆笑していたのがなんとも。小出さん笑いすぎ(笑
これって、『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』のことですよね。。多分。
あらら。。と、くすっとしてしまったのでした。









コメント
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