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二兎社公演38『兄帰る』

2013-10-05 | 舞台/DVD

所沢市民文化センターミューズ マーキーホールにて、二兎社公演38『兄帰る』 大千秋楽10月4日(金)開演19:00を観てきました。

※ネタばれがありますので、ご注意くださいませ。 

公式サイトはこちら →   『兄帰る』


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【作・演出】永井 愛
【キャスト】
鶴見辰吾:中村幸介  
草刈民代:中村真弓
堀部圭亮:中村保  
伊東由美子:小沢百合子  
小豆畑雅一:小沢正春  
枝元萌:金井塚みさ子
藤夏子:前田登紀子   
二瓶鮫一:中村昭三
【美術】大田創
【音響】市来邦比古
【照明】中川隆一
【衣装】竹原典子
【ヘアメイク】清水美穂
【ストーリー】(※公式サイトより)
季節は夏、中村保、真弓夫婦の住む家の居間が舞台。
広告業界との付き合いが多く、常に時代の半歩先を行くようなライフスタイルを心がけている保と、フリーライターの真弓夫婦は、一人息子をオーストラリアのファームステイに送り出し、二人で充実した夏休みを過ごす計画を立てていた。
そんな矢先、多額の借金を抱えて雲隠れし、10年以上も行方不明だった兄の幸介が訪ねてくる。「今度こそやり直します、今度こそ、今度こそ……」と頼み込み、幸介は保の所に居座った。遊び人のうさん臭さプンプン、しかも初対面の男に、いきなり家族扱いされる真弓は大迷惑である。それに就職先などそう簡単に見つかるわけがない。
ついに親戚が登場した。しかしお互いの対立や責任の押し付け合いで、話は一向に進まない。損得勘定抜きに話の全体を見渡せるのは幸介だけだというおかしな状態になってくる。真弓もまた、このやりとりを白けた思いで聞いていた。この一族が、どんなにその場しのぎの生き方をしてきたかがよくわかったからである。また、親戚だという理由だけで、いがみ合いながらも共同体意識だけは崩さず、事の決定権を握りつつあるのが奇妙でならない。幸介は、自分と同じように傍観者になってしまった真弓に親近感を抱きだした。
こうして、敵対関係にありながらも、幸介と真弓の間に不思議な交流が生まれ始め―――


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客入れの音楽は、小鳥のさえずりが入っているヒーリング音楽。
美術は、舞台全体を使って吹き抜けのある戸建て住宅を設置。リビング、リビングの掃き出し窓越しに庭、下手側に階段。庭には手入れの行き届いた植物が多数。転換はなしのワンシチュエーション。
建物、家具、インテリアもスタイリッシュなモノトーンで統一。カウンターテーブルとハイスツール、黒のリクライニングチェア、白いソファ、黒のローテーブル、階段の壁にリトグラフの額が3枚。上手の壁にここだけインテリアにそぐわない、子供が描いたと思われる絵が掛かっている。

暗転は多めで、休憩が1回。

岸田國士戯曲賞受賞作を14年ぶりに再演とのこと。初演は未見です。
永井愛さんの練られた脚本、丁寧な演出、一体感のある上手い役者陣で安心して観ていられました。
出てくる人物は全員、どこかで見聞きしたような人たちばかり。「あ~いる、いるこんな人」と思わせてくれます。もちろん、どこかに自分の一部も見え隠れしていることに気づき、なんとも、もぞもぞした気分になったり。
クスクスと笑いながら、最後にどん!と闇がやってきます。本音と正論、家族と親族、厄介だけど避けられない現実の関係性。
「真弓さんが育てているミニバラが欲しい」と最後に願う幸介。彼にとって、真弓が育てた1鉢のミニバラは「正論」の象徴であり、変われるかもしれない自分の希望でもあったわけです。そして、ほのかに芽生え始めた許されない恋心でもあったのですね。。
「人は本当に変わることができるのか?」そう問いただされているような気がします。
人というものは多面体でできているもの。単純に「いい人」と「悪い人」に分けることができるものではなく、「いいときにはいいし」、「悪いときには悪い」ものなんですよね。
暗くもなく、笑いながら観ているのに、最後にはなんだか怖い。。そんな気持ちにさせられる作品でした。決して後味が悪くないのが不思議な感じです。

役者さんたちについては。。
鶴見辰吾さん、いいですね~♥ 大人の色気がこんなに出せるのに、少しもいやらしい感じがありません。ラスト近くで、ワイシャツ&スリムな黒のパンツに着替えてからは別人のようなオーラが出ていました♪
草苅民代さん、透明感のあるナチュラルなお芝居をされるんですね。ただ、何度も噛んでいたのが少々気になりましたが。
二瓶鮫一さん、間のとり方や表情、所作がいちいちおもしろい♪ さすがですね~ 映画版『12人の優しい日本人』で演じられた陪審員4の役が記憶に残っています。「ロンロンの焼きうどんは‥うまい!」この台詞を言うときの間、表情が秀逸でしたっけ。

カーテンコールは1回。
大千秋楽だからですかね、舞台上から鶴見辰吾さんが客席にいらしていた永井愛さんを呼ばれて。堀部圭亮さんと小豆畑雅一さんに引き上げられて登壇され、全キャストさんたちとハグをされておりました。とても嬉しそうにお見受けしました。


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フライヤーの裏。



人物相関図。




パンフレット B5判500円。
永井愛・小島慶子対談/出演者&永井愛の稽古場対談/稽古場の風景。


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