紀伊國屋ホールにて、紀伊國屋ホール開場50年記念『熱海殺人事件 Battle Royal』 2月22日(土)開演14:00を観劇。
【作】つかこうへい
【演出】岡村俊一
【音響】山本能久
【照明】松林克明
【音楽】からさきしょういち
【映像】ムーチョ村松
【衣裳】山下和美
【出演】
馬場徹:木村伝兵衛部長刑事
大谷英子:婦人警官水野朋子
柳下大:犯人大山金太郎
牧田哲也:熊田留吉刑事
【爆弾?】
山下翔央
久保田創
※「爆弾」とは「ゲスト」ではない。だから「壊す」ために現れる。
メインキャスト全員が震え上がるだろう(笑)…
しかし、稽古場で、すでに壊し始めたら初日には何が起きてるかわからなくなっちまうぞ(笑)
[演出家:岡村俊一ツイッターより@okamurashunichi]
【ストーリー】
新聞の三行記事にさえならないような殺人事件をおかした、職工の大山金太郎。彼は何故、同郷のアイコを殺さなければならなかったのか?
警視庁の取調室で繰り広げられる攻防の中で、やがて、真実が明らかになっていく。
公式サイトはこちら → 『熱海殺人事件 Battle Royal』
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※ネタばれがありますので、ご注意くださいませ。
客入れの音楽はなし。
チャイコフスキーがかかり、客電が落ちて芝居が始まる。
劇中使用曲に、大滝詠一「恋するカレン」、マイペース「東京」など。
美術は、取調室とおぼしき部屋。
奥に3個の天井近くまでのスクリーン状の窓。中央に重厚でレリーフのある木製の机、右に椅子が1脚、左に事務用らしい木製の平机と椅子。
芝居が始まってしばらくしてから、プロジェクションマッピングでばらばらなタイトル文字が背景に映し出される。
赤い照明が印象的。
全編、舞台から客席に向かって、弾丸がエンドレスに打ち続けられているような膨大な台詞の量とスピード。
とにかく、熱い!
この作品は決して喜劇などではなく、それらしい体をとっているだけ。
笑いの中から問いかけてくるものは、「人が人を見下すこと」という傲慢で残酷な理不尽さ。
「それでいいのか?」「本当にそれでいいのか?言葉にさえしなければ、面と向かって発しなければいいのか?」と。
誰もが思うところがあるであろう真実をむき出しにして、目の前に突きつけられる。
そして、これは木村伝兵衛部長刑事ではなく、犯人大山金太郎の物語。
彼を通して、地方、貧困、親からの仕打ち、職業などの格差と差別からくる偏見への怒り、苦しみと悲しみが浮き彫りになっていく。
ラスト。木村伝兵衛部長刑事が「火をつけてくれないか?」 熊田留吉刑事が煙草に火をつけ、一服した後。「いい火加減だ!」とポーズをとるシーンにぐっとくる。
馬場徹さん、貫禄たっぷり。
牧田哲也さん、せかせかとした小心者の刑事が意外によく似合って。声がものすごく出ていて聴きとりやすく。
柳下大さん、垢抜けないもっさりとした大山金太郎を好演されて。体がくるくるとよく動くのが、性格とギャップがあっておもしろく。
大谷英子さん、チャーミングで厭らしくないエロスがあり。特に、殺人の再現シーンでの感情表現がいい。
カーテンコールは2回。
1回目と2回目の間。つかこうへいさんの作品ダイジェスト版をキャストさん総出で演じて。
キャストさんたちによるティッシュ配りもあり♪
もらえなかったのだけど、お近くの方が2個もらったとかで、1個いただきました♪ ありがとうございます^^
客席いじり。
犯人大山金太郎登場シーンで、一輪の赤い薔薇を渡す。
木村伝兵衛部長刑事、客席に降りてハグ。
劇中の内輪ネタ。
柳下さん→牧田さんへ。
「休憩中にバナナ食べるのはいいけど、食べてる口の中を見せるな!」
「○○(曲名失念)を弾き語ると女は落とせる!って言ってたよな?ここでやって!」
牧田さん、本当にお困りのご様子。心が折れそうになりながらギターを弾く真似を少々。
「いつもギター持ってるわけじゃねぇ~!」と逆切れ。
牧田さん→柳下さんへ。
「なんでおまえだけCDデビューするんだよー?!」
お二人共、D-BOYSなのになぁ~(笑
爆弾のみなさん、とてもがんばってたけど、一杯一杯な方もいらして観ていてなんだか気の毒になったりして。
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フライヤーの裏。
パンフレットA4判 2000円。クリアファイル入り。
製本されていないカード式。珍しいタイプね~初めてかも。
こちらがいただいたティッシュ♪ 犯人大山金太郎バージョン。他にもあるようです。
馬場さん曰く、「当たりがあったら楽屋へ。女も男ももれなく抱きます!」とシュールなジョークを。
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余談。
昔、大学時代に演劇同好会なんぞに入っておりました。とはいえ、プロンプしたり、照明やったり、暗幕や蓄光テープ張ったりのスタッフという名の雑用ですが。
旗揚げのときに、第三舞台「朝日のような夕日をつれて」。その次が「熱海殺人事件」。
なので、個人的にこの作品に思い入れがあり。
観劇していて驚いたのは、結構、ストーリーや台詞を覚えていたこと。あ~この次の台詞はあれだ~とか。
卒業してその後何度かあった引っ越しで、どうやら台本は処分してしまったらしく、今は手元にありません。
とっておけばよかったかなぁ。。
そういえば、当時の同好会で木村伝兵衛部長刑事役をやったU君。ひどい汗かきさんで、振り向きざまに台詞と一緒に汗がびゃー!と観客側に飛んできたっけ。ドーランも一発で落ちてたし(笑
U君、お元気だろうか?