座・高円寺で扉座第51回公演 『端敵★天下茶屋』 10.19(金)開演19:00 を観てきました。
※若干のネタばれがありますのでご注意くださいませ。
【脚本・演出】横内謙介
【キャスト】
六角精児:白鳥忠
岡森諦:奥寺剣路
有馬自由:大野段七
累央:早見春平
新原武:橋田闘馬
松本亮:西とおる
鈴木里沙:奥寺晶子
趣里:研究生栗崎メイ(チヘド)
高橋麻理:リツ子
江原由香:トモリン
高木トモユキ:渡良瀬省三
中原三千代:明鏡先生
伴美奈子:宮ノ森・さざれ石
串間保彦:研究生シゲル
松原海児:研究生タツヤ・黒い男
野田翔太:研究生マサオ
【ストーリー】
悪役専門俳優のバッドファイブ。なんとか500万のお金を工面し、自分達が正義の味方を演じる自主公演をうつことになった。
ひょんなことから稽古場に元Vシネマのプロデューサー白鳥が加わり、演目内容の変更をアドバイスする。そのアイデアに皆が乗り気になり、白鳥を正式にプロデューサーとして迎えて、軍資金の500万を通帳と印鑑ごと渡してしまう。
これがことの発端になろうとは、そのときは誰も予想もしていなかった。白鳥は良心の欠片もないどうしようもないくず男だったから、さあ大変! 翌日には全額を引き下ろし、ギャンブルで使い果たしてしまう。使い込みがばれても言い訳やら泣き落としやら、あの手この手で逃げる算段をしているうちに、過去の因縁からとんでもないことに。。
公式HPはこちら → 扉座
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特に舞台装置らしきものはなく、稽古場という設定で使い込んだソファやローテーブル、派手な衣装をかけたパイプハンガーなどが置いてあります。暗転時にキャスト自らが移動させたりしておりました。
今回は、六角精児さんお目当てで観にいきました。さすがに上手いしおもしろい! くずなダメ男なのにどこかチャーミングで、観ていて不快にならないところがは六角さんならではだと思われます。
劇団員のみなさんも活き活きとして、あて書きならではのおもしろさが存分に出ていたと思います。殺陣やアクションシーンも危なげなく、きっちりとできあがっていましたし。お稽古はさぞや大変だったとは思われますけども。。
客演の趣里さんは意外と言ってはなんですけど、思いのほかよかったですね~ ご存じの方はご存じでしょうけど、あの水谷豊さんと伊藤蘭さんの娘さんです。いわゆる二世俳優さんですね。
クラシックバレエをやってらしたので、スタイルと姿勢は抜群ですし、ものすごく体が柔らかいのでお辞儀の度に体が完全に二つ折りになります。良くも悪くも純粋培養といった感じのピュア。この雰囲気と姿で、「耳の穴から手ぇ突っ込んで奥歯がたがたいわせるぞ!」と絶叫されたときにはかな~りびっくりしましたよ(笑
正直なところ、数年前の扉座公演『ドリル魂』の客演に、AKB48<渡り廊下走り隊>が出ていたことがあって、またぞろ客寄せパンダなんだろうか。。と勘繰っておりました。『ドリル魂』のときは、客演の彼女たちはともかく、彼女たち目当てのオタクな方々の言動がひんしゅくをかっていたらしいし。
今回はどうもそうではないらしいですね、横内さんのブログによると → 「横内謙介Diary」
趣里さんは、これから女優としてどう化けるか気になるところではあります。
ラストシーン、バッドファイブが舞台後方に一列に並んでいる姿に、脇役、悪役として生きていくことの哀しさ、役者としての誇り、自負、報われないことへの憤り。。そんな思いが感じられてぐっときてしまいました。
カーテンコールはなく、あっさりと終了。
28日(日)まで、座・高円寺で公演しております。
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パンフレット♪ 登場人物とその関係図。
客演の趣里さん。お顔ものすごく小っさいです♪
座席に置いてあったフライヤー。次回公演のお知らせですね。
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余談です。
数年前、某劇場に渡辺えりさんと小日向文世さんの『ミザリー』を観にいったときのことです。
お隣に座られた女性と開演までしばし雑談などしておりました。もちろん初対面なんですけど、結構、こういうことありますね。
で、その方、コアな演劇&扉座ファンらしく、年間100本は舞台を観るとおっしゃっておられました。すごい。。
扉座のファンクラブに入っていたとかで、今はもうそんなことは忙しくてなさらないとは思いますけど、本公演前には、六角精児さん御自らあの渋いお声でチケットのお願い電話があったそうです。羨ましいですねぇ。。
他にも、横内謙介さんにお願いしてワークショップを開いたりしたことがあるそうです。
なかなか興味深いお話が聞けて楽しかったですよ♪
昨日の記事は11日に観劇した『樹海』についてでした。
その公演のあった、ル テアトル銀座のすぐ手前には、「警察博物館」というのがありまして。いや、入館はしませんでしたけども(笑
正面玄関前に展示されていたものがなかなかな感じでしたので、数枚、携帯で撮影などを
テレビのドラマでお馴染み、「ピーボ君」♪ かなり大きいです! 子供の背丈くらいはあったかと。。インパクト大です。
本物の白バイ♪ かっこいい! 跨って撮影している方もいらっしゃいました~
はい、こちらは正面♪
白バイについて♪ バイクはさっぱり。。なので説明を読んでも、なんのことやらわかりませ~ん(笑
ル テアトル銀座で『樹海-SEA of THE TREE-』、東京公演の千秋楽 10/11(木) 開演14:00 を観てきました。
※若干のネタバレがありますので、ご注意くださいませ。
【作・演出】鈴井貴之
【音楽】吉俣良
【美術】土岐研一
【照明】佐藤公穂
【キャスト】
岡田達也(キャラメルボックス):佐々木
佐藤めぐみ:リエ
井之上隆志:齋藤
石井正則:高橋
納谷真大:タヌキ
鈴井貴之:キツネ
【ストーリー】(フライヤーより)
それぞれの事情を抱え、自殺の名所である「樹海」に迷い込んだ三人の男と一人の女。
ところが‥リュックサックいっぱいの食糧を抱えてきた者、「ここは自分の陣地だから、自分以外はここでは死なせない!」と主張する者、などそれぞれ様子がおかしい。そのうち彼らは、「私が死のうと思ったわけ」と題したプレゼン大会をはじめる。
それぞれの理由を聞いているうちに四人は気づいてしまう。本当に死ぬ気はなかったのではないか‥と。
しかし、彼らが迷い込んだのは「樹海」、一度足を踏み入れたら二度とは出られぬ「樹海」。果たして四人の運命は?!
公式HPはこちら 『樹海-SEA of THE TREE-』
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舞台装置はシンプル。落ち葉が敷き詰められた床。樹海の森をイメージしたデザインが描かれた、大きな長方形の箱が幾つも重ねられ、それが数ヶ所に点在。
照明は天吊り以外に舞台の客席側にフットライトが一列に並んでいて、舞台装置と相まって幻想的で美しい光景を作り上げておりました。
音楽も物悲しく、それでいて美しく、この舞台にぴったりと合った素敵な音楽でした。
舞台装置、照明、音楽がお互いにお互いを高め合うような素敵な空間でした。
登場人物は四人。後半で某食品メーカーの製品と関係なくはないよね~、という感じの赤いキツネ(着ぐるみ)と緑のタヌキ(着ぐるみ)が登場しますけど(笑
それぞれに事情を抱えて死ぬために樹海にやってきた四人。そのわりには、大きな荷物を背負ってきたり、切実なんだかそうでもないんだかよくわからないところがやたらにおかしいのです。
プレゼン大会にいたっては、笑い!笑い!笑い! 本人が真剣なだけに余計におかしいわけで。
ラストには大どんでん返しが待っており、ビジュアル的にはインパクトのある造形が背後にぶら下がり。。。
齋藤氏の言葉と、一人樹海に残る彼の姿には涙が溢れてきました。。
“生きること” “死ぬこと” を改めて考えさせられた心に染みるいい舞台でした。
岡田達也さんは、いつものキャラメルボックスでのキャラメルキャラメルした演技ではなく、自然体の演技が観られてよかったなぁ~と思いました。やはりちょっと悪い感じでへたれな感じが「腹黒王子」の名に恥じぬかと(笑
佐藤めぐみさんは、お初にお目にかかったのですけど、きれいなお顔に似合わずいいはじけっぷりでよかったですね。岡田達也さんのブログで、佐藤めぐみさんが舞台袖で「股関節が云々」と言っていたと書かれていた原因がわかりました。なるほど~納得。これはくると思います
元カクスコの井之上隆志さんは、もうとにかく上手い! なにをしてもしなくてもおかしいし♪ あの独特の声色、台詞回し、身振り手振りの所作がとにかくおかしいんですよ♪
グループる・ばる の『八百屋のお告げ』で、ラーメンオタクのかっぱちゃん(HN)を演じていらしたときにも、「おもしろいなぁ~」と思っておりました。
石井正則さんは、小柄なのに背中を丸めながらちょこまかと動き回るし、プレゼン大会のくだりでは客席から拍手までいただくほどおもしろかったですよ~
赤いキツネ役の鈴井貴之さんは、ずるいですねぇ~ この役はずるいですよね、おかしすぎますもの、存在自体がもうおかしいです。公式HPにあったご本人の弁によると、「これで全部かっさらう予定」だったとか。思いがけず、キャストのみなさんがどんどん笑いをとってしまったので、かっさらうまではいかなかったようですけども(笑
東京公演の千秋楽ということもあり、カーテンコールは三回♪ 三回目はお客さんがほぼ全員手を上げての拍手に!
カーテンコールでのキャストのみなさんの一言で、岡田達也さんが「今すぐビールが飲みたいです!」には笑えました。尿酸値がまた上がりますよぉ~(苦笑
最後に鈴井貴之さんからのメッセージを。この後、名古屋公演と大阪公演が控えておりますが、まだお席に余裕があるとのことです。お知り合いの方がいらしたら是非!劇場に足を運んでいただきたいとのことです。
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『樹海-SEA of THE TREE-』のフライヤーです♪ トップ画像はホワイエに置いてあったほうのフライヤーです。
観劇名物、フライヤーの束の中から、気になるものをチョイス♪
う~ん、でも、こんなに全部は観にはいけませんね。。 11月は4公演、12月は2公演、すでにチケットを入手済みですし。
久しぶりに美術館にもゆっくり行きたいしなぁ~時間がもっとあるとよいのになぁ。。
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余談です。
今回の公演があった、ル テアトル銀座は公式HPによると、「銀座テアトルビルの売却決定に伴う譲渡先との協議の結果、当ビル内の「ホテル西洋 銀座」「銀座テアトルシネマ」「ル テアトル銀座 by PARCO」の3事業所の営業について2013年5月末日(予定)をもって終了いたします。」とのこと。
また、劇場がひとつなくなっていくのですね。。青山劇場・青山円形劇場もなくなりますしね。寂しいですね。。
昨日の午前中はひんやりな雨降り。雨降りは嫌いじゃないんです、むしろ好き♪ ただし、風がなければだけども
雨の中を近くの園芸店までお買い物にてくてくと。午後から日差しが出るというので、ガーデニングをしようかと思って。
それにしても、大きめの袋が2つと傘さしは何気にテクがいりますね~(笑
途中の道端で、雨に濡れた様子が風情があったので撮影
エノコログサとヒメジョオン。穂先に水滴を宿して。。
昨日、携帯の芸能ニュースを何気なく見ていたら、訃報が。。 俳優の大滝秀治さんが亡くなられたそうです。
劇団民芸代表であり、数々の映画やドラマ、舞台で活躍された方です。肺癌を患っておられたのですね。。
子供の頃からテレビのドラマでいつも観ていました。とても渋い、それでいてどこかチャーミングな男性を演じておられました。時には気迫の込もった演技で、観ているこちらが本当にぞっとするような表情を観せてくださったものです。
生前に大滝秀治さんご本人が、「おまえの声は耳障りだ!」と言われていたとおっしゃっておられました。そして、ぽつんと、「でもこの声でやってきたんだよねぇ。。」と。
確かに澄んだよく通る声ではないと思いますけど、あの独特な掠れたような声が逆に魅力だったように思います。
「どんな役でも楽しんで精一杯、演じるのだ」ともおっしゃっておられました。その言葉どおりに、どんな役でも少ししか出番がなくても圧倒的な存在感があり、誰よりも観てしまう稀有な方でした。
西田敏行さんが大滝秀治さんについてコメントされており、、「『あの芝居よかったね』じゃなくて『あそこにいたね』っていう言われ方が最大の誉め言葉だと思う、とおっしゃってましたね」とのこと。
深いですね。。とても。
いわゆるいい役だったり、出番が多かったり、台詞が多かったりしても、存在感のない方や記憶に残らない方は多いですよね。ほんの少しの出番なのに、それ以外を全部食ってしまうような方が魅力と実力を兼ね備えた俳優、役者なのでしょう。
もう、あのお姿を観ることは過去の作品だけになってしまいましたね。。
ご冥福を心の底からお祈り申し上げます。そして、素晴らしい演技をありがとうございました。