ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

お月様と君と

2013年12月12日 | 歌う





    糸瓜(へちま)なく 蔓葉の枯れるネット越し 夕空見上げる 少年笑う

   ウレタンのマットの上で肩寄せる 笑う子どもの体温ぬくし

   君の部屋 この半畳のウレタンで 月のかかりし 薄暮の天井




       B君は、三以上の数を理解できない子でした。
       ぼくとママと兄ちゃん、ぼくと先生とあっ君(友達ひとり)。
       りんごとクッキーとおせんべい。
       ランドセルと水筒と上着。

       笑う。怒る。パニック(爆発する)。

       おおぜいの中は苦手、
       秩序と緊張に耐えられません。


       あの日、
       たまたま、ふたりだけで遊ぶことができた夕方。
       みんな教室に入ってしまって、
       校舎の陰に捨て置かれたマットレスに坐り、肩を寄せ合ったあの時、
    
       きみは無邪気に笑って、クックと喉を鳴らして、
       「ほら」と空を指さして、
       振り返って、にこっと笑って、

       お月様、B君、私、だけの世界、
       ほんとにしあわせだったね。

       十二月の初めの、夕闇の中、
       しんしんと冷気が降っていたけれど、
       ほのぼのと温かい
       ふしぎな時間! 




        ああ、陶器が陶器を作るものに抗議するように
        自分を作った者に抗議するもの。
        粘土は、形作るものに、
        「何を作るのか」とか、
        「あなたの作った物には、手がついていない」
        などと言うであろうか。
                         (旧約聖書・イザヤ書45章9節)