ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

食パン

2015年10月02日 | 食べ物



       散歩のついでに、自家製パンを作って販売している店に立ち寄った。
       もう夕やみ迫るころで、ウリの菓子パンや調理パンはかなり少なくなっていた。

       棚の高いところにある食パンが目に入った。
       ビニールの袋の口を開けたまま陳列している。
       焼きあがった後の湿気を飛ばしているらしい。

       「ホヤホヤよ」という感じに惹かれて、買ってしまった。



              

       

           帰宅して、トーストもしないで一枚を食べた。
           やわらかすぎて、パンではない物を食べている感じ。

           ほんのりとした甘さと切なさが口に広がる。

           高校生の時、
           木炭デッサンするためにパンを一斤買ったっけ。

           真ん中をごっそりとちぎって、半分食べて、半分を手の中で丸めて
           イーゼルに架かったデッサンに向かう。
    


              


               ハンサムな石膏たちを見つめて息をのむ。、
               暗くて静かな美術室の壁際で、
               どこか遠くを見つめている

               遠い国の、遠い昔の
               英雄たち、

               その視線の先が見えなくて、
               もどかしく、ちょっとさびしかった午後。

               あのときの味!
                    食パンの味!!