ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

グレイス・ケリー

2015年10月26日 | 観る


     テレビの深夜映画で、
    
    「ダイヤルMを廻せ!」を観た。

    ビデオで何度も観て、
    筋書きも覚えているけれど、
    グレイス・ケリーってこういう美女だったんだと、
    改めて見直した。
    今では、決して存在しない「美女」

    目鼻立ちのきれいな人は同時代の女優さんにたくさんいるし、
    今でも、美しい人はたくさんいるでしょうが、
    ケリーは、完全なお人形として作られたらしい。

          

    脚本や、その背後にある、時代の思想が求めたので、
    これが本当のグレイス・ケリーではないと思うけど、
    殺人事件に巻き込まれたあと、
    夫の言いなりに、
    夫の背後に隠れるようにして、、
    夫の意図する通り死刑囚に仕立てられていくあたり、

    今なら、決してありえない?

    冤罪から抜け出すのも自らの力ではなく、
    刑事の冷徹な観察眼が事件の矛盾点に着目したためであった。

    あくまで、受け身で、あくまで人形のイメージを保った女優は、
    ふさわしくモナコ公国の公妃となって、
    美しい伝説の中で、交通事故死した。

       それは、悲劇ではなく、
       
       あるいは、老醜という悲劇を免れた幕切れだったのかもしれない。

       ダイアナ妃が、そうであったように。