テレビの深夜映画で、
「ダイヤルMを廻せ!」を観た。
ビデオで何度も観て、
筋書きも覚えているけれど、
グレイス・ケリーってこういう美女だったんだと、
改めて見直した。
今では、決して存在しない「美女」
目鼻立ちのきれいな人は同時代の女優さんにたくさんいるし、
今でも、美しい人はたくさんいるでしょうが、
ケリーは、完全なお人形として作られたらしい。
脚本や、その背後にある、時代の思想が求めたので、
これが本当のグレイス・ケリーではないと思うけど、
殺人事件に巻き込まれたあと、
夫の言いなりに、
夫の背後に隠れるようにして、、
夫の意図する通り死刑囚に仕立てられていくあたり、
今なら、決してありえない?
冤罪から抜け出すのも自らの力ではなく、
刑事の冷徹な観察眼が事件の矛盾点に着目したためであった。
あくまで、受け身で、あくまで人形のイメージを保った女優は、
ふさわしくモナコ公国の公妃となって、
美しい伝説の中で、交通事故死した。
それは、悲劇ではなく、
あるいは、老醜という悲劇を免れた幕切れだったのかもしれない。
ダイアナ妃が、そうであったように。