1/6 木曜日のVoiceから 芥川龍之介の河童
木曜担当の評論家のみやざきさんが言ったこと。
生きる価値のない生命なんてない。
最初に取り上げた例は相模原の殺人鬼、
それから妊娠中に胎児の異常を見つける。
数字はメモできなかったけど異常とわかった母親の90何パーセントが
人口中絶したとか。
私はフランス滞在中に何人のダウン症の子供を見ただろう?
あの子供を持った親がこの検査方法を知っていたら
どうしただろう?
あの頃、ダウン症の子は長く生きられなかった。
障害があろうとなかろうと、生まれた子を愛してくれる親は多いと思う。
でも子供が5歳ころに亡くなってしまったら
その悲しみはどんなだろう。
死んでくれて助かったと思うことはないと思う。
それでも生きていてほしかったと思うだろう。
親というのは子供が健康に生まれなかったとき
子供より先に死ぬほうがはるかに心配なのだ。
このことを考えていて芥川の河童を思い出した。
河童の胎児は生まれる前に医者のような人に生まれるかどうかを問われる。
すると胎児は「これこれの理由で生まれたくない」と言えるのだ。
医者は生まれてこないための処置をしてくれる。
この本を読んだころはそんな風に思わなかったけど、
科学的に、医学的にこんな胎児の希望が聞けるような時代があればいいと思う。