雀のチータンたち

雀は言語を持っていて社会生活をしている。縄張りがない。
他の鳥の子を助けもする。雀は鳥たちの影の指導者なのだ

11/15 カメラの前を通過する人

2024-11-15 10:16:15 | 動物の心理

11/15 カメラの前を通過する人



でもこれはカメラをハンカチかなんかでカバーした。

豊昇龍がタカカを投げたあとの瞬間。

1日もそうだった。

勘さまを撮ろうとしたら、

カメラの前に指が出た。

すごくびっくりした。

撮らなかったというより、撮れなかった。

引いた。

誰がと思ったけど、カメラマンしかできる人いない。


勘さま、撮られるのが嫌でカメラマンに言った?


じゃ、豊昇龍もそう?






11/15 似ていた 第12話 京太郎って

2024-11-15 10:14:37 | 動物の心理

11/15 似ていた 第12話 京太郎って


京太郎は仕事仲間と話すことはあっても、飲みにいくことは稀だった。

京太郎の育ての父はとうの昔に亡くなった。

京太郎の生まれた実家とはもうなん十年も会っていなかったので

道ですれちがってもどちらもわからなかっただろう。


京太郎の個人的につきあっている女性たちは

京太郎に熱烈な恋をすることが自分たちのためにならないことを

本能的にわかったいた。

だから優子も幸子も知子も真理子も、誰も京太郎を独占しようなんて考えなかった。


京太郎は優子の家にもよく行ったけど

幸子の家にも、真理子の家にもよく出かけた。


幸子の家は親・兄弟の他に祖父母も健在だった。

真理子の家は女ばかりで、母と祖母とメス犬がいた。


京太郎は自分の家でボンヤリ窓から空を眺めていると

京太郎の考える育ての父と過ごした日々を思い出さずにはいられなかった。


父が京太郎に女を教えた。

父は芸者遊びをした。

そういう場に京太郎はよく連れて行かれた。

京太郎に芸者たちはいろんなことを教えた。

触らせてもくれた。

京太郎は中学を終わっていたので、女に興味を持っても不思議ではなかった。

でも京太郎の主人、育ての父が亡くなるころには

京太郎の女への興味は完全に失せていた。

京太郎は思い出す。 

父が世話をしていた年配の芸者を。

彼女は家に来て、食事なんか作ってくれることもあった。

しかし、夕食の後、父に寄り添う姿はなまめかしく、京太郎は大嫌いだった。

彼女は京太郎の視線に気づいていて、気をつけていた。

それでも、少し酔いがまわると女になってしまった。

父が亡くなってから来てくれたときは、京太郎ははっきりもう来ないでくださいと

言い切った。

京太郎は育ての父の妻のことはまったく聞いていなかった。


京太郎の心の奥に家庭への憧れが潜んでいたから元妻と結婚をしたけど

元妻も女でしかなかった。


だから取り巻きの若い女性の誰にも触りたい欲望なんて起こらなかったし

京太郎が一派ひとからげで娼婦と呼ぶ女たちには軽蔑の念しかなかった。


それより京太郎は仕事が好きだった。

仕事の妨げになるようなことはしたくなかった。


あれは幸子だったか?

京太郎に会ったとき、クンクン鼻を動かした。

ん? どうした?

血の臭い? 怪我した?

ううん、怪我なんかしてないよ。

さらに嗅いで気にせいかもと言った。

生理と同じ臭いがしたから。


それは初めて血を出した後だった。

眠った女を風呂場に連れて行き、手首を切った。

その手首を浴槽の湯の中に入れたとき、京太郎の手に血がかかったのだ。

京太郎は手を浴槽に入れて洗った。

血はついていなかったはずだけど・・・・

血を出すのはリスクがあり過ぎると京太郎は考えた。




第13話