子どもの頃、
「うわぁ、綺麗な花」
男の子のくせに花が好きだった。
そして、道端に咲く花を途中からもいで、
家に持ち帰っては母に叱られた。
「せっかく綺麗に咲いてるのに、それを台無しにして」
母の怒りは ごもっともなことで、いつしか私もそれをやめた。
時は経って、私も大人になった。
「うわぁ、綺麗な花」
そう呟いては持ち帰っていた。
ここは飲み屋街。
決して自由な場所ではないのに、
私は自由に振る舞っていた。
数年前まで癖は抜けなかった。
同じ会社の子たち、
お好み焼屋のバイトの子、
同業他社の子、
無数の水商売の女性たち、、、
本当にごめんなさい。