前回は「同時視」について書きましたが、今回は両眼視機能の第2段階の「融像」です。
左右の眼には別々の像が網膜に映っていますが、その像を1つにまとめて単一視する機能を「融像」といいます。網膜には一番視力の出る中心窩があり、それは左右の眼は共通の視方向をもっています。中心窩から外れた範囲でも対応点があり、単一視ができるようになっています。対応点でないところは融像できないということになります。
融像は大脳の精神的作用のようですが、当たり前にやっているこの融像、実はかなり大変です。融像できないこととして、弱視、抑制(前回書いた分)、眼の筋肉(外眼筋)麻痺、左右の屈折異常などが大きく違うなど、ほかにもあります。それら邪魔することがなくて、初めて「融像」が可能になります。
↑検査ではわざと融像を遮断して、眼の向きの検査をしたりします。
融像だけでなく人の体というのは、本当に複雑なバランスのもとに作られていて驚きです。設計した造物主さんはスゴイとしか言えませんね。