スタッフのつぶやき

CIL東大和のスタッフが徒然なる日常をつぶやきます。時にズバっと斬りこみます!

サバイバル合宿終了☆

2012-10-10 23:00:10 | インポート
eです。
長いですよー。

moe子もアナウンスしてくれた、
呼ネット主催、人工呼吸器ユーザーの自立体験(サバイバル)合宿…

終了いたしました

呼吸器ユーザーの中にも、
自立したい、一人暮らしをしたい、
と思う人はいるんです。

でも、どうしても医療色が強くなると、
はじめの一歩を踏み出せない

障害者というだけで親等の管理、保護が強いのに、
呼吸器ユーザーなんて言ったら、
「そんな大変な人たちが自立生活なんて…
と、周囲から相手にもされない事多々あり。


でも、私たち、やってるもん
本気でやろうと思ったらできるもん


それを、自立希望者にも実感してほしくて、
社会にも見せつけてやりたくて、
私が企画いたしました(わーい、嫌な予感☆)


対象は、「本気で自立したい呼吸器ユーザー」

本気じゃないと、危ないんです
本人が乗り気じゃなかったら、必ず事故が起きるんです

申込者は3人。
次世代の呼吸器ユーザーのリーダーとなりうる3人
自発呼吸も1分と持たない重度の、若い、呼吸器ユーザー達


本気で申し込んできたからには、
こちらも本気で受け止めます


本気企画①
講義は、自立生活に必要な様々な制度や法律の勉強、
そして自立生活に欠かせない自己責任(主体性を持つこと)の理解。
心得ておいてほしい事はたくさんあるので、
容赦なく朝10時から夕方までみっちり講義&実習
年金や手当の制度、
生活保護の制度、
生活福祉資金の制度、
日常生活用具や補装具の制度、
介助者派遣の制度、
医療の制度、
介助者が医療を行なう上での制度、
自立とは何か、何のために自立するのか…。

本気企画②
看護師の常駐はなし!
とはいえ、一応なんかあった時の相談のために、
朝2時間だけ待機してもらう事に
それも、参加者から特に相談がなければ、待機で終了。
バイタルチェック等の義務化はつけませんでした。

本気企画③
大浴場で、サバイバル入浴してもらいます
呼吸器ユーザーのほとんどは、
訪問入浴サービス等しか使っていません。
でも、合宿って言ったら、やっぱみんなでわいわい風呂でしょ。
裸の付き合いは、日本人の心でしょ。

本気企画④
調理実習もするよー
事前レシピ無し。
その場でメニューを考えて、
周りにいる介助者に指示を出しながら料理してください!


この辺までは、表企画。


でも、実際の合宿の本気度が一番現れていたのは、
多分、この条件

「介助については、自分の家族、友人や、
 普段入っている介助者は立ち入り禁止。
 呼ネットで準備した介助者を使って3泊4日過ごしてください。
 もちろん、事前実習はなし。合宿当日初めて会う人です。」

今まで親の介助が中心だった参加者達。

親は、何も言わずに、慣れた方法で生活のすべてを介助してくれる。
でも、それをいざ他者に伝えるとなると、非常に難しく、
親のように介助できる介助者なんて、実際、いないんです

その中で、必要最低限、ここだけは気をつけてほしい、
というポイントをあらためて振り返り、
事前に自分でマニュアル作りをしてもらいました

自分ではうまく書いた、と思っていても、
それが意外と伝わりにくかったり、
気にしてくれるポイントがずれていたり…。
そんな事は、自立生活の中では日常茶飯事な訳で

そして、自分の介助に入ってくれる人の中には、
何年も継続的に入ってくれる人ばかりではなく、
1年や2年でどんどん入れ替わる事も多い訳で

自分の介助の在り方を、他人に、的確に伝えていく、というのは、
自立生活の中で一番大変な事かもしれない
と私は思っているのです。

なので、この合宿では、その大変さを体感してもらおうとw


結果は…
あえて「無事に終了」とは言いません…

毎晩、講義の後に設けた「交流会」には、
3晩とも参加者全員が参加してくれて、
夜更けまでいろんな事を一緒に語りました。

今まで言えなかった自分の気持ちを、そこで初めて言えた
と言う人も。
最後の晩や、解散時に、感無量で涙する人も

みんな、
「参加してよかった!
「すごく自信がついた!
と、喜んでくれたのは、こちらも非常にうれしかったのですが…

こんなハードスケジュールをこなした経験のある
呼吸器ユーザーなんて、あんまりいませんので、
合宿ほぼ終了時から、みんな身体を壊し始めました

まったくの他人である介助者に命を預け、
緊張の連続だったでしょう
毎晩夜更かしで、睡眠不足もあったでしょう
なにより、ハードスケジュールで疲れたでしょう

気が抜けたら、一気にぐったりですよね…(笑)

でも、これが自立生活

他人である介助者がひっきりなしに出入りする一人暮らし、
100%気を抜ける瞬間なんて、無いんです

介助者も、自分も。

その中で、お互いに居心地のいい位置を、
見つけていくんです

机上の体験合宿ではなく、
身体を張った自立体験。

今後、参加者さん達の人生に、
どのような影響を及ぼしていくのか、
主催者のひとりとして、楽しみにしていきたいと思います

とりあえず、死者が出なくてよかったです…ホントに…

最後に、企画、運営、介助サポート等に
多大なご協力をいただいた皆様、
助成金を給付してくださったキリン福祉財団さんに、
心から感謝申し上げたいと思います。

ありがとうございました。


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