大地をはしる天の川

知ってるか？

天の川は空だけにあるものじゃないってことを。

僕は見たんだ、自分の足下に流れる天の川を。

福岡ー東京間なら新幹線より飛行機のほうが安い。

空港から都心までのタイムラグを見積もっても２時間ほど飛行機のほうが早く着く。

さらに、窓から見える景色が全く違う。

昼間は青い空と白い雲、神様にでもなったような視点で大地を見下ろし、空と海の境を漂う。
晴れた日には、富士山も見下ろせて、移動時間が最高のエンターテイメントになる。

夜はさらに幻想的だ。

羽田空港の広い滑走路には、地方空港とは比にならないくらいのライトが光っている。

宝石でちりばめられたような滑走路を駆け巡る。
空からみた夜の東京は毛細血管のようだった。

主要道路から枝別れするように見える小道のライト。

時間帯的には７時～８時が最高だと思う。

３０分ほど飛ぶと、ようやく天の川が見下せる。兵庫―大阪の沿岸がきれいに蛇行しながら光って見える。

僕らは地上の天の川の一部となって過ごしている。

きっと夜空の星になる予行演習だ。


生は、死の予行演習。

死んだあとしっかり活躍できるように生きている間に経験を積んで練習しておこう。