うみにおふねをうかばせて

四十路 田舎嫁 あれやこれや。

ノーマネー フィニッシュ です。

2020-08-04 13:51:00 | 日記
洒落た赤いマスク姿で我がデニ知事が
緊急事態宣言を発令したよ。

話は逸れるけど、デニ知事さんて
郷土色に併せた服装がカジュアルで
またそれが粋で、
なかなかなナイスミドルだと
思うんだけどこれって同意?贔屓目?

まあ、
ニュースを観た感想なのだけど
まあ、
デニ知事さんの手腕云々はおいといて
みてくれだけのお話なんだけど。

とにかく我が知事さんが
宣言というかお願いをしたよ。
だからもう、意識を持って
自分の身は自分で守らなきゃ。

だから。頼むから。

一家総出でレジャー気分のお買い物とか、
数点の買物でご来店とか、
混む時間帯にわざわざご来店とか、
この後に及んでマスク無しで入店とか、
そんな危機感無しの姿勢はやめましょうと
デニ知事さんは言いたいんだと思うの。
自分の身は自分で守りましょうと。

てかお願いしないと動けないのか?
トップの動きが遅いと言ってる場合か?
全部全部トップが悪いのか?
自分のことは自分で守らなきゃ。
もしも守るべき人がいたら全力守らなきゃ。

とまあ、息巻いてる私ですけど。
南の島の果てで吠えてみましたけど。
正直、この出口が見えない感じ。怖い。

いやいや。とりあえず
自身の意識を高めてちゃんとしてから、
未だひっきりなしの観光客を
批判しましょうって
最近は改めて思ったワケよ。
来るのが止まらないならもう自己防衛よ。
しかし気持ちは分かるよ。
Go toしたとたんにこの有様だからね。

それで言うとね。同僚との雑談タイム。
観光客に対しての批判をするスタッフに
でもさ、とだから私は異論を唱えたわけ。
倉庫の片隅で異論を唱えたわけ。

県民の意識もまだ低いよね。
来るもんが止められないなら自分達で
防衛意識を高めなきゃだめじゃないと。
とりあえず一家総出の買物は危険じゃね?
と。

同僚はなんともいえない顔をしたのち
答えたね。
でも子供たちのストレスも溜まっている
わけだからさ。
店に連れていって解消するわけよ。と。

なんてデンジャーなご意見。

マスク無しの方も観光客もたむろする
この感染率高い場所に我が子を晒すのか。
ストレス解消のために。
子を持つ母親の意見として
聞きたくなかったよ。それ。
多分深く考えずに答えたんだと思いたい。

まあ子を持たない私には分からない
事情やなんらかがあるのかしらん。
(留守番が出来ないとか昼間働き詰めとか)
空気を読んだ私はふむふむと頷いてみたよ。
心は全然ふむふむじゃないんだけど。
家庭を持つって一筋縄じゃいかないのね。
だからふむふむと頷いてみたよ。

とはいえ、
お客さんが多く来店する
いわばゴールデンタイムはもはや戦場さ。
最近はゴールデンタイムにより集中してるの。

違うよ。
多分デニ知事が言いたいのは
集中じゃねえ、密じゃねえ、
分散よ、ソーシャルなディスタンスだよ
と私は心の中で叫んでる。

そしてお客さん、てば
気を遣ってるんだか少しでも短縮を
狙っているんだか、
お札でのお支払いする人が多くて困る。
何が困るって釣り銭は限られてるから。
防犯上、手元には少なくあるから、
レジがそっちゅうピーピー悲鳴あげてるのね。

1円無いよ頂戴な。
100円無いよ頂戴なって。

ピーピーとひな鳥のように鳴いてる。
だから私は
釣り銭を補充して回る親鳥になるよね。

インカムで釣り銭補充お願いします
との連絡が入る。だから私は走る。
豊潤な肉体をわさわささせて走る。
ひな鳥のために。お客さんのために。

簡易金庫の釣り銭袋を持ち上げる。
そのなんとも頼りない重さに恐怖が走る。
袋を開ける。絶望する。

阿修羅様のような高速な手つきで
レジをさばいていた店長と目が合う。
私、無言で袋をくしゃくしゃにしてみせて
ノーマネーとファイナルコールを示す。

店長、そのお美しい眉毛と目元だけで
了解。本金庫行ってくるわ。ここを頼む。
と語る。阿修羅の手つきのまま。

ラジャ。と私は心で敬礼をし、
インカムで宣言する。
デニ知事さんじゃないけど宣言する。

ノーマネー フィニッシュ です。
皆さんよろしくお願いします。

とたんに他のレジ子さんたちの
挨拶が変化する。

いらっしゃいませ。
ただ今釣り銭が不足しております
ご協力お願いいたします。

レジ子さん達は釣り銭残高と
睨めっこしながら最前線で踏ん張る。
時はゴールデンタイム。正念場。
店長の戻りを渇望しながらその時を待つ。

店長、インカムでその後の動向を探る。
明日の釣り銭予定分からの
振り分けをしながら。
正に戦場での司令官。指揮を執る。

 OK。
⚪︎番レジは電子マネーオンリーに。
⚪︎番から⚪︎番へ100円玉の移動を。
⚪︎番に集中させて下さい。
戦場の最高司令官、冷静に判断を下す。

そして。言う。

後10分、持ち堪えて。

店長からの通達。
私を含めレジ子達に希望の出口が見える。
もう少し。もう少しだ。

店長が飛ぶように走ってくる。
むしろもう背中に羽根が見える。

優先順位の高いレジから釣り銭の
補充を行う。ジャラジャラとレジが
果てしなく銭を飲み込んでいく。
どんだけだよ。

これが私たちの日常。これが日常。