この連休で一番天気が良いのが初日だという話。それじゃ何処か歩くか!と手元の散策系雑誌の記事を参考に近場を選んでみた。ということで今回は、関東の霊場、秩父札所巡りでなまった体のリハビリを先週に引き続き行うこととなった次第である。
西武線の所沢駅で秩父方面の電車を待っていると、いつもとは違う雰囲気。親子連れやオタク系の人でわんさか溢れている。そうだ、今日は入間の航空ショーだ。電車は混むに違いない。ところが運良く到着した電車は、秩父鉄道直通の快速急行。これなら入間基地のある駅は止まらないし、そのまま秩父鉄道に乗り入れていくので楽チンだ。飯能から先は若干車内も空いて、ボックス席に座ることができた。ここからはスイッチバックを2回程行って目的地である秩父鉄道の浦山口駅に到着した。駅前は、ご覧のように白装束の巡礼者で溢れかえっていたが、その脇を抜けてナンチャッテ巡礼者のボクらはそそくさと第28番橋立堂に向かった。
まともに全部の札所を巡ると2泊くらいかかるらしい。ボクらはここ28番をスタートとし、逆に27、26番と巡ることにしている。最初の橋立堂は馬頭観音であった。隣接する鍾乳洞は埼玉県指定の天然記念物とのことだが、今回はパス。ちょっと怖い感じがしたからだ。境内には千社札がたくさん貼られてあり、ご利益を求めて来た人、ただ目立とうと貼っただろう人達の気持ちが漂っている。小銭入れから5円玉を賽銭箱に投げ込み、「どうかご縁がありますように」とお参りをした。
しばらく歩くと秩父鉄道沿いの散策用の道があり、気持ち良い天気の中、車を気にせず歩くことができた。ただしあまり道しるべが無く、ちゃんとした地図も持っていなかったため自位置をロスト…あわててコースに戻ったりした。
秩父鉄道は寄居と三峰口を結ぶ路線で、祝休日には西武線も乗り入れている。そして蒸気機関車が現役で走っている路線でもある。今回の散策中にも遠くに汽笛と蒸気の音を何度か聞くことができた。ボクらは西武線から直接乗って行ったので、最寄の駅からパスネット(プリペイド式乗車カード)で改札を入ったのだ。しかし秩父鉄道は全線に渡ってパスネットやスイカ等のカードが使えない。改札で駅員さんに頼んで清算してもらうことなるので注意が必要だ。
第27番の大淵寺の裏山にはカタクリが自生しているようで、そのカタクリ散策遊歩道というのを登ってみた。しかし時期的に終わっているせいか、ほとんど獣道みたいな、しかも傾斜の厳しい山道になっており、結果苦労をして登ることとなった。山頂からの眺望はすばらしく、しばし休憩の後、次の第26番札所、岩井堂を目指した。ここからは山道となる。200~300m程の山々を繋ぐ尾根伝いにアップダウンのコースが続く。途中ロープを使ったりする場所もあり、巡礼者にとっては難所と言ってもいいだろう。ボクらは簡易登山な格好なので、それほど足元とか気にならないが、そうとは知らずに散策してきた観光客達は大変だ。そんな山道を30分程いくと、写真のような古寺が目の前にたちはだかってくる。岩肌に立つ岩井堂は、プチ清水寺のような感じで周りを回廊で囲われている。山寺故に眺望的には遠くが見えるわけではないが近くの山々のうねりが手に取るように見える。なるほど、修行には良さそうだ。
さて、正午近くになり、お腹の虫も騒ぎ始めている。しかし寺の境内で食べるのも気がひけて何処かいい場所はないかと歩いていると、長者屋敷と呼ばれる付近に東屋があった。
さっそくオニギリと、夕べの残り物の鶏モモ肉の煮物で昼食だ。いつでもそうだが、このお弁当タイムって物凄く楽しみである。そしてどんなに粗食(コンビニのお弁当でも)であっても最高のご馳走に感じる。血と肉になるのだなぁ~と感慨深く頂くのであった。
この先、西武秩父駅を目指すのだが、途中道を間違えてしまった。本来なら羊山公園という春には芝桜が綺麗な公園を通って行くところ、何故か街中に出てしまった。しかしそのおかげで第12番野坂寺に立ち寄ることができた。
西武秩父駅に到着した。帰りの航空ショーの混み具合を考えると、ちょっとリッチに特急で帰った方だ良さそうだ。とうことで指定券とビールを購入し、車内で乾杯。あとは意識を失って爆睡の中、家路についた。
今回はもっとお気軽なコースかと思いきや、案外山道を歩くこととなった。でも雑誌に付いている地図程度ではあまり役に立たない。どんな場合でも周辺の地図は必要なんだろうなと痛感した次第だ。さて、このナンチャッテ札所巡りのご利益、どんな具合に現れるのだろうか。乞うご期待だ。