知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

ファットマン~マッハステム

2015年08月05日 14時01分11秒 | 戦争
 毎年8月は私的には戦争を考える月。
 録画しておいた戦争関連の番組を今年も見始めました。

 まずは 2014年8月18日に放映されたNHKスペシャル;

■ 「知られざる衝撃波~長崎原爆・マッハステムの脅威~
 1945年、長崎に投下された原子爆弾。被爆直後の死者のおよそ半数は、爆風が原因と見られているが、詳しいことはわかっていない。2013年、爆風による破壊を解明する手がかりが見つかった。爆心地から遠ざかるほど爆風が威力を増す「マッハステム」という現象を捉えた一枚の地図。取材を進めるとアメリカがマッハステムの破壊力を事前に計算し、意図的に利用したことが明らかになった。長崎を襲った衝撃波マッハステムの脅威に迫る。

 「ファットマン」とは1945年8月9日に長崎に落とされたプルトニウム型原子爆弾の名前です。
 ファットマンの爆弾としての特徴は、放射線や熱線よりも爆風による衝撃波の威力が強いことでした。
 投下された年に死亡した7万人のうち約半数が爆風死だったそうです。

 ファットマンは地上503mの高さで爆発しました。いや、正確には“させました”と言い換えるべきですね。
 事前の実験でその高さが一番効果的に被害を与えるという綿密な計算の結果はじき出された数字なのでした。
 
 当時のアメリカ軍は攻撃対象として民家と軍事施設を区別していませんでした。
 とにかく、町の中心地に原爆を落とし、大きな被害をもたらすことが最優先の目的でした。
 今、こんな無差別爆撃をしたら、世界中から非難囂々です。

 終戦後にアメリカの調査隊が長崎原爆の被害を詳細に調べ上げました。
 建物の被害状況から、どの部屋にどういう名前の人がいて何が原因(爆風、圧死、火傷など)で死んだのかがノートに詳しく記載されていました。

 ファットマンは“戦争を終わらせる”というより“新しいタイプの原爆の人体実験”という目的だったのですね。
 戦争という狂気(凶器)の恐ろしさを改めて思い知らされる内容でした。
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