CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

コルシカ3連戦を終えて

2013-07-02 08:35:04 | ツール・ド・フランス

 ツール・ド・フランス100回目の開催にして初めてその舞台に選ばれたコルシカ島だが、何故これほど美しい島がツール・ド・フランスの舞台に選ばれてこなかったのかが不思議なほどの絶景に目を奪われた3日間となった。ひたすら景色を楽しむしかないほどに退屈なレース展開だったこともあるのだが・・・Tdf13_st01_01

 勿論、最大の原因は第1ステージのあの実に馬鹿げたトラブルだ。あろうことかチームバスがゴールゲートに支えてスタックするなどということは前代未聞の出来事だ。まして、集団がゴールに迫ろうという矢先にである。コミッセールは一旦はゴール地点を変更するという決断をした訳だが、この決断があの大落車を生む要因となったことは確かだろう。
Tdf13_st01_04
 これが自動車レースなら、間違いなくセーフティカーが入るところだろうが、自転車のロードレースではそういうケースを見たことがない。選手達の安全を第一に考えるなら、ラジオツールでではなくコミッセールが正式且つ明確に集団をコントロールするべきだと思うのだが、選手達にそれを嫌う傾向があるようだ。UCIとラジオツールを巡る問題を抱えているプロツアーの選手たちとしては、ラジオツールを通しての連絡で問題なしとしたい気持は分らない訳ではないのだが、あのような大落車を目の当たりにすると、選手の気持も複雑だったに違いない。Tdf13_st01_03

 自転車競技に落車は付き物とはいえ、主催者側の不手際が原因での落車はまた別物だろう。選手の安全が確保されてのレースであるべきである。近年はコースのレイアウトに関し主催者側と選手側でのいさかいも少なくないのが実情なのだ。ただでさえ、3週間という過酷なグランツールでは、選手達の安全が最優先されるべきであろう。観る側としては過酷なコースの方が楽しいことも確かなのだが、そこで選手達が落車で次々と姿を消してしまっては本末転倒となる。
Tdf13_st01_05
 今回の落車ではマイヨヴェール最有力のペータ・サガンや総合優勝でフルームのライバルになるはずのアルベルト・コンタドールなどの有力選手達が巻き込まれている。有力選手以外にもアシストたちが数多くケガをしているので、この事件が今後のツール・ド・フランスに大きな影響を与えることは間違いないだろう。
 とりあえず、ペータ・サガンは自力にものを言わせてマイヨヴェールを獲得はしたが、第2・第3ステージとも勝利を逃している。また、この無理が後半に祟る可能性も十分に考えておかなければならないだろう。最も心配なのが落車に弱いといわれているコンタドールだ。2011年大会では序盤から単純な落車を繰り返し総合5位に沈んでいる。前大会中のクレンブテロール検出問題を抱えていたとはいえ、ジロ・デ・イタリアので強さを見せられていた身としては本気でWツール制覇は硬いと見ていただけに、実に不可解な走りに見えたことを覚えている。Tdf13_st01_02

 実はこの落車見て、第2ステージでフルーム辺りが様子見のアタックに出るのではと予測していたのだが、スカイもチームの調子がイマイチのようで、2級山岳の頂上でフルームが少し仕掛けて見せただけで、すぐに脚を止めてしまった。初日がタイム差なしになってしまったため、タイム差1秒以内という選手が数十名もいる状況で、大きな逃げも容認されず、毎ステージほぼ同じチームの選手が少数で逃げるという展開が3日も続いている。また、マイヨジョーヌもアルゴス・シマノのキッテルからレディオシャックのバークランツと誰も予想ができないリレーになっている。
Tdf13_st01_06
 また、本来はマイヨジョーヌ争いをすべきピエール・ローランが山岳賞ジャージーに拘りを見せたりという、予想外の出来事が続いている。かろうじてマイヨヴェールだけは予想通りサガンの手に移ったが、コルシカ3連戦では力を温存してきたカヴェンディッシュのフランス本土での巻き返しが不気味な状況だ。Tdf13_st02_01

 そして、今日はニースでのチームTT。距離は25kmと短いが、初日の落車のダメージを図るのにはこれ以上ない舞台になるはずである。ここで大きく遅れるチームは早々に総合争いから脱落するに違いない。このチームTTの結果次第では、ピレネーを迎える前に激しいバトルが開始される可能性があると見ている。その片鱗は第1ステージにも見られていた。結果的に成功はしなかったが、第1ステージの横風区間でレディオシャックとサクソ・ティンコフがプロトンの分断を試みていたのだ。その後の大落車もあり、第2・第3ステージではさしたる動きはなかったが、個人的には今年のツール・ド・フランスは他チームのスカイ包囲網が見られそうな気がしていただけに、あの大落車は本当に残念で仕方がない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マイヨジョーヌの行方(3) | トップ | チームTTで見えてきたコンデ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ツール・ド・フランス」カテゴリの最新記事