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UAEツアーの2日目は12.2㎞の個人TTでした。優勝したのはイネオス・グレナディアーズのジョシュア・ターリングでした。ジュニア時代からトラック競技やTTで才能の片鱗を見せていた21歳が本格化の兆しを見せ始めているように感じました。
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19歳でプロ入りし全英エリート男子TT選手権の最年少優勝者となり、昨年はヨーロッパチャンピオンにもなっている選手なのですが、オリンピックや世界選手権という大舞台ではレムコ・エヴェプールの陰に隠れていたのです。ただ、今年はそのレムコは怪我で出遅れ、イネオスもチーム改革が進んでいるのか、チームも好調のようです。ピドコックやナルバエスといった有力選手が移籍し、ゲラント・トーマスが年内引退を宣言していますので、チームは若返りのチャンスなのかもしれません。
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ステージ2位は今季EFエデュケーション・イージーポストからデカトロンAZ2Rに移籍したシュテファン・ヴィセガーでした。彼は2022年の第3ステージの個人TTでもポガチャルやガンナを破って優勝しているTTを得意とする選手です。2022年といえばポガチャルが2度目の総合優勝をした年で、その時4位ポガチャルとのタイム差は18秒でした。それが今年は5秒に短縮されているのはポガチャルの進化の証でしょう。
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とにかくこのステージは68Tというビッグギアを使ったターリングの圧勝でした。平均速度が唯一56㎞/h代なのですから、こうした距離の短い平坦コースではレムコと良い勝負になるのではないでしょうか?まだ21歳と若いので今後フィリッポ・ガンナの後継者として育っていってほしいものです。
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ただ、今日は18秒遅れの3位に終わったポガチャルですが、ターリングに18秒の差なら今日の第3ステージで逆転するのはほぼ間違いないでしょう。今日のステージはジュベル・ジャイス(登坂距離21km/平均勾配5.4%)の山頂フィニッシュなのですから。勾配はやや物足りませんが、距離があるので、UAEチーム・エミュレーツのアシスト勢が強烈な波状攻撃をみせれば集団はあっというまにばらけるはずです。
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ただ、2022年もそうでしたが当時イネオスのメンバーだったアダム・イエーツ等とは接戦でゴールスプリント勝負に持ち込まれているのです。この年もポガチャルは個人TTで優勝したヴィッセガーとの18秒差を一機に逆転して総合首位に立っているので、ライバルはターリングやヴィッセガーではないはずです。ただ、総合4位はチームメイトのジェイ・ヴァインですから、とにかく最後の登りでTTスペシャリストたちを振るい落とすのが最優先課題でしょう。ジュベル・ジャイスで怪物ポガチャルがどんな走りを見せてくれるのかワクワクが止まりません。
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